異世界の村で始める獣人とのハーレム生活
第8話家出と迷子と猿
「ということが昨日あったから、身体が動かせないんだよ」
翌日、遅い朝食(もはや昼食)を食べながら、昨日の事を皆に話した。いくら情報を聞き出したいからと言って、こんな命懸けな生活は嫌になる。
「情けねえな男のくせに。そんなので一々ビビるなよ」
「いや、その感覚おかしいからな。一つでもミスしたら確実に死んでたんだぞ」
「大丈夫ですよぉ、カエデさんならきっと、死にませんから〜」
「何を根拠に言っているのか、向こうでじっくり聞かせてもらおうか」
とにかく最近不幸ばかりが続いているせいか、頭痛が激しい。こんな生活を毎日続けるのはいくらなんでも嫌だ。
(やっぱり、どこか平和なところへ逃げた方が……)
こんな危険極まりない森の中の村に、いつまでもいるなんて耐えられない。魔物の調査ならここじゃなくたってできる。
(よし決めたぞ俺は!)
この村を出て、安全な場所に移動しよう。
「ごちそうさま。じゃあ家に戻るわ」
「午後は私の訓練だから、忘れるなよ」
「ああ、分かっている!」
(分かっていないけど、許してくれポチ)
こうして俺は、午後の訓練をすっぽかして、この村を出た。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
それが二時間前の出来事。
で、今現在。
「出たのはいいものの、どこだここ」
森の中を彷徨っています。
「せめて地図くらいもらえばよかったな」
突発的な発想だったので、ろくな準備もしておらず、食料もなしでこの中を一人歩いている。一体他の街はどこにあるのだろうか?
「これは困った」
安易に村を出ようなんて考えなければよかった。でも俺はこんな所で死にたくない。
「ちょっとそこのお困りのお方、ボクの声聞こえてる?」
「でも何とかなるよな多分」
「おーい、ってば」
「なんか呼んでいるような気がするけど、今はいいや」
ひたすら俺は真っ直ぐに歩く。変に曲がったりしなければ、きっと島の端にでも到着するだろきっと。
「そっち行っても、何もないよー」
「あーうるさいな、さっきから何なんだよ」
あまりにしつこいその声に、俺はようやく反応して辺りを見回すが、誰もいない。一体誰がこんな事を言っているのだろうか?
「ここだよ、迷子さん」
「え?」
と言い終わるやいなや、突如体が浮く。ルチリアの時とは違って、まるでターザンの気分でも味わっているみたいだ。
「って、何だよいきなり!」
見知らぬ何者かに捕まってしまい、ろくな抵抗ができない俺。一体誰がこんな事、
「いきなりも何も、君が無視ばかりするから悪いんだよ」
「って、今度は猿?!」
猿でした。誰が見ても間違えることがない位見事な猿でした。つまり俺は今、猿に連れ去られたという事だろうか?
