魔法少女はロジカルでマジカルに
真相? その④
「取りあえず、コイツを捕縛するのに紐みたいなもの貸していただけませんか?」
僕の提案に天堂任は動く気配はない。黙りこくって、何かを思案しているみたいだ。
代わりに長谷川さんが、自身のネクタイを外して、渡してくれた。
「ありがとうございます」
僕は礼を述べたけれども・・・・・・。
さっきまで戦っていた相手とあって、声が裏返って不自然な感じになってしました。
一方、長谷川さんは、先ほどの殺気は嘘みたいに消え去り、穏やかさすら感じてしまう。
これが老獪さというものなのだろうか?
こういう出来事を、いくつも潜り抜けてきたからこそ・・・・・・なのか?
僕は、譲り受けたタイで、ソイツの後ろ手を縛りあげた。
殴った感触はクリーンヒット。暫く、目を覚ます様子もない。
さて―――
僕は呟き、周囲を見渡す。
僕の想像通り、魔法の流れが通常化して見える。
「これで、宝田十三雄の居場所が追跡できる。・・・・・・・ところで説明は必要ですか?」
天堂任と長谷川さんは、当たり前だと言わん勢いで頷く。
僕は仕方なく、自分の推理を披露する事にした。
まぁ、宝田十三雄の居場所は完璧に捕えている。
これから、いくら時間を浪費させても、もう彼は逃げる事はできない。
ゆっくり説明しよう。
「まず、天堂任。貴方は勘違いしていた事があります」
「ほう。言ってみろ」
どこまでも偉そうだな。この人。謝らないし・・・・・・。
まぁ、いいや。
「貴方が勘違いしていたのは、僕の魔法。その効果です」
「効果も何も、お前の魔法は『魔法を感知する』魔法。そうではないのか?」
「ええ。その通りですよ。でも、勘違いしているのは効果・・・・・・というか何というか・・・・・・」
「? どうかしましたか?」と長谷川さんが言いよどむ僕へ声をかけてくれる。
「いえ、説明が難しいだけです。効果というか、使い方というか・・・・・・」
うまく説明ができない。あーでもない。こーでもない。
なんだか待っている2人のボルテージがイライラと上昇している気がする。
「ん~ 言ってしまえば基本仕様が違うんですよ。
例えば、天堂任。貴方や真理の光人形は、その場で出現させてますよね?」
天堂任は「当たり前の事ではないか」と言葉を返してくれた。
確かに当たり前であり、今更ながらの質問ではあるが、それを律儀に天堂任が返答してくれた事は意外だった。
「それは貴方たち、魔法が使える者達にとっての当たり前のことなのでしょう。
ですが、僕にとってはどうだと思いますか?僕が、僕自身が魔法を使用していると気がついたのは、つい先日なのです。だから、意思の疎通が滞っていた。そういう事なのですよ」
「意思の疎通?それがお前の言う所の『勘違い』というわけか?
で、それはどういう事なのだ?話が全く見えてこないぞ」
「落ち着いてください。そんなにイラつかなくても、きっちりと説明しますよ。
僕がこれまで出会ってきた魔法使い達。その全ての人達は、魔法を自由に使用できた。
つまり、魔法のON&OFFが可能だったわけですよ」
両人の冷たい視線が突き刺さってくる。
彼らの心情は、おそらく
(何言ってるんだ?コイツ?)
そんな感じだろう。だが、構わない。続けてしまえ。
「そう、魔法に関わっている者なら常識なのでしょう。魔法のON&OFF。使用と停止。
けれども例外があります。そう、それが僕だったのです。
つまり、僕の魔法は常時発動型。そして、感覚的で、感触を頼りに、なんとなくで魔法の流れがわかる。そういう魔法という事なのです」
「つまり、お前は我々が病室を訪れる以前から、魔法を使用してたと? 魔法の流れを感知していたというのか?」
「そういう事だ・・・・・・と言いたいところだが、違う」
「む?何がだ?何が間違っている?」
「僕は、魔法が感知できなかったんだ。
僕が貴方や長谷川さんに魔力の流れを、それを言わなかったがために疑われたわけだが
言わなかったのではない。単純にわからなかったから言えなかったんだよ」
「ほう、魔法が感知できなかった。その理由としては、どう考えられる?」
「おそらく、ソイツが2人に急接近して状態で、僕の病室に入り込んできたからだと思う」
つまりは魔法の混線。魔法の重複。
魔法使いではない長谷川さんはともかく、天堂任は魔法使いとして最高位のレベルなわけだ。
そんな人物の近くに、別の魔法使いが隠れて魔法を使用していた。
だから、わからなかった。まだ、自身の魔法がコントロールできていない僕には、魔法の機微の違いまでわからなかった。
僕の提案に天堂任は動く気配はない。黙りこくって、何かを思案しているみたいだ。
代わりに長谷川さんが、自身のネクタイを外して、渡してくれた。
「ありがとうございます」
僕は礼を述べたけれども・・・・・・。
さっきまで戦っていた相手とあって、声が裏返って不自然な感じになってしました。
一方、長谷川さんは、先ほどの殺気は嘘みたいに消え去り、穏やかさすら感じてしまう。
これが老獪さというものなのだろうか?
