魔法少女はロジカルでマジカルに
魔法少女は全力に
昨夜は一睡も眠れなかった。
食欲もなく、朝ごはんは無論。晩から何も食べていない。
しかし、不思議とコンディションは良い。徐々に神経が研ぎ澄まされていく感覚がある。
丁度いい。コンカとの立会いは、時間を決めていない。
いつ来るのかわからない状態での戦いだ。
だが、今の僕だったら、背後から襲われても対処できる自信がある。
その一方で日常が進んでいく。
昨日のように朝の登校日に立会いを挑んで来るかとも思ったが、何事もなく。
学校の授業中にでも襲ってくるのかと思ったが、何事もなく。
そして、学校の下校時間。帰路ですら少女は現れず、僕は自宅の前にたどり着いていた。
何事もなく。
「妙だな」
誰に聞かすわけでもなく、僕は呟いた。
なぜ、来ないんだ?
彼女から発せられるプレッシャーは消せるはずもなく、朝から近くに潜んでいるとわかっている。
近くにいるのはわかっているのに、一向に襲ってくる様子もない。
とりあえず・・・・・・
「なぁ、出てこいよ」
僕は、あらん限りに声を張り上げた。
普段なら近所迷惑もはだはだ承知の内だが、結界を張られている状況なら心配ないだろう。
今の僕なら結界の有無すらなんとなく判断できる。
僕の呼びかけに答えて少女は現れた。 その表情は、まるでイタズラのみつかった子供のような感じだった。
「ずっと考えてたの」
少女は、どう説明してたらいいのかわからないようで、迷いながらも言葉を続けていく。
「私、お兄ちゃんと本気で戦いたいの。でも、本気とか全力とかどこまでが許されるのかなぁってわからなくて・・・・・・」
「構わないさ。持ってるものを全部ぶつけて、それで僕が負けたなら、単純に僕が弱かったって事さ」
「でも、でも・・・・・・ それが人の命を奪うような技でも?例えば、イキナリ鉄砲で撃たれるような酷い技でも?」
「僕は構わないよ。それが鍛錬で得た血肉となった技なら」
僕の言葉に少女は驚きの表情を浮かべると共に、目に強い意思が宿っていた。
少女は覚悟を決めたのだろう。僕の命を奪いかねない技を使用すると。
僕を殺しかねないという技を前に歓喜に震えてる自分に気がつく。
嗚呼、僕もまた、頭のネジがぶっ飛んでる人間なのだと再認識する。
「お兄ちゃん、今まで隠してたけど、実は私は魔法少女なの」
「ごめん、今まで隠してたけど、実は知ってた」
僕の返答に唖然とした顔の少女。少し可愛らしいと思った。
そんな邪な考えも、次の彼女の行動を見て吹き飛んだ。
「それじゃ、これが私の全力だよ」
風が強くなっていく。いや、周囲の風が彼女に吸い寄せられているのだ。
なるほど。昨日の尾形真理の話の通り、風を吸収して魔力を作ってるのか。
なんだか、風力発電みたいだ。
強すぎる風は、砂を巻き上げ彼女の姿を隠している。
やがて風が止み、再び姿を現した彼女は全身から眩い光を発していた。
あの光は、強力すぎるがために肉眼でも魔力が見えるようになったのだと瞬時に理解できた。
なぜなら似てるのだ。あの光は尾形真理の光人形とそっくりなのだ。
「それじゃ、おにいちゃん。本気で行くよ!」
少女の声は、本当に楽しそうだった。
食欲もなく、朝ごはんは無論。晩から何も食べていない。
しかし、不思議とコンディションは良い。徐々に神経が研ぎ澄まされていく感覚がある。
丁度いい。コンカとの立会いは、時間を決めていない。
いつ来るのかわからない状態での戦いだ。
だが、今の僕だったら、背後から襲われても対処できる自信がある。
その一方で日常が進んでいく。
昨日のように朝の登校日に立会いを挑んで来るかとも思ったが、何事もなく。
学校の授業中にでも襲ってくるのかと思ったが、何事もなく。
そして、学校の下校時間。帰路ですら少女は現れず、僕は自宅の前にたどり着いていた。
何事もなく。
「妙だな」
誰に聞かすわけでもなく、僕は呟いた。
なぜ、来ないんだ?
彼女から発せられるプレッシャーは消せるはずもなく、朝から近くに潜んでいるとわかっている。
近くにいるのはわかっているのに、一向に襲ってくる様子もない。
とりあえず・・・・・・
「なぁ、出てこいよ」
僕は、あらん限りに声を張り上げた。
普段なら近所迷惑もはだはだ承知の内だが、結界を張られている状況なら心配ないだろう。
今の僕なら結界の有無すらなんとなく判断できる。
僕の呼びかけに答えて少女は現れた。 その表情は、まるでイタズラのみつかった子供のような感じだった。
「ずっと考えてたの」
少女は、どう説明してたらいいのかわからないようで、迷いながらも言葉を続けていく。
「私、お兄ちゃんと本気で戦いたいの。でも、本気とか全力とかどこまでが許されるのかなぁってわからなくて・・・・・・」
「構わないさ。持ってるものを全部ぶつけて、それで僕が負けたなら、単純に僕が弱かったって事さ」
「でも、でも・・・・・・ それが人の命を奪うような技でも?例えば、イキナリ鉄砲で撃たれるような酷い技でも?」
「僕は構わないよ。それが鍛錬で得た血肉となった技なら」
僕の言葉に少女は驚きの表情を浮かべると共に、目に強い意思が宿っていた。
少女は覚悟を決めたのだろう。僕の命を奪いかねない技を使用すると。
僕を殺しかねないという技を前に歓喜に震えてる自分に気がつく。
嗚呼、僕もまた、頭のネジがぶっ飛んでる人間なのだと再認識する。
「お兄ちゃん、今まで隠してたけど、実は私は魔法少女なの」
「ごめん、今まで隠してたけど、実は知ってた」
僕の返答に唖然とした顔の少女。少し可愛らしいと思った。
そんな邪な考えも、次の彼女の行動を見て吹き飛んだ。
「それじゃ、これが私の全力だよ」
風が強くなっていく。いや、周囲の風が彼女に吸い寄せられているのだ。
なるほど。昨日の尾形真理の話の通り、風を吸収して魔力を作ってるのか。
なんだか、風力発電みたいだ。
強すぎる風は、砂を巻き上げ彼女の姿を隠している。
やがて風が止み、再び姿を現した彼女は全身から眩い光を発していた。
あの光は、強力すぎるがために肉眼でも魔力が見えるようになったのだと瞬時に理解できた。
なぜなら似てるのだ。あの光は尾形真理の光人形とそっくりなのだ。
「それじゃ、おにいちゃん。本気で行くよ!」
少女の声は、本当に楽しそうだった。
コメント