「失礼な。ボクはただの猿じゃないよ」
「ただの猿じゃない?」
そう言われて改めて彼女を見ると、何と彼女は長い手を使って移動していた、
「えっと、悪魔の何ちゃらとか食べた?」
「違うよ。ボクは生まれつき手が長いんだよ」
生まれつき手が長いということは、テナガザルの種類の子なのかな。まあ、それはいいとして、
「で、どこへ向かってんだ? 俺行きたい場所があるんだけど」
「この島最大の街でしょ? 方角全然違うから、ボクが案内してあげるよ」
「本当か? それは助かる」
という事でテナガザルの案内で、街の方へ向かうことに。その道中、色々なことを彼女から教えてもらった。
「そういえぱ自己紹介まだだったよね。ボクはモルモ、見ての通り猿の仲間で、毎日こうして森の中を駆け回っているんだ。君は?」
「俺はカエデ。訳あってこの島にいる」
「へえ、訳あり君なんだ。じゃあさっきまで彷徨っていたのも関係あるの?」
「まあ、なくはないかな」
命狙われているわけだし、訳ありといったら訳ありだと思う。
「少し頼みがあるんだけどさ、俺まだこの島に来て間もないから、案内がてら色々教えてくれないか?」
「うーん、教えるよりは実際に見て回った方が早いと思う。あ、でも回るのはちょっと大変かも」
「広いからとかか?」
「ううん。そうじゃないの。知っての通り、この島の人達は皆人間ではない。ボクもこの通り猿人間だし。その中に普通の人間の君がいるのは、極めて異例なんだ。だから街へ出ると少し危ないかも」
「そんなにいたらまずいのか? 俺は」
「君が訳ありののように、ボク達も訳ありだかさ。だからもし、街を周りたいなら気をつけた方がいいかもよ」
「なるほどな……」
でも今から戻った所で、折角の家出の意味がないし、安全な場所を求めて出て来たんだから、ある程度の事は覚悟しているつもりだ。
「それでも行くなら、ボクが案内できるのはここまでかな」
と言い、モルモは地上に俺を降ろす。降りた所はしっかりとした道になっていて、看板には街への案内板が出ていた。
「ありがとうなモルモ、見ず知らずの俺を案内してくれて」
「どうって事ないよ。それよりもこの先は気をつけてね。何があるか分からないから」
「分かったよ。気をつける」
そう言って俺はモルモに背を向けて歩き出す。
「じゃあまた、どこかで会えたら」
「ああ、またな」
モルモと別れ、俺は初めてこの島にある最大の街、クリセイラへと足を進めるのだった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
「えー! カエデ君がいなくなった!?」
一方その頃、ポカミル村では、
「あいつ特訓に来ないと思って家にいたら、どこにもいなかったんだよ」
「あら〜、これは一大事ねぇ」
カエデがいなくなった事で、大騒ぎになっていた。
「まさかカエデ君、街に向かったんじゃ……」
「そんなまさか。道も分からないんだぞ」
「でも、フォルナちゃんから逃げたいとか言ってたから……」
「だとしたらぁ、危ないねぇ。助けに行かなきゃ〜」
「ええ。今すぐ探しに行くわよカエデ君を」
翌日、遅い朝食(もはや昼食)を食べながら、昨日の事を皆に話した。いくら情報を聞き出したいからと言って、こんな命懸けな生活は嫌になる。
「情けねえな男のくせに。そんなので一々ビビるなよ」
「いや、その感覚おかしいからな。一つでもミスしたら確実に死んでたんだぞ」
「大丈夫ですよぉ、カエデさんならきっと、死にませんから〜」
「何を根拠に言っているのか、向こうでじっくり聞かせてもらおうか」
とにかく最近不幸ばかりが続いているせいか、頭痛が激しい。こんな生活を毎日続けるのはいくらなんでも嫌だ。
(やっぱり、どこか平和なところへ逃げた方が……)
こんな危険極まりない森の中の村に、いつまでもいるなんて耐えられない。魔物の調査ならここじゃなくたってできる。
(よし決めたぞ俺は!)
この村を出て、安全な場所に移動しよう。
「ごちそうさま。じゃあ家に戻るわ」
「午後は私の訓練だから、忘れるなよ」
「ああ、分かっている!」
(分かっていないけど、許してくれポチ)
こうして俺は、午後の訓練をすっぽかして、この村を出た。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
それが二時間前の出来事。
で、今現在。
「出たのはいいものの、どこだここ」
森の中を彷徨っています。
「せめて地図くらいもらえばよかったな」
突発的な発想だったので、ろくな準備もしておらず、食料もなしでこの中を一人歩いている。一体他の街はどこにあるのだろうか?
