異世界の村で始める獣人とのハーレム生活
第2話村人四人
「アホ! 今度こそ本当に死を覚悟したんだぞ、俺」
「ごめんって。悪気はなかったの」
地面とこんにちわする前に、何とかルチリアに助けてもらい奇跡的に生き残った俺は、怒りが収まらなかった。下手したら命を落としかねなかったのに、本人は本気で謝っているようには見えなかった。
「何でこんな目に俺が合わなきゃいけないんだよ……」
「まあまあ。ほら、到着しましたよ。あれが私達の村です」
森の中を抜け(一度落下したので、途中から徒歩で移動していた)た先をルチリアが指さす。そこに広がっていたのは……。
「ちっさ!」
村、というよりは小さな集落レベルの広さの土地。家は木造建築のものが多く、こちらの世界で言うなら金持ちが持っているちょっとした別荘のレベルだろうか? それらが建っている規模だ。
「いきなり失礼なこと言うわね。これでも皆生活しているのよ」
「村長って言っていたけど、俺が想像したのとちょっと違ったから、軽くショックなんだけど」
この世界に来てから、いい事なさすぎだろ。
「あら〜、おかえりなさぁい。村長」
その規模に唖然としていると、すぐそこにある家から誰かが出て来た。ここに住んでいる人だろうか?
人?
「ただいまミルフィーナ。やっぱり言っていた通り、また暴れていたわ。例の魔物」
「やっぱり〜? 私の予想通りだったんだぁ」
かなりゆっくりとした口調で喋るミルフィーナと呼ばれた少女は、ルチリアと同じように犬耳を生やしていた。二人は同じ種族なのだろうか?
「ついでに何か拾ってきたんだけど、どうやらこの子この世界の人間じゃないみたいなの」
「拾ったって、人を物みたいに言うなよ」
「へぇ〜、この子がぁ?」
至近距離までやって来て、俺の目を見るミルフィーナ。ち、近い。その上、結構可愛いからドキドキしてしまう。
「名前は何て言うのぉ?」
「か、カエデです。あ、あのよろしくお願いします」
「よろしくね〜」
おまけに話すスピードが遅いので、ここまでの会話で一分は使っている。ドキドキするけど、この人と話すとちょっとリズムが崩れるな。
「とりあえず他の皆にも報告してくるから、またね」
「バイバ〜イ」
ひとしきり挨拶をしたので、ルチリアに連れられて次の家へと向かう。
「最近やけにざわつくと思ったら、やっぱりそうだったか。オレ……私もそんな予感してたんだ」
次に訪れた家の住人は、とにかく毛深い。百獣の王のライオンが、人間になったのだろうか? というか今私って言い直したけど、この人女の子なのか?
「それで、そこにいるのは今日の晩御飯か?」
「そんな訳ないでしょ! そこで拾ってきた訳あり男児よ」
「へえ、こいつ男なのか? 道理でおいしそうなわけだ」
「俺は食い物じゃないっての。俺はカエデ。とりあえずよろしく」
「オ……私は百獣の王だ。よろしくな」
「名前が百獣の王か。相当イタイ奴だな」
まさか名前自体が百獣の王だとは思っていなかったよ。
「待て待て冗談を本気にするな。私は、ぽ、ポチだ。ポチって名前なんだ」
「ぽ、ポチ? そ、その姿で? ぽ、ボチって」
見た目と名前のギャップに笑いがこみ上げてくる。だ、駄目だおかしすぎる。ポチって。
「だから嫌なんだよ! この名前」
「まあまあ、カエデもその辺にしてあげて。ポチはポチだけど、これでも強い子なんだから。名前はポチだけど」
「あんたもフォローしろよ!」
「ポチって……」
「そこに直れぇぇ!」
結局俺の笑いが収まったのは、それから五分経った後だった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
