リアルの幼馴染みがこんなに萌えないものだなんて

石原レノ

瀧くんの女装(笑)

「よぉし瀧。そこに座って」
「ふふ。動いちゃダメよ。失敗したらお仕置きだからね」
何故だろうか、、、俺は今何故『女装』をさせられているのだろう。確かに数日前美優からの電話で暇だとは言ったがこんなことになるとは思ってなかった。
「なぁ美優。これ何なの?」
「え?女装だけど?」
「阿呆。なんで俺がこんな事になってるかを聞いてんだ」
「えーー、、、どうする?まーちゃん」
「良いんじゃない?今更言っても逃げたりしないよ」
何かとてつもない事を言われるとこの会話を通じて理解出来てしまった。今俺が居るのは白凪家である。扉を締め切りエアコンの効いた部屋でくつろいでいると、この服を着て欲しいと頼まれた。最初は何の服か分からず着てみると女物の服だったのである。で、今に至る。
「、、、、早く言えよ」
何だか気難しそうな顔をしている美優を見て俺は怖くなってきた。
「実はね」
「実は?」
「たっくんにはマネキンになってもらったのよ」
「あ、そうかマネキンかぁ!なら俺がこんな服きてるのも理解、、出来ねぇよ!何で女物の服を着てんだよ!俺男なんですけど!?」
「落ち着きなさいよ。何も女の人ばかりが女物の服を着るとは限らないでしょ?これはそういう人向けに作ってみた服なのよ」
白凪家の主、つまり美優と真優の父さんはファッション系の仕事をしている。たまに2人も服作りや案を出すための手伝いをしていると以前聞いたような、、、。
「ほう、、それで試しに俺を選んだと」
「そゆこと。ほかの男子になんてこんなこと頼めないんだからね」
「何その意味深な言い方。え?お前俺のこと好きなの?」
俺が冗談交じりにそう言うと真優は顔を真っ赤にしていた。
「そ、そんなわけないでしょっ!だって本当にいないんだから仕方ないじゃない!べ、別にあんたの事なんて好きじゃないもん!」
「いただきました!ツンデレ発言!」
そう言うと真優は気を悪くしたのかプイっとそっぽ向いてしまう。それを見て美優がニヤニヤとしながら
「たっくんも遂に口説き出したね」
「まぁ良いけどよ。とりあえず俺のこの情けない格好をどうにかしてくれ」
カシャ
俺がそういった途端シャッター音が鳴り響く。音源の方向に視線を向けると真優がスマホを片手にニヤついていた。お察しのとおり俺のこの格好を写真に撮られたのである。
「、、、、お前何してんの?」
今だにニヤニヤしている真優は写真を見ながら転げ回る。
「これマジで面白いね!何回見ても飽きないわ!これはシェアすべきかなぁ、、、」
「止めんかい!俺がわずか数秒で人生崩壊への道を切り開くことになるわ!」
「それもそれでありかー」
「いや有り得ねぇよ!美優!いらん事言うな!」
「よし!やろう!」
「待ちやがれ!」
俺が美優にツッコミを入れていると隙を見て真優が逃げ出した。すかさず俺も急いで走り出す。
「お前逃げるなんて卑怯だ、、、ぞ」
真優が逃げた先、、、それはベランダだった。それも公の場もいいとこである。
道を行き交う人達は俺の大声で皆こちらを向いていた。ざっと数十人。終わった、、、俺はそう悟った。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
休日の昼頃白凪家周辺で耳をつんざく程の奇声が発せられた。

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