「これは困った」
安易に村を出ようなんて考えなければよかった。でも俺はこんな所で死にたくない。
「ちょっとそこのお困りのお方、ボクの声聞こえてる?」
「でも何とかなるよな多分」
「おーい、ってば」
「なんか呼んでいるような気がするけど、今はいいや」
ひたすら俺は真っ直ぐに歩く。変に曲がったりしなければ、きっと島の端にでも到着するだろきっと。
「そっち行っても、何もないよー」
「あーうるさいな、さっきから何なんだよ」
あまりにしつこいその声に、俺はようやく反応して辺りを見回すが、誰もいない。一体誰がこんな事を言っているのだろうか?
「ここだよ、迷子さん」
「え?」
と言い終わるやいなや、突如体が浮く。ルチリアの時とは違って、まるでターザンの気分でも味わっているみたいだ。
「って、何だよいきなり!」
見知らぬ何者かに捕まってしまい、ろくな抵抗ができない俺。一体誰がこんな事、
「いきなりも何も、君が無視ばかりするから悪いんだよ」
「って、今度は猿?!」
猿でした。誰が見ても間違えることがない位見事な猿でした。つまり俺は今、猿に連れ去られたという事だろうか?
「失礼な。ボクはただの猿じゃないよ」
「ただの猿じゃない?」
そう言われて改めて彼女を見ると、何と彼女は長い手を使って移動していた、
「えっと、悪魔の何ちゃらとか食べた?」
「違うよ。ボクは生まれつき手が長いんだよ」
生まれつき手が長いということは、テナガザルの種類の子なのかな。まあ、それはいいとして、
「で、どこへ向かってんだ? 俺行きたい場所があるんだけど」
「この島最大の街でしょ? 方角全然違うから、ボクが案内してあげるよ」
「本当か? それは助かる」
という事でテナガザルの案内で、街の方へ向かうことに。その道中、色々なことを彼女から教えてもらった。
「そういえぱ自己紹介まだだったよね。ボクはモルモ、見ての通り猿の仲間で、毎日こうして森の中を駆け回っているんだ。君は?」
「俺はカエデ。訳あってこの島にいる」
「へえ、訳あり君なんだ。じゃあさっきまで彷徨っていたのも関係あるの?」
「まあ、なくはないかな」
命狙われているわけだし、訳ありといったら訳ありだと思う。
「少し頼みがあるんだけどさ、俺まだこの島に来て間もないから、案内がてら色々教えてくれないか?」
「うーん、教えるよりは実際に見て回った方が早いと思う。あ、でも回るのはちょっと大変かも」
「広いからとかか?」
「ううん。そうじゃないの。知っての通り、この島の人達は皆人間ではない。ボクもこの通り猿人間だし。その中に普通の人間の君がいるのは、極めて異例なんだ。だから街へ出ると少し危ないかも」
「そんなにいたらまずいのか? 俺は」
「君が訳ありののように、ボク達も訳ありだかさ。だからもし、街を周りたいなら気をつけた方がいいかもよ」
「なるほどな……」
でも今から戻った所で、折角の家出の意味がないし、安全な場所を求めて出て来たんだから、ある程度の事は覚悟しているつもりだ。
「それでも行くなら、ボクが案内できるのはここまでかな」
と言い、モルモは地上に俺を降ろす。降りた所はしっかりとした道になっていて、看板には街への案内板が出ていた。
「ありがとうなモルモ、見ず知らずの俺を案内してくれて」
「どうって事ないよ。それよりもこの先は気をつけてね。何があるか分からないから」
「分かったよ。気をつける」
そう言って俺はモルモに背を向けて歩き出す。
「じゃあまた、どこかで会えたら」
「ああ、またな」
モルモと別れ、俺は初めてこの島にある最大の街、クリセイラへと足を進めるのだった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
「えー! カエデ君がいなくなった!?」
一方その頃、ポカミル村では、
「あいつ特訓に来ないと思って家にいたら、どこにもいなかったんだよ」
「あら〜、これは一大事ねぇ」
カエデがいなくなった事で、大騒ぎになっていた。
「まさかカエデ君、街に向かったんじゃ……」
「そんなまさか。道も分からないんだぞ」
「でも、フォルナちゃんから逃げたいとか言ってたから……」
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