魔法少女はロジカルでマジカルに
隙をつく再戦
「さて、それじゃ戦いの準備でもするか」
僕らはコンビニを後にして移動を開始する。
「あなたの考えた秘策ね。その道具ってこのコンビニとやらじゃ買えないものなのかしら?」
「そりゃ、ここじゃ売ってない物さ。そろそろ店員もいなくなって、僕らでも買いやすい時間だな」
「店員がいないの買いやすい物?まるでナゾナゾね」
「いや、そう言うわけでもないけど・・・・・・」
魔法と対極に位置する存在だからなぁ。その購入法なんてわからないんだろう。
「別の方法も考えついたんだが、聞いてくれるかい?」
「進言を許可するわ。今度は私でもわかるように説明しなさい」
喋り方がどんどん偉そうになってるのは気のせいか?
「奴は炎を纏って攻撃してくるわけだが、消火器。火を消すための薬品を噴射する道具があるんだけど、それで奴の攻撃って無効化できないのかな?」
「私は寡聞にして消火器なんで物体を知らないけど、たぶん無理よ」
「ほう、それはなぜ?」
「薬品を噴射するってことなら、量に限りがあるってことよね?戦闘中のタイトへ延々と吹きかけるつもり?」
「そりゃ、無理だろうけど、消火剤まみれになってた炎が出せないんじゃないか?」
「いいえ、違うわ。彼の体から炎が生まれているなら、その方法を有効でしょ。でも、彼の魔法を自身の周囲を炎で包むもの。消火剤とやらでも直接、火に触れてないなら効果はないものなんじゃない?
「なるほどね。つまり、あの炎を戦闘で無効化するなら海にでも落とすしかないか」
「その通りね」
こうして、最初の戦闘地点。タイトの木造アパート前に到着した。
「さて、どうする?」
そう言いながら尾形真理の方向を見ると、既にアパートの方向へ進んでいた。
事前に部屋まで把握していたのだろう。一室の前に立ち、チャイムを鳴らし始める。
『ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンピンピンピン・・・・・・』
連射し始めたぞコイツ。
しかし、部屋の中から反応はない。 でも、電気はつけっぱなしだ。灯りが漏れてる。
どうやら、ちょっと近所まで出かけてるって感じなのか?
「留守だね・・・・・・」
「留守だわね・・・・・・」
出直すか?そう言葉に出かけたが、誰かがやってくる感じがした。
タイトが帰ってきたようだ。
留守で緩んだ緊張感が、一瞬で張り詰める。
直ぐに戦いに持ち込めるように臨戦体勢だ。
そんな僕らに対してタイトは・・・・・・
パジャマにサンダルで現れた。
コンビニに行っていたらしく、袋からワンカップのお酒が覗いて見える。
まさか、僕らが帰ってくるとは思ってなかったのだろう。
完全に油断してたスタイルだ。一瞬、気まずい空気が流れる。
「ふっふっふっ 日に二度、戦いを挑まれるのは初めてですな。よろしい。その闘志を根元から真っ二つに叩き折ってさしあげましょう」
「いや、待ってるから着替えてこいよ」
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