魔法少女はロジカルでマジカルに
Mr.プレジデント
目を覚ますと、黒服達による撤収作業が始まっていた。
そして、尾形真理がそこにいた。
「よく、生きてるわね、貴方」
「なんだ。いるなら手伝ってくれれば良かったのに」
「あんなに楽しそうに戦っていて、よくそんなセリフが言えるわね」
「なんだ見とれてたなら、そう言えば・・・・・・」
殴られた。ゲンコツでガツンと。
「大人しくしときなさい。全く、ダメージだけなら相手のコンカより、貴方の方が問題なのに自覚がないのかしら?」
説教されながら、また殴られた。 いや、けが人なんだが・・・・・・。
「しかし、滅茶苦茶になってしまったなぁ」
周囲は、まるで竜巻が通った後のようだった。
コンカの最後の一撃。
ただでさえ、周辺住宅は損害を被っていたが、人間を吸い込むような吸引力よって強化された打撃。
あの一撃によって、見るも無残な光景になっていた。
海は枯れ、地は裂けってやつだ。
結界がなければ、パニックが起こっていただろう。
しかし、これ、元通りに戻せるものなのか?
「そう言えば、肝心のコンカはどうなってる?」
「ここまで戦った相手を、今まで忘失するとは、流石ね。安心しなさい。まだ気を失ってるみたいよ」
安心なのか?と心の中でツッコミながら、自分の体を確認する。
本当に無茶苦茶になってしまったなぁ。
不思議と清々しい。憑き物が落ちたと言えばいいのだろうか?
意外と体を酷使することに重圧感があったのだろう。使えなくなって初めて気がつくものなんだな。
ネガティブなのかポジティブなんだかよくわからない。
そんな引退試合直後のアスリートみたいな事を考えていた。
そんな、柄にでもないことを考えていたために気がつくの遅れたのだ。
こちらへと向かって来る存在感に。
空気が変わる。
何か得体の知れない存在が近づいてきている。
そのプレッシャーは周囲に感染し、その場にいる全員が一箇所を眺めている。
そして、その男が目視で確認できる距離まで現れた。
ざわめきに動揺の色が激しく反映される。
現れた男は、僕も幾度かテレビで見たことがある男。
〈ニホン〉内閣総理大臣 天堂任
その人だった。
その活力と野心に満ちた顔は若々しい。確か実年齢は50才を越えているはずだが、誰も信じないだろう。
ビシッとスーツを着こなし、立ち振る舞いも洗練されている。
「極秘来日で視察に出かけてみれば、酷い有様ですね。こちら側に迷惑をかけるのは国の代表として、見逃せませんよ」
彼はただ歩いていた。歩いて向かって来てるだけで、何かしたように見えなかった。
しかし、彼が近寄っただけで、折れた電信柱が、大穴の空いた壁が、横転した車が、修復されていく。
「タイトだけならともかく、流石にコンカをそちら側に委ねるわけには行きません。返還を所望させていただきますよ」
そう言う彼を前に、誰も動くことすらできなかった。
ただ、1人を覗いて・・・・・・。
天堂任を前に、ただ1人だけ、彼女は立ちふさがっていた。
彼女、尾形真理はだけは・・・・・・
そして、尾形真理がそこにいた。
「よく、生きてるわね、貴方」
「なんだ。いるなら手伝ってくれれば良かったのに」
「あんなに楽しそうに戦っていて、よくそんなセリフが言えるわね」
「なんだ見とれてたなら、そう言えば・・・・・・」
殴られた。ゲンコツでガツンと。
「大人しくしときなさい。全く、ダメージだけなら相手のコンカより、貴方の方が問題なのに自覚がないのかしら?」
説教されながら、また殴られた。 いや、けが人なんだが・・・・・・。
「しかし、滅茶苦茶になってしまったなぁ」
周囲は、まるで竜巻が通った後のようだった。
コンカの最後の一撃。
ただでさえ、周辺住宅は損害を被っていたが、人間を吸い込むような吸引力よって強化された打撃。
あの一撃によって、見るも無残な光景になっていた。
海は枯れ、地は裂けってやつだ。
結界がなければ、パニックが起こっていただろう。
しかし、これ、元通りに戻せるものなのか?
「そう言えば、肝心のコンカはどうなってる?」
「ここまで戦った相手を、今まで忘失するとは、流石ね。安心しなさい。まだ気を失ってるみたいよ」
安心なのか?と心の中でツッコミながら、自分の体を確認する。
本当に無茶苦茶になってしまったなぁ。
不思議と清々しい。憑き物が落ちたと言えばいいのだろうか?
意外と体を酷使することに重圧感があったのだろう。使えなくなって初めて気がつくものなんだな。
ネガティブなのかポジティブなんだかよくわからない。
そんな引退試合直後のアスリートみたいな事を考えていた。
そんな、柄にでもないことを考えていたために気がつくの遅れたのだ。
こちらへと向かって来る存在感に。
空気が変わる。
何か得体の知れない存在が近づいてきている。
そのプレッシャーは周囲に感染し、その場にいる全員が一箇所を眺めている。
そして、その男が目視で確認できる距離まで現れた。
ざわめきに動揺の色が激しく反映される。
現れた男は、僕も幾度かテレビで見たことがある男。
〈ニホン〉内閣総理大臣 天堂任
その人だった。
その活力と野心に満ちた顔は若々しい。確か実年齢は50才を越えているはずだが、誰も信じないだろう。
ビシッとスーツを着こなし、立ち振る舞いも洗練されている。
「極秘来日で視察に出かけてみれば、酷い有様ですね。こちら側に迷惑をかけるのは国の代表として、見逃せませんよ」
彼はただ歩いていた。歩いて向かって来てるだけで、何かしたように見えなかった。
しかし、彼が近寄っただけで、折れた電信柱が、大穴の空いた壁が、横転した車が、修復されていく。
「タイトだけならともかく、流石にコンカをそちら側に委ねるわけには行きません。返還を所望させていただきますよ」
そう言う彼を前に、誰も動くことすらできなかった。
ただ、1人を覗いて・・・・・・。
天堂任を前に、ただ1人だけ、彼女は立ちふさがっていた。
彼女、尾形真理はだけは・・・・・・
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