二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第101話 気づいたらそこに居る

「セラフィさんこれなんですけど」

「これはですね桃さん」

「ねぇかっしー構ってー!」

「暑い。離れて」

「咲洲さん何やってるの?」

「む。薬さん見ないでください」

「なになにー?何やってるのー?咲洲さん!」

「むむ。お汁さん近いです」

「これは瀬尾くんの……」

……



こーして部室を見渡すと、部員増えたなぁと思う。

元々空き教室だったこの部屋を、ちょこっと改造して物を置いただけだったからまだ去年はスペースに余裕があったのだが、この春新入部員が入り、部員が増えた今になってはまだ少し余裕はあるものの、去年よりは狭く感じるな。

てかシルク俺の上着をずーっと見てるけどなにしてんの?
さっきから固まってるけどどうかしたか?
なんか怖いんですけど、智和に気をつけろと言われてるのが最近なんとなくわかった気がする