リアルの幼馴染みがこんなに萌えないものだなんて

石原レノ

史上最も暇そうな花見

ピリリリリリーピリリリリリ
「んー…電話か…」
気付くと朝になっており携帯の着信音で俺の意識は覚醒する。
着信は真優からだった。何事かと思いながらも電話にでる。
「もしも―」
「もしもし!瀧?」
朝っぱらというのになんというでかい声。耳がいたくなる程の声に思わずうろたえてしまう。
「あのさ!今から花見でもしようかと思ったの、瀧も来る?」
「………行きます。」
「分かった!11時に花坂公園ね!愛華ちゃん連れてきなよ!」
言いたいことだけ言ってブツリと電話を切られた。朝っぱらというのに真優さんぱねぇっす。朝ってテンション上がんないのが普通なのにMAXじゃねぇかよ。
とりあえず愛華のところに向かうことにした俺は私服に着替えリビングへ向かった。
「おはよう兄さん。あれ?今からどこか行くの?」
リビングにはまだパジャマ姿の愛華が朝食の準備をしていた。
パジャマって……可愛いもんですねはい。
「11時に真優達と花見に行くことになったんだよ。愛華も誘えとの事だ」
俺がそう告げると愛華は頬に人差し指を当てて考える
「んー…行きたいのはやまやまなんだけどね……今日はお父さんとお母さんが家に居ろって言ってたんだよね」
「それって俺も?」
「兄さんはその時寝てたからなぁ、そこまでは話さなかったよ」
「そうか……まぁ、なるべく早く帰るようにするよ」
「分かった。はいこれ朝ごはん」
「いただきます」
今日の朝食のメニューはパンに焼きベーコン、目玉焼き、レタスを挟んだサンドイッチと野菜ジュースだった。
現在時刻は8時半。花見の時間にはまだ余裕がある時刻だ。朝のニュースを見ながらゆっくりと朝を食べる
「お花見の話は昨日からしてたの?」
「いや、今朝真優から電話が来てそこで聞いた。朝っぱらというのに耳が痛くなるほどの大音量で」
「そ、そうなんだ。さすが真優さんだね」
「まぁ元気なのは良いことだしな」
「お花見ってお弁当いるよね?私作ろうか?」
俺はしばし考えたがこれ以上迷惑をかけるわけにもいかないと判断し断った。
多分真優か美優が作ってくるだろ。


「あれ?愛華ちゃんは?」
「今日はうちの両親に家にいるように言われたんだと。だから来れないよ」
俺のその言葉を聞くと真優と美優の顔が青くなる。え?まさかね。まさか俺が一番恐れていた事なんて起きないよね。
「どうしよう。弁当誰も作ってないんだけど……」
「じゃ、さいなら。俺は帰る」
「ちょっと待ちなさいよ!そんな早く切り替えるなんてそれはないと思わない!?」
「うっせ!弁当がなくて花見なんてイチゴののってないショートケーキくらい悲惨なもんなんだよ!」
「い、良いじゃない!弁当が無くたって花見は花見よ!そのあとに帰って食べれば良いじゃない!」
「弁当じゃなくて私を食べても―」
「無理無理無理無理!まず花見に弁当がないこと自体NGだし、俺に襲うようなハイパーな精神はない!だから俺は―」
「あれ?皆どうしたの?」
帰ると言おうとしたところで聞きなれた声が聞こえた
振り替えるとそこには華恋が立っていた。
「もしかして皆もお花見?」
俺、真優、美優を含めた三人が黙って頷くと華恋の表情がパアァッと明るくなる。
「よかった!僕もさっきまで友達と来てたんだけど、急に用事で帰っちゃって。お弁当あるんだ。入れてもらって良いかな?」
数秒間沈静した後。
「良いよ!良いよ!ていうか入って下さい!お願いします!」
「良かったぁ!華恋君が来なかったら昼食なしのお花見だったんだから」
「へ、へぇ」
苦笑いをしながらも華恋は俺達と花見をすることになった。


「そろそろ来る頃かな」
佐々波家では父、母、愛華の三人が家である人物を待っていた。
「そろそろ教えてくれても良いんじゃないかな父さん」
愛華は誰が来るのかまだ聞いておらず不安と期待が五分といった心情だった。
「まぁまて愛娘よ。まだ知るには早すぎる。我が魂も残りわずかでこの地を去る。来るべき時はそう長くは―」
「もうちょっと待ってね愛華」
かっこよく決めようとしたのだろうか、額に手をあてて言っているところを母に邪魔された父は少し顔をしかめていた。
「か、母さん。せっかくかっこよく決めようとしたのに邪魔しないでよ」
いやかっこよくって、今時の厨二病患者でももいちょいひねった言葉使うよ。
「あらごめんなさい。この世の言葉ではないように聞こえたもので」
いやひどいな。この世の言葉じゃないって………。
一見仲が悪そうに見える夫婦だが、実は非常に仲がいい。
結婚して二十数年経つが倦怠期を迎えていないと父が言うほどに。本当かはしらないけど。
まぁとにかく本人たちが言うほど仲がいい………らしい。
「ひ、ひどいな……さすがに今のは僕でも傷ついたよ」
「あら、喜ばしい事ね。なんなら深めてやるわよ」
良いのかこれ。いや見えないよね。ていうか仲悪いよね。
「まぁまぁ母さん。そう言わずに」
ピンポーン
愛華が現場をなだめていると玄関のチャイムが鳴り響いた。
「お、来たかな♪」
さっきのさっきまで落ち込みぎみだった父がケロッとしてスキップで玄関へと向かう。この性格だからやってこれたのだろうと愛華は確信したのだった。
結局今の今まで教えてくれなかった客人とは一体誰なのだろうか。どんな人なのだろうか。色々な想像をしながら玄関へと向かう。
「いやぁー久しぶりだな、クリス」
「あぁ久しぶり真也。元気そうでなによりだよ」
真也とは父のことである。既にクリスと呼ばれた男性と話しているようだ。
「やぁリンちゃん久しぶりだね!凄い美人になったねぇ!」
女性もいるのか。愛華はそう思いながら玄関に立っている人物を見た。
……数秒時が止まったような感覚を身に感じた。目の前にいるのはフランス人だと認識出来た。銀髪翠眼の完璧美少女がそこにいた。まるでモデルのような顔立ちと容姿に思わず息を飲んだ。
「お久しぶりおじさま!帰ってきたよ!」

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