今日お姫様始めました

りょう

最終話 君と歩む未来

    最終話 君と歩む未来
1
今日は快晴だった。
「これより、ウマンディア王国第16代姫の継承式を行う。 16代姫ミッシェル、前へ」
「はい!」
こんな日に俺にとって嬉しい事が二つも起きるなんて、とても嬉しい事だ。
「皆さん、お久しぶりというべきでしょうか。この度姫になりましたミッシェルです。二年前にもこの場所に立ち、再びこの場に戻ってこれたことを喜ばしく思えます。今回何故私がここに戻ってきたのかというと、私は隣にいるユウさんと共にこの国を明るい国に変えようと思ったからです。知っている方も居られると思いますが、私には鬼の血が流れています。でもそんなのは関係ありません。何の血が流れていようが、この国を変えようという意志は変わりません。隣にいる彼も同じです。彼は男でありながら、この国の姫として、国を変えようとしてくれました。このように、どんな立場の人間だろうと、変えたいという意志があれば、誰だって変えれるのです。だから皆さんも協力してください。皆でこの国の未来を、明るいものにしましょう!」
ミッシェルの挨拶と共に、拍手が大喝采する。
「流石は元一国の姫だな」
「現在の姫と言ってください」
「ははっ、そうだな」
「それより早く着替えましょうよ。これから結婚式ですよ」
「やっべ、忘れてた」
「大事なことなんだから、忘れないでください」
2
継承式を終え、俺とミッシェルはその流れで結婚式を執り行った。
「なあミッシェル、すごい暇なんだけど」
「皆が祝ってくれてるのに失礼ですよ、ユウさん」
皆がお祝いの言葉をくれるが、関わった覚えのない人もいるため、つい欠伸が出てしまう。新郎としての態度はどうだと思うが、許してほしい。
そして誓いのキスの時。
「これから先、どんな困難でも乗り越え、共に歩んで行くことを誓いますか?」
『誓います』
一年間俺とミッシェルは一緒に過ごした。その中で俺にとって彼女がどんだけ大切な存在か分かった。もう彼女は俺にとってかけがえのない存在である。
「では誓いのキスを」
神父に言われて、俺とミッシェルは向き合う。
うわ、すげえ可愛い。
「余計な事を考えないでくださいよユウさん」
「悪い悪い」
これから俺とミッシエルは夫婦になる。今までも沢山の困難を乗り越えてきたが、これからも数えきれない程の困難が立ちはばかるだろう。けれど、もう何も怖くない。俺にはミッシエルがいるのだから。


しばらくの沈黙の後、俺達はゆっくりと唇を重ねる。
これから描いてゆく未来に、想いを馳せて、俺とミッシエルは愛を誓いあった。
                                                                 完

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