魔法少女はロジカルでマジカルに
真相? その⑤
僕の魔法感知。その精度は決して高くない・・・・・・ようだ。
天堂任のように巨大な魔力の持ち主が近くにいれば、そちらに反応してしまう。
宝田十三雄の魔法は、他者を操る魔法。
しかも、自分の操り人形を中継基地に、魔力を送信する事で、離れた場所から遠隔操作が可能だという。
つまり、この病院には、天堂任の巨大な魔力と宝田十三雄の微弱な魔力が同時に存在しており、僕の魔法の精度を狂わせていたのだ。
だが、けれども―――
あくまで精度が狂っていただけ。
僕は、つい先ほど、宝田十三雄の魔力が感知できなかったと言ったが、正確に違う。
それでも、感知する事だけならできていたのだ。感知するだけなら・・・・・・・。
思い出してほしい。
僕の病室に天堂任と長谷川さんが来た時、僕の病室には何人の人間がいたのかを。
僕、天堂任、長谷川さん・・・・・・
そしてもう一人。
最初に宝田十三雄が操っていた人間が、僕らの誰にも気づかれず病室に忍びこんでいたではないか。
つまり、あの時は病室に4人いたいた事になる?
いや、違う。
 『本当は5人だったのだ』
僕は声に出して言う。
その言葉に天堂任は―――
「5人?では、宝田十三雄が―――いや、宝田十三雄に操られていた男が、お前の病室に来た時、ソイツも一緒に入ってきていたのか?それはどういう事だ?何のために?いやそれよりも・・・・・・
そもそもソイツは誰だ?」
ソイツ。天堂任が指差したのは、僕に殴られて失神している男だ。
名前はわかっていない。どうやら、しばらくは、コイツの事をソイツと呼ぶしかないようだ。
「当然、魔法使いでしょ。天堂任、貴方が失脚し〈日本〉に亡命した時、貴方が〈日本〉に送り込んだテロリスト達は、全員が帰国した。確か、そんな事を話していましたが、それは事実ですよね」
天堂任は「事実だ」と短く返してきた。
よくよく思い返してみれば、それを言っていたのは天堂任ではなく、長谷川さんだった気もしないではないが―――
今は、それを気にするシチェーションでもないだろう。
「と、いう事は、宝田十三雄も帰国し、再び〈日本〉へ戻ってきたわけですね?
宝田十三雄にとっては、天堂任、貴方が最初の雇主になるわけですが―――
当然ながら、貴方は宝田十三雄の魔法がどのようなものか知っていたのですよね?」
「無論。熟知していたとすら言えよう」
「だから、宝田十三雄は、貴方に対して一計を案じたのですよ」
「それが、ソイツか・・・・・・」
「ええ、他者を操る魔法。でも―――
僕たちは操られていないわけじゃないですか?
おそらく、操るための条件があるのではないでしょうか?」
「なるほど、確かに雇う前にそんな話を本人に聞いた記憶があるな」
「・・・・・・・」
忘れていたのか?そんな重要な事を。
熟知してたんじゃねぇのかよ!?
「とにかく、宝田十三雄に取って、天堂任は邪魔だった。自身の魔法に何らかの対策を取ってしまう可能性があったかでらす。
だから、工夫を重ねた。
本来、ターゲットに近づかずに周囲の人間を操る魔法。それを強化するために魔力の中継基地になる人間を操る。それが宝田十三雄の魔法。
そして、今回、宝田十三雄が中継基地に選んだ人間は
魔法使いだったのです」
「・・・・・・。ソイツは魔法使いなのか?」
「ええ、今の状況では、僕の感知魔法に反応しています。おそらくは―――貴方の対策として〈二ホン〉に帰国した時に、連れてきたのでしょう」
おろらく、宝田十三雄の真の目的は、僕らに仲間割れを起こさせる事。
僕ら3人の内、誰かが魔力の中継基地をして操られているとか、疑心暗鬼にさせる(実際は4人目が隠れてるわけだが)
そのうち、宝田十三雄が操れる人間。その条件を満たしている人間が吊し上げられる。
結果として、天堂任は僕を疑い、長谷川さんは僕に殺意を向けて襲ってきたのだが―――
本当は、もっと早く、スムーズに仲間割れをさせたかったのだろう。
あいにく天堂任が、操るための条件を忘れていたために、計画は破綻してしまったのだ。
「彼の魔法が、単純に姿を消す魔法か、認識を狂わせる魔法か、はたまた光の屈折を利用しる魔法なのか・・・・・・
まぁ、本人に後から直接聞けばいいわけですが、彼が宝田十三雄が魔力の中継基地として使っていた人物です」
「なるほど。で、お前はコイツが、どうして長谷川氏の背後に隠れていたとわかったんだ?」
「それは、宝田十三雄もコイツも、僕の魔法を知らなかったのだと思います。だから、ごく普通に長谷川さんの後ろに隠れていた。
僕は長谷川さんが魔法使いではないという事を知らなかったので、長谷川さんから発せられる魔力に疑問を持たなかった」
長谷川さんが魔法を使えないと知ったのは、ついさっきの天堂任の言葉によるものだ。
天堂任のように巨大な魔力の持ち主が近くにいれば、そちらに反応してしまう。
宝田十三雄の魔法は、他者を操る魔法。
しかも、自分の操り人形を中継基地に、魔力を送信する事で、離れた場所から遠隔操作が可能だという。
つまり、この病院には、天堂任の巨大な魔力と宝田十三雄の微弱な魔力が同時に存在しており、僕の魔法の精度を狂わせていたのだ。
だが、けれども―――
あくまで精度が狂っていただけ。
僕は、つい先ほど、宝田十三雄の魔力が感知できなかったと言ったが、正確に違う。
それでも、感知する事だけならできていたのだ。感知するだけなら・・・・・・・。
思い出してほしい。
僕の病室に天堂任と長谷川さんが来た時、僕の病室には何人の人間がいたのかを。
僕、天堂任、長谷川さん・・・・・・
そしてもう一人。
最初に宝田十三雄が操っていた人間が、僕らの誰にも気づかれず病室に忍びこんでいたではないか。
つまり、あの時は病室に4人いたいた事になる?
