魔法少女はロジカルでマジカルに
真相? その③
「長谷川氏は『黒服』の代表であるが、表向きの立場は《日本》と《二ホン》の橋渡しを行う機関の代表である」
無論、オフレコだがと天堂任は付け加える。
「長谷川氏を私が一緒に行動している理由が、彼の立場によるものだとは理解できるかね?」
なるほど、と僕は呟く。
長谷川さんの立ち位置は、亡命者である天堂任を保護、監視、護衛する者。
天堂任がいつ、《日本》へ亡命してきたのかは、知らないが、その時から行動を常としているのだろう。つまり、長谷川さんが宝田十三雄に操られているならば、このタイミングで攻撃を開始したのは不可解。
僕、長谷川さん、天堂任。この3人が揃ったタイミングを狙って、宝田十三雄が攻撃を開始してきた。
いつでも仕掛けられるはずの人間が、わざわざ、この場所でこの時間を狙う必要があったのか?
そう問うてきているのだ。
そして、宝田十三雄の目的、つまりは天堂任の暗殺を目的にしている事から推測するならば―――
それは、僕が彼に操られているからだと・・・・・・。
そう天堂任は言っているのだ。
しかし―――
「でも、貴方の言い分は憶測にすぎない。証拠は何もないでしょ?」
「証拠なんて必要かね?我々が有利な点がある。それは、一番疑わしきお前を、この場で簀巻きにして放置したとして、仮にお前が操り人形でもなく免罪で殺されたとしても、たった一言『間違えた』で済む話じゃないかね?」
「―――ッッッ!?」
「正直に言ってしまうと、この場に残ったお前が殺されても、我々には、何のデメリットもないのよね。これが。」
「やっぱり、僕は貴方が嫌いです」
ギリッと歯から音が漏れる。怒りからくる力みによって歯が軋んでいた。
「そうであろう。ちなみにお前が操り人形である証拠は―――
魔力の中継基地となる人間は魔法を使える者が好ましい。
わざわざ、説明する必要もあるまいが、長谷川氏は《日本》側の人間で魔法の才能は確認されていない。
さて、この場にいる人間ならば―――
容疑者は私とお前だけだな。さて、どちらであろう?」
突如として、殺気が渦巻いた。その殺気の持ち主は天堂任ではない。
長谷川さんだ。
おそらく、殺すつもりで攻撃を仕掛けてくるつもりなのだろう。
初対面とは言え、部下である僕を、上司である長谷川さんは・・・・・・。
殺すつもりなのだ。
「現在の私の使命は、天堂任氏の保護が最優先だ。許せよ」
長谷川さんの口調は、立ち振る舞いと同じで静けさを身に纏っている。
少し前、僕の病室で長谷川さんの強さを見たばかりではあるが、それでも底が伺え知れない恐怖を感じす。
だが、圧し負けるわけにはいかない。
一点集中。既に距離は拳の間合いに入っている。
この一撃に全てを賭ける。外せば―――否。負ければ死が待ち受けている。
意を硬め、前と踏み込み、拳を振るう。
速い。
瞬間移動。あるいは視覚を狂わせる魔法を使ったのではないか?
長谷川さんが魔法が使えないと言われた直後でありながらも、僕の感覚では、人間の物理的な動きという事実を拒否したのだった。それほど納得できないほど理不尽なスピード。
人間、武を極めると、ここまで動けるものなのかと。
僕のストレートを交わすと同時に前へと向かってくる長谷川さん。
一瞬、刹那の時間で間合いは0になる。
直後―――
腹部に衝撃。まるで腹の中で爆発が起こったかのように内臓が暴れ狂う。
長谷川さんの膝、テンカオが僕の腹筋に突き刺さっている。
口が開き、体内の空気が外へ出ていくのを拒否する感覚。
呼吸ができない。空気が吸えない。
両足が体重を支える事を拒否し、自分の意思を無視して、膝から崩れ落ちていく。
だが―――
直後、長谷川さんの背後からけたたましい音が鳴り響く。
虚空の空間から、突如として人間が現れたのだ。
長谷川さんへ放った一撃。長谷川さんは、僕の予想よりも安易に回避したわけだが―――
僕の狙い通り、拳の軌道上にいたソイツ
長谷川さんの背後に、隠れていたソイツを打ち抜く事には成功したみたいだ。
けれども、これで終わったわけではない。
回答編を始めないと終わりは迎えられないものだからな。
僕は動きが鈍った四肢を無理やり働かせ、立ち上がる。
長谷川さんと天堂任は事態が把握できないのだろう。
呆けた顔を浮かべている。まるで理解できない現象を体験している最中のようだ。
いや、例えではなく、実際に理解できない現象なのかもしれない。
僕は2人、特に天堂任に向けて宣言する。
「さて、天堂任。あなたには他者を納得させるだけのカリスマ性があるのだろうけど、
説得力というものを持っているのだろうけど
それじゃ真相にはたどり着けない。探偵役にはなれないのなのさ」
無論、オフレコだがと天堂任は付け加える。
「長谷川氏を私が一緒に行動している理由が、彼の立場によるものだとは理解できるかね?」
なるほど、と僕は呟く。
長谷川さんの立ち位置は、亡命者である天堂任を保護、監視、護衛する者。
天堂任がいつ、《日本》へ亡命してきたのかは、知らないが、その時から行動を常としているのだろう。つまり、長谷川さんが宝田十三雄に操られているならば、このタイミングで攻撃を開始したのは不可解。
僕、長谷川さん、天堂任。この3人が揃ったタイミングを狙って、宝田十三雄が攻撃を開始してきた。
いつでも仕掛けられるはずの人間が、わざわざ、この場所でこの時間を狙う必要があったのか?