ポチの家を出た後、俺が連れて来られたのは空き家。どうやら今の二人がこの村に住んでいる村人らしい。
「え? マジ?」
「本当はもう一人、いたりするんだけど。今はいないの」
「じゃあここに住んでいるのは四人だけなのか?」
「昔はもっといたんだけどね。ちょっと色々あったのよ」
「色々?」
「色々は色々よ。とりあえずここがあなたの家ね。丁度空き家があってよかった」
「ここ、俺の家にしていいのか?」
先程も言ったが、ここに建っているのは別荘レベルの大きさの物。一人で生活するには勿体無いくらいだ。
「勿論条件付きよ。さっきからチラホラ耳にしているけど、近頃この近辺には魔物が増え始めているの。あなたも遭遇したあれよ」
「あれが魔物なのか?」
あの猫まがいの生き物が? 確かに凶暴だし、可愛げもなかったけど、あれが魔物だと聞くとちょっとあれな感じがする。
「で、今調査中だったの。そこで偶然あなたに居合わせたの」
「そうなんだ。それで、俺にもその調査を手伝ってほしいと」
「簡単に言うとそんな感じかな。勿論食事とかは出るし、家財道具は用意する。いきなりこんな事言われて困るだろうけど、お願い!」
必死に頼むルチリア。確かに突然こんなこと言われて、はいそうですか、とは頷きにくい。そもそも相手は得体の知れない物だ。しかも俺は、運動神経もあまり良くない方。下手したら戦いになりかねないというのに、こんな体で生き残れるなんて思えない。
「そこまで言われると、断りにくいんですけど、俺そういうの向いてないんです。元々運動とかできないんで」
「心配ないです。私が戦い方について手取り足取り教えてあげますから」
手取り足取り? 何とも意味深な発言にしか聞こえてこないのだが、そこまで言うなら……。
「だからどうか……」
ばたん
「え?」
そんな倒れそうになるまで頼まれても、と思ったが違うことに気がついた。
「ちょっ、ルチリアさん?!」
突如起きた非常事態に動揺してしまう。何と彼女の体からは血が流れていたのだ。
「誰か! 誰かー!」
まさか俺のせいで倒れたのか?
「ごめんって。悪気はなかったの」
地面とこんにちわする前に、何とかルチリアに助けてもらい奇跡的に生き残った俺は、怒りが収まらなかった。下手したら命を落としかねなかったのに、本人は本気で謝っているようには見えなかった。
「何でこんな目に俺が合わなきゃいけないんだよ……」
「まあまあ。ほら、到着しましたよ。あれが私達の村です」
森の中を抜け(一度落下したので、途中から徒歩で移動していた)た先をルチリアが指さす。そこに広がっていたのは……。
「ちっさ!」
村、というよりは小さな集落レベルの広さの土地。家は木造建築のものが多く、こちらの世界で言うなら金持ちが持っているちょっとした別荘のレベルだろうか? それらが建っている規模だ。
「いきなり失礼なこと言うわね。これでも皆生活しているのよ」
「村長って言っていたけど、俺が想像したのとちょっと違ったから、軽くショックなんだけど」
この世界に来てから、いい事なさすぎだろ。
「あら〜、おかえりなさぁい。村長」
その規模に唖然としていると、すぐそこにある家から誰かが出て来た。ここに住んでいる人だろうか?
人?
「ただいまミルフィーナ。やっぱり言っていた通り、また暴れていたわ。例の魔物」
「やっぱり〜? 私の予想通りだったんだぁ」
かなりゆっくりとした口調で喋るミルフィーナと呼ばれた少女は、ルチリアと同じように犬耳を生やしていた。二人は同じ種族なのだろうか?
