魔法少女はロジカルでマジカルに
風のコンカ
「さて、それでは今後の方針について考えましょう」
さっきの騒動はまるで夢だったかのように、尾形真理は身を整え直して話し始めた。
「風のコンカ。彼女は、その二つ名通りに風を操る魔法使い。いわるゆる風使いよ」
「風使いってイメージだと、遠距離から風を操った攻撃がメインだと考えればいいのか?かまいたちみたいに」
「そう思ってくれても構わないわ。ただ、その攻撃はかまいたちのように切り裂くより、空気の固まりをぶつけると言ったほうが正しいのよ」
それにかまいたちの登場はまだ先よ。小さな声だったので聞き間違いかもしれないが、彼女はよくわからない事を付け足した。
「遠距離から空気の固まりをぶつけるか。なんだか、格ゲーの登場人物みたいな奴だな」
「その認識は、少し甘いと言わざるを得ないわ。彼女の脅威は、前回のタイトとは別次元のものだと考えておいたほうがいいわ」
「それはどういうことだい?」
「タイトが魔力濃度と言葉を使ったのを覚えているかしら?」
言われてみると、確かにそんな言葉を使っていたような記憶がある。
「私たちが魔法を使うとき、魔力を体の内側から外に放出しているわけなのよ。でも魔力を100%魔法に転換できるというわけないの」
「あぁ、機械で言うメカニカルロスみたいなものか」
「私に機械の話を振って、話の腰を折らないでほしいわ。それとも自分の腰を折られたいと言う意思表示かしら?」
「すいません。僕の腰を折らないでください」
「フン」と鼻を鳴らし、ご満悦な表情を浮かべる。
いつの間に、僕と彼女の間に主従関係が生まれてしまったのだろうか?
原因を突き止めて、なんとか改善せねばならないだろう。僕は、固く誓うのであった。
「話を続けるわ。魔法に転換できなかった魔力は、そのまま空気中に漂う事になるのよ。奇しくも、貴方がタイトとの戦いに持ちいたガソリンという武器と同じようにね」
いや、ガソリンは武器じゃない。そうツッコミを入れたかったが、腰を折られる可能性を危惧して辞退させてもらった。
「要するに、君たちの世界では、魔法のエネルギーみたいなものが空気中に含まれてる。そういうことか?」
「そうね、大体はあってるわ。そして、空気中に含まれてる魔力の強弱を魔力濃度という言葉で表すの」
「なるほど、なるほど。当然、この世界には空気に魔力が含まれていないわけだ。つまり、この世界は魔法使いにとって、最悪のコンデションということになるのだな」
彼女は深刻な顔で頷く。
「ちなみにだけど、私があちら側にいた時なら、光人形を10体同時に操れてたわ。それぞろ、異なる魔法攻撃を付属させた上にね」
「そいつは、想像できないほど凄いなぁ」
なんだろう?言葉とは逆に10体の光人形に襲われる図が安易に想像できてしまう自分がいる。
「でも、風のコンカ、彼女が違うの。周囲の風を体内に取り込んで、魔力の製造を推進させるスタイルだったのよ」
「えっと?それは具体的にどういう事なのかな?」
「つまり・・・・・・」
彼女は一度、間を置いて答えた。
「つまり、彼女の魔法は魔力濃度に左右されず、安定した魔法の使用が可能な魔法使いなのよ」
あの少女は、そんなに剣呑な存在だったのか。
もしも、彼女が悪意を持って僕に近づいていたら、どうなっていたのだろうか?