そう問うてきているのだ。
そして、宝田十三雄の目的、つまりは天堂任の暗殺を目的にしている事から推測するならば―――
それは、僕が彼に操られているからだと・・・・・・。
そう天堂任は言っているのだ。
しかし―――
「でも、貴方の言い分は憶測にすぎない。証拠は何もないでしょ?」
「証拠なんて必要かね?我々が有利な点がある。それは、一番疑わしきお前を、この場で簀巻きにして放置したとして、仮にお前が操り人形でもなく免罪で殺されたとしても、たった一言『間違えた』で済む話じゃないかね?」
「―――ッッッ!?」
「正直に言ってしまうと、この場に残ったお前が殺されても、我々には、何のデメリットもないのよね。これが。」
「やっぱり、僕は貴方が嫌いです」
ギリッと歯から音が漏れる。怒りからくる力みによって歯が軋んでいた。
「そうであろう。ちなみにお前が操り人形である証拠は―――
魔力の中継基地となる人間は魔法を使える者が好ましい。
わざわざ、説明する必要もあるまいが、長谷川氏は《日本》側の人間で魔法の才能は確認されていない。
さて、この場にいる人間ならば―――
容疑者は私とお前だけだな。さて、どちらであろう?」
突如として、殺気が渦巻いた。その殺気の持ち主は天堂任ではない。
長谷川さんだ。
おそらく、殺すつもりで攻撃を仕掛けてくるつもりなのだろう。
初対面とは言え、部下である僕を、上司である長谷川さんは・・・・・・。
殺すつもりなのだ。
「現在の私の使命は、天堂任氏の保護が最優先だ。許せよ」
長谷川さんの口調は、立ち振る舞いと同じで静けさを身に纏っている。
少し前、僕の病室で長谷川さんの強さを見たばかりではあるが、それでも底が伺え知れない恐怖を感じす。
だが、圧し負けるわけにはいかない。
一点集中。既に距離は拳の間合いに入っている。
この一撃に全てを賭ける。外せば―――否。負ければ死が待ち受けている。
意を硬め、前と踏み込み、拳を振るう。
速い。
瞬間移動。あるいは視覚を狂わせる魔法を使ったのではないか?
長谷川さんが魔法が使えないと言われた直後でありながらも、僕の感覚では、人間の物理的な動きという事実を拒否したのだった。それほど納得できないほど理不尽なスピード。
人間、武を極めると、ここまで動けるものなのかと。
僕のストレートを交わすと同時に前へと向かってくる長谷川さん。
一瞬、刹那の時間で間合いは0になる。
直後―――
腹部に衝撃。まるで腹の中で爆発が起こったかのように内臓が暴れ狂う。
長谷川さんの膝、テンカオが僕の腹筋に突き刺さっている。
口が開き、体内の空気が外へ出ていくのを拒否する感覚。
呼吸ができない。空気が吸えない。
両足が体重を支える事を拒否し、自分の意思を無視して、膝から崩れ落ちていく。
だが―――
直後、長谷川さんの背後からけたたましい音が鳴り響く。
虚空の空間から、突如として人間が現れたのだ。
長谷川さんへ放った一撃。長谷川さんは、僕の予想よりも安易に回避したわけだが―――
僕の狙い通り、拳の軌道上にいたソイツ
長谷川さんの背後に、隠れていたソイツを打ち抜く事には成功したみたいだ。
けれども、これで終わったわけではない。
回答編を始めないと終わりは迎えられないものだからな。
僕は動きが鈍った四肢を無理やり働かせ、立ち上がる。
長谷川さんと天堂任は事態が把握できないのだろう。
呆けた顔を浮かべている。まるで理解できない現象を体験している最中のようだ。
いや、例えではなく、実際に理解できない現象なのかもしれない。
僕は2人、特に天堂任に向けて宣言する。
「さて、天堂任。あなたには他者を納得させるだけのカリスマ性があるのだろうけど、
説得力というものを持っているのだろうけど
それじゃ真相にはたどり着けない。探偵役にはなれないのなのさ」
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