いや、違う。
 『本当は5人だったのだ』
僕は声に出して言う。
その言葉に天堂任は―――
「5人?では、宝田十三雄が―――いや、宝田十三雄に操られていた男が、お前の病室に来た時、ソイツも一緒に入ってきていたのか?それはどういう事だ?何のために?いやそれよりも・・・・・・
そもそもソイツは誰だ?」
ソイツ。天堂任が指差したのは、僕に殴られて失神している男だ。
名前はわかっていない。どうやら、しばらくは、コイツの事をソイツと呼ぶしかないようだ。
「当然、魔法使いでしょ。天堂任、貴方が失脚し〈日本〉に亡命した時、貴方が〈日本〉に送り込んだテロリスト達は、全員が帰国した。確か、そんな事を話していましたが、それは事実ですよね」
天堂任は「事実だ」と短く返してきた。
よくよく思い返してみれば、それを言っていたのは天堂任ではなく、長谷川さんだった気もしないではないが―――
今は、それを気にするシチェーションでもないだろう。
「と、いう事は、宝田十三雄も帰国し、再び〈日本〉へ戻ってきたわけですね?
宝田十三雄にとっては、天堂任、貴方が最初の雇主になるわけですが―――
当然ながら、貴方は宝田十三雄の魔法がどのようなものか知っていたのですよね?」
「無論。熟知していたとすら言えよう」
「だから、宝田十三雄は、貴方に対して一計を案じたのですよ」
「それが、ソイツか・・・・・・」
「ええ、他者を操る魔法。でも―――
僕たちは操られていないわけじゃないですか?
おそらく、操るための条件があるのではないでしょうか?」
「なるほど、確かに雇う前にそんな話を本人に聞いた記憶があるな」
「・・・・・・・」
忘れていたのか?そんな重要な事を。
熟知してたんじゃねぇのかよ!?
「とにかく、宝田十三雄に取って、天堂任は邪魔だった。自身の魔法に何らかの対策を取ってしまう可能性があったかでらす。
だから、工夫を重ねた。
本来、ターゲットに近づかずに周囲の人間を操る魔法。それを強化するために魔力の中継基地になる人間を操る。それが宝田十三雄の魔法。
そして、今回、宝田十三雄が中継基地に選んだ人間は
魔法使いだったのです」
「・・・・・・。ソイツは魔法使いなのか?」
「ええ、今の状況では、僕の感知魔法に反応しています。おそらくは―――貴方の対策として〈二ホン〉に帰国した時に、連れてきたのでしょう」
おろらく、宝田十三雄の真の目的は、僕らに仲間割れを起こさせる事。
僕ら3人の内、誰かが魔力の中継基地をして操られているとか、疑心暗鬼にさせる(実際は4人目が隠れてるわけだが)
そのうち、宝田十三雄が操れる人間。その条件を満たしている人間が吊し上げられる。
結果として、天堂任は僕を疑い、長谷川さんは僕に殺意を向けて襲ってきたのだが―――
本当は、もっと早く、スムーズに仲間割れをさせたかったのだろう。
あいにく天堂任が、操るための条件を忘れていたために、計画は破綻してしまったのだ。
「彼の魔法が、単純に姿を消す魔法か、認識を狂わせる魔法か、はたまた光の屈折を利用しる魔法なのか・・・・・・
まぁ、本人に後から直接聞けばいいわけですが、彼が宝田十三雄が魔力の中継基地として使っていた人物です」
「なるほど。で、お前はコイツが、どうして長谷川氏の背後に隠れていたとわかったんだ?」
「それは、宝田十三雄もコイツも、僕の魔法を知らなかったのだと思います。だから、ごく普通に長谷川さんの後ろに隠れていた。
僕は長谷川さんが魔法使いではないという事を知らなかったので、長谷川さんから発せられる魔力に疑問を持たなかった」
長谷川さんが魔法を使えないと知ったのは、ついさっきの天堂任の言葉によるものだ。
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