「ついでに何か拾ってきたんだけど、どうやらこの子この世界の人間じゃないみたいなの」
「拾ったって、人を物みたいに言うなよ」
「へぇ〜、この子がぁ?」
至近距離までやって来て、俺の目を見るミルフィーナ。ち、近い。その上、結構可愛いからドキドキしてしまう。
「名前は何て言うのぉ?」
「か、カエデです。あ、あのよろしくお願いします」
「よろしくね〜」
おまけに話すスピードが遅いので、ここまでの会話で一分は使っている。ドキドキするけど、この人と話すとちょっとリズムが崩れるな。
「とりあえず他の皆にも報告してくるから、またね」
「バイバ〜イ」
ひとしきり挨拶をしたので、ルチリアに連れられて次の家へと向かう。
「最近やけにざわつくと思ったら、やっぱりそうだったか。オレ……私もそんな予感してたんだ」
次に訪れた家の住人は、とにかく毛深い。百獣の王のライオンが、人間になったのだろうか? というか今私って言い直したけど、この人女の子なのか?
「それで、そこにいるのは今日の晩御飯か?」
「そんな訳ないでしょ! そこで拾ってきた訳あり男児よ」
「へえ、こいつ男なのか? 道理でおいしそうなわけだ」
「俺は食い物じゃないっての。俺はカエデ。とりあえずよろしく」
「オ……私は百獣の王だ。よろしくな」
「名前が百獣の王か。相当イタイ奴だな」
まさか名前自体が百獣の王だとは思っていなかったよ。
「待て待て冗談を本気にするな。私は、ぽ、ポチだ。ポチって名前なんだ」
「ぽ、ポチ? そ、その姿で? ぽ、ボチって」
見た目と名前のギャップに笑いがこみ上げてくる。だ、駄目だおかしすぎる。ポチって。
「だから嫌なんだよ! この名前」
「まあまあ、カエデもその辺にしてあげて。ポチはポチだけど、これでも強い子なんだから。名前はポチだけど」
「あんたもフォローしろよ!」
「ポチって……」
「そこに直れぇぇ!」
結局俺の笑いが収まったのは、それから五分経った後だった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
ポチの家を出た後、俺が連れて来られたのは空き家。どうやら今の二人がこの村に住んでいる村人らしい。
「え? マジ?」
「本当はもう一人、いたりするんだけど。今はいないの」
「じゃあここに住んでいるのは四人だけなのか?」
「昔はもっといたんだけどね。ちょっと色々あったのよ」
「色々?」
「色々は色々よ。とりあえずここがあなたの家ね。丁度空き家があってよかった」
「ここ、俺の家にしていいのか?」
先程も言ったが、ここに建っているのは別荘レベルの大きさの物。一人で生活するには勿体無いくらいだ。
「勿論条件付きよ。さっきからチラホラ耳にしているけど、近頃この近辺には魔物が増え始めているの。あなたも遭遇したあれよ」
「あれが魔物なのか?」
あの猫まがいの生き物が? 確かに凶暴だし、可愛げもなかったけど、あれが魔物だと聞くとちょっとあれな感じがする。
「で、今調査中だったの。そこで偶然あなたに居合わせたの」
「そうなんだ。それで、俺にもその調査を手伝ってほしいと」
「簡単に言うとそんな感じかな。勿論食事とかは出るし、家財道具は用意する。いきなりこんな事言われて困るだろうけど、お願い!」
必死に頼むルチリア。確かに突然こんなこと言われて、はいそうですか、とは頷きにくい。そもそも相手は得体の知れない物だ。しかも俺は、運動神経もあまり良くない方。下手したら戦いになりかねないというのに、こんな体で生き残れるなんて思えない。
「そこまで言われると、断りにくいんですけど、俺そういうの向いてないんです。元々運動とかできないんで」
「心配ないです。私が戦い方について手取り足取り教えてあげますから」
手取り足取り? 何とも意味深な発言にしか聞こえてこないのだが、そこまで言うなら……。
「だからどうか……」
ばたん
「え?」
そんな倒れそうになるまで頼まれても、と思ったが違うことに気がついた。
「ちょっ、ルチリアさん?!」
突如起きた非常事態に動揺してしまう。何と彼女の体からは血が流れていたのだ。
「誰か! 誰かー!」
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