魔法少女はロジカルでマジカルに
ストリートファイター
タイトとの戦いから10日。
僕は、何事もなく日常生活を送っていた。
尾形真理との会話は、事後報告の事務的な会話がほとんど。
その他の会話は2言、3言の言葉を交わしたくらいだ。
僕と彼女の関係性は、協力者の枠を出ていないものだと実感させられて、少し凹んでいる。
しかし、まぁ・・・・・・。この感情は何なんだろうか?恋とか愛といった部類のものなのか?
正直に言ってしまうとよくわからない。
それが、僕の心にモヤモヤとした物を生み出している。
逆に考えると、彼女と会話できない事が僕のストレスになっているという事だ。
う~ん、それって依存症になりかけてるんじゃねぇか?
そんな事を考えながらの学校の帰り道。
どうやら、考えごとに没頭していたためか、ずっと呼びかけられていたの気がつかなった。
ワーワーと騒がしく、追いかけてくる少年が1人。
小柄な体型。たぶん、中学生くらいか?
野球帽を後ろ向きに被り、半袖に短パンという服装。
顔は子供ぽく、成長したら爽やかでモテる顔つきになるだろう。
少し、羨ましい。
しかし、僕の記憶に見覚えはない。一度、見たら忘れなさそうな少年だが。
「えっと、どなたさまで?」
「いや、初対面だけど?」
「・・・・・・」 「・・・・・・」
しばらく、互いに沈黙が続いた。
「あの、その・・・・・・ なんの用かな?」
「うん。お前、強そうだな。ここで立ち会え」
「はぁ?」
意味を認識する前に少年の体が傾いていく。
僕から見て、左側へ体を傾ける。そして、少年の左腕が僕の頭部へ飛んでくる。
左腕を横なぎの軌道の一撃。さらに捻りを加え、手の甲、裏拳でのフック。
左のロシアンフックだ。
僕は上体を後方に反らすスウェーバックで避ける。
だが、少年を歩を進ませ、返しの右ロシアンフックで追撃を狙ってくる。
僕は体を反らしたまま、バック走で距離を取り、少年の左右から振り回してくる追撃を躱す。
僅かに距離が広がった。その瞬間を狙いバック走を止め、しゃがみこむ。
こうすると前進してくる少年の足が、僕の目の前にくる事になる。
つまりは、カウンタータックルだ。
僕は少年の足を抱きかかえ、持ち上げると同時に捻りを加え後方に倒し、テイクダウンを奪う。
少年の足をしっかりと捕まえたまま、寝技で動きやすいように下半身に力を入れ、腰を宙に浮かせる。
少年はグランドの攻防は苦手なのか、僕の頭部を両手で押し、抑えようとしてくる。
「ならば、こうだ」
僕は、押されるまま後ろに下がり、立ち上がる。
少年は寝たまま、僕は立った状態。いわゆる、猪木アリ状態ってやつだ。
上から有利なポジションを奪うパスガードを狙おうと、僕は少年の足首を掴んだ。
しばらくの膠着時間。どう攻めるかプランは固まりつつある。
少年の足首を1回、2回とフリをつけて・・・・・・
コマを回すかのように勢いよく、足を振って少年を半回転させる。
強引にスライドさせられた少年は、僕に対して真横の状態。
そのまま、上から覆いかぶさりサイドポジション。柔道で言う横四方固めだ。
普段の僕だったら、このまま頭に乗り被さってから連続膝地獄を味あわせている所だが、それは流石に中学生くらいの子供に大人気ない。このまま、馬乗りのマウントポジションを取って、前腕を喉に押し込むギロチンチョークで痛めつけよう。
そんな戦術的プランを実行に移行させようとしていたが、何かがおかしい。
あれ、何か少年の胸に違和感が・・・・・・。
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
飛び上がった。僕は、寝技の状態から飛び上がった。
そのまま、後方に全力バック走。
障害物にぶつかり、そのまま座り込んだ。
混乱した思考を落ち着かせようと、深呼吸を1回、2回・・・・・・
「おまま、お前、女だったのか?」
「いや、そんな漫画のテンプレみたいな動揺しなくても格闘技やってるなら女とスパーリングなんて当たり前だろ?」
「それは、そうだけど・・・・・・」
「何か、興ざめだわ。もう帰る」
少年、いや、少女は立ち上がる。そのまま、ため息をつきながら僕を一瞥することもなく帰っていく。
なんだったんだろう?本当に何だったんだ?彼女は?
まぁ、いい僕も帰ろう。
そう思っていると、さっきまで全くいなかった周囲に通行人が通っていく。
おかしい。下校時刻の通学路で喧嘩みたいな真似をして、同じ学校の生徒とすれ違わなかっただと!?