こういう出来事を、いくつも潜り抜けてきたからこそ・・・・・・なのか?
僕は、譲り受けたタイで、ソイツの後ろ手を縛りあげた。
殴った感触はクリーンヒット。暫く、目を覚ます様子もない。
さて―――
僕は呟き、周囲を見渡す。
僕の想像通り、魔法の流れが通常化して見える。
「これで、宝田十三雄の居場所が追跡できる。・・・・・・・ところで説明は必要ですか?」
天堂任と長谷川さんは、当たり前だと言わん勢いで頷く。
僕は仕方なく、自分の推理を披露する事にした。
まぁ、宝田十三雄の居場所は完璧に捕えている。
これから、いくら時間を浪費させても、もう彼は逃げる事はできない。
ゆっくり説明しよう。
「まず、天堂任。貴方は勘違いしていた事があります」
「ほう。言ってみろ」
どこまでも偉そうだな。この人。謝らないし・・・・・・。
まぁ、いいや。
「貴方が勘違いしていたのは、僕の魔法。その効果です」
「効果も何も、お前の魔法は『魔法を感知する』魔法。そうではないのか?」
「ええ。その通りですよ。でも、勘違いしているのは効果・・・・・・というか何というか・・・・・・」
「? どうかしましたか?」と長谷川さんが言いよどむ僕へ声をかけてくれる。
「いえ、説明が難しいだけです。効果というか、使い方というか・・・・・・」
うまく説明ができない。あーでもない。こーでもない。
なんだか待っている2人のボルテージがイライラと上昇している気がする。
「ん~ 言ってしまえば基本仕様が違うんですよ。
例えば、天堂任。貴方や真理の光人形は、その場で出現させてますよね?」
天堂任は「当たり前の事ではないか」と言葉を返してくれた。
確かに当たり前であり、今更ながらの質問ではあるが、それを律儀に天堂任が返答してくれた事は意外だった。
「それは貴方たち、魔法が使える者達にとっての当たり前のことなのでしょう。
ですが、僕にとってはどうだと思いますか?僕が、僕自身が魔法を使用していると気がついたのは、つい先日なのです。だから、意思の疎通が滞っていた。そういう事なのですよ」
「意思の疎通?それがお前の言う所の『勘違い』というわけか?
で、それはどういう事なのだ?話が全く見えてこないぞ」
「落ち着いてください。そんなにイラつかなくても、きっちりと説明しますよ。
僕がこれまで出会ってきた魔法使い達。その全ての人達は、魔法を自由に使用できた。
つまり、魔法のON&OFFが可能だったわけですよ」
両人の冷たい視線が突き刺さってくる。
彼らの心情は、おそらく
(何言ってるんだ?コイツ?)
そんな感じだろう。だが、構わない。続けてしまえ。
「そう、魔法に関わっている者なら常識なのでしょう。魔法のON&OFF。使用と停止。
けれども例外があります。そう、それが僕だったのです。
つまり、僕の魔法は常時発動型。そして、感覚的で、感触を頼りに、なんとなくで魔法の流れがわかる。そういう魔法という事なのです」
「つまり、お前は我々が病室を訪れる以前から、魔法を使用してたと? 魔法の流れを感知していたというのか?」
「そういう事だ・・・・・・と言いたいところだが、違う」
「む?何がだ?何が間違っている?」
「僕は、魔法が感知できなかったんだ。
僕が貴方や長谷川さんに魔力の流れを、それを言わなかったがために疑われたわけだが
言わなかったのではない。単純にわからなかったから言えなかったんだよ」
「ほう、魔法が感知できなかった。その理由としては、どう考えられる?」
「おそらく、ソイツが2人に急接近して状態で、僕の病室に入り込んできたからだと思う」
つまりは魔法の混線。魔法の重複。
魔法使いではない長谷川さんはともかく、天堂任は魔法使いとして最高位のレベルなわけだ。
そんな人物の近くに、別の魔法使いが隠れて魔法を使用していた。
だから、わからなかった。まだ、自身の魔法がコントロールできていない僕には、魔法の機微の違いまでわからなかった。
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