単純に考えても、尾形真理の光人形やタイトの業火、あれよりも何倍もの魔法が使用できるわけだ。
僕は、想像して身を震わせた。
だから、尾形真理は急いで駆けつけてくれたのか。そう考えれると、恐怖と共に嬉しさも、こみ上げてきた。
そういえば・・・・・・
「そう言えば、なんで君は僕の家を知ってたの?そして、どうやって部屋に入ってきたの?」
「それは、深く考えない方が身のためよ」
彼女は笑顔を向けていた。ただただ、笑顔を向けていた。
それが何よりも怖かったんだ。
さっきの騒動はまるで夢だったかのように、尾形真理は身を整え直して話し始めた。
「風のコンカ。彼女は、その二つ名通りに風を操る魔法使い。いわるゆる風使いよ」
「風使いってイメージだと、遠距離から風を操った攻撃がメインだと考えればいいのか?かまいたちみたいに」
「そう思ってくれても構わないわ。ただ、その攻撃はかまいたちのように切り裂くより、空気の固まりをぶつけると言ったほうが正しいのよ」
それにかまいたちの登場はまだ先よ。小さな声だったので聞き間違いかもしれないが、彼女はよくわからない事を付け足した。
「遠距離から空気の固まりをぶつけるか。なんだか、格ゲーの登場人物みたいな奴だな」
「その認識は、少し甘いと言わざるを得ないわ。彼女の脅威は、前回のタイトとは別次元のものだと考えておいたほうがいいわ」
「それはどういうことだい?」
「タイトが魔力濃度と言葉を使ったのを覚えているかしら?」
言われてみると、確かにそんな言葉を使っていたような記憶がある。
「私たちが魔法を使うとき、魔力を体の内側から外に放出しているわけなのよ。でも魔力を100%魔法に転換できるというわけないの」
「あぁ、機械で言うメカニカルロスみたいなものか」
「私に機械の話を振って、話の腰を折らないでほしいわ。それとも自分の腰を折られたいと言う意思表示かしら?」
「すいません。僕の腰を折らないでください」
「フン」と鼻を鳴らし、ご満悦な表情を浮かべる。
いつの間に、僕と彼女の間に主従関係が生まれてしまったのだろうか?
原因を突き止めて、なんとか改善せねばならないだろう。僕は、固く誓うのであった。
「話を続けるわ。魔法に転換できなかった魔力は、そのまま空気中に漂う事になるのよ。奇しくも、貴方がタイトとの戦いに持ちいたガソリンという武器と同じようにね」
いや、ガソリンは武器じゃない。そうツッコミを入れたかったが、腰を折られる可能性を危惧して辞退させてもらった。
「要するに、君たちの世界では、魔法のエネルギーみたいなものが空気中に含まれてる。そういうことか?」
「そうね、大体はあってるわ。そして、空気中に含まれてる魔力の強弱を魔力濃度という言葉で表すの」
「なるほど、なるほど。当然、この世界には空気に魔力が含まれていないわけだ。つまり、この世界は魔法使いにとって、最悪のコンデションということになるのだな」
彼女は深刻な顔で頷く。
「ちなみにだけど、私があちら側にいた時なら、光人形を10体同時に操れてたわ。それぞろ、異なる魔法攻撃を付属させた上にね」
「そいつは、想像できないほど凄いなぁ」
なんだろう?言葉とは逆に10体の光人形に襲われる図が安易に想像できてしまう自分がいる。
「でも、風のコンカ、彼女が違うの。周囲の風を体内に取り込んで、魔力の製造を推進させるスタイルだったのよ」
「えっと?それは具体的にどういう事なのかな?」
「つまり・・・・・・」
彼女は一度、間を置いて答えた。
「つまり、彼女の魔法は魔力濃度に左右されず、安定した魔法の使用が可能な魔法使いなのよ」
あの少女は、そんなに剣呑な存在だったのか。
もしも、彼女が悪意を持って僕に近づいていたら、どうなっていたのだろうか?
単純に考えても、尾形真理の光人形やタイトの業火、あれよりも何倍もの魔法が使用できるわけだ。
僕は、想像して身を震わせた。
だから、尾形真理は急いで駆けつけてくれたのか。そう考えれると、恐怖と共に嬉しさも、こみ上げてきた。
そういえば・・・・・・
「そう言えば、なんで君は僕の家を知ってたの?そして、どうやって部屋に入ってきたの?」
「それは、深く考えない方が身のためよ」
彼女は笑顔を向けていた。ただただ、笑顔を向けていた。
それが何よりも怖かったんだ。
コメント