必死に走って追いかけようとしたが、もう彼女の姿はどこにも見当たらない。
息を切らした僕は誰にも聞こえないように呟いた。
「あの中学生、魔法使いか」
僕は、何事もなく日常生活を送っていた。
尾形真理との会話は、事後報告の事務的な会話がほとんど。
その他の会話は2言、3言の言葉を交わしたくらいだ。
僕と彼女の関係性は、協力者の枠を出ていないものだと実感させられて、少し凹んでいる。
しかし、まぁ・・・・・・。この感情は何なんだろうか?恋とか愛といった部類のものなのか?
正直に言ってしまうとよくわからない。
それが、僕の心にモヤモヤとした物を生み出している。
逆に考えると、彼女と会話できない事が僕のストレスになっているという事だ。
う~ん、それって依存症になりかけてるんじゃねぇか?
そんな事を考えながらの学校の帰り道。
どうやら、考えごとに没頭していたためか、ずっと呼びかけられていたの気がつかなった。
ワーワーと騒がしく、追いかけてくる少年が1人。
小柄な体型。たぶん、中学生くらいか?
野球帽を後ろ向きに被り、半袖に短パンという服装。
顔は子供ぽく、成長したら爽やかでモテる顔つきになるだろう。
少し、羨ましい。
しかし、僕の記憶に見覚えはない。一度、見たら忘れなさそうな少年だが。
「えっと、どなたさまで?」
「いや、初対面だけど?」
「・・・・・・」 「・・・・・・」
しばらく、互いに沈黙が続いた。
「あの、その・・・・・・ なんの用かな?」
「うん。お前、強そうだな。ここで立ち会え」
「はぁ?」
意味を認識する前に少年の体が傾いていく。
僕から見て、左側へ体を傾ける。そして、少年の左腕が僕の頭部へ飛んでくる。
左腕を横なぎの軌道の一撃。さらに捻りを加え、手の甲、裏拳でのフック。
左のロシアンフックだ。
僕は上体を後方に反らすスウェーバックで避ける。
だが、少年を歩を進ませ、返しの右ロシアンフックで追撃を狙ってくる。
僕は体を反らしたまま、バック走で距離を取り、少年の左右から振り回してくる追撃を躱す。
僅かに距離が広がった。その瞬間を狙いバック走を止め、しゃがみこむ。
こうすると前進してくる少年の足が、僕の目の前にくる事になる。
つまりは、カウンタータックルだ。
僕は少年の足を抱きかかえ、持ち上げると同時に捻りを加え後方に倒し、テイクダウンを奪う。
少年の足をしっかりと捕まえたまま、寝技で動きやすいように下半身に力を入れ、腰を宙に浮かせる。
少年はグランドの攻防は苦手なのか、僕の頭部を両手で押し、抑えようとしてくる。
「ならば、こうだ」
僕は、押されるまま後ろに下がり、立ち上がる。
少年は寝たまま、僕は立った状態。いわゆる、猪木アリ状態ってやつだ。
上から有利なポジションを奪うパスガードを狙おうと、僕は少年の足首を掴んだ。
しばらくの膠着時間。どう攻めるかプランは固まりつつある。
少年の足首を1回、2回とフリをつけて・・・・・・
コマを回すかのように勢いよく、足を振って少年を半回転させる。
強引にスライドさせられた少年は、僕に対して真横の状態。
そのまま、上から覆いかぶさりサイドポジション。柔道で言う横四方固めだ。
普段の僕だったら、このまま頭に乗り被さってから連続膝地獄を味あわせている所だが、それは流石に中学生くらいの子供に大人気ない。このまま、馬乗りのマウントポジションを取って、前腕を喉に押し込むギロチンチョークで痛めつけよう。
そんな戦術的プランを実行に移行させようとしていたが、何かがおかしい。
あれ、何か少年の胸に違和感が・・・・・・。
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
飛び上がった。僕は、寝技の状態から飛び上がった。
そのまま、後方に全力バック走。
障害物にぶつかり、そのまま座り込んだ。
混乱した思考を落ち着かせようと、深呼吸を1回、2回・・・・・・
「おまま、お前、女だったのか?」
「いや、そんな漫画のテンプレみたいな動揺しなくても格闘技やってるなら女とスパーリングなんて当たり前だろ?」
「それは、そうだけど・・・・・・」
「何か、興ざめだわ。もう帰る」
少年、いや、少女は立ち上がる。そのまま、ため息をつきながら僕を一瞥することもなく帰っていく。
なんだったんだろう?本当に何だったんだ?彼女は?
まぁ、いい僕も帰ろう。
そう思っていると、さっきまで全くいなかった周囲に通行人が通っていく。
おかしい。下校時刻の通学路で喧嘩みたいな真似をして、同じ学校の生徒とすれ違わなかっただと!?
必死に走って追いかけようとしたが、もう彼女の姿はどこにも見当たらない。
息を切らした僕は誰にも聞こえないように呟いた。
「あの中学生、魔法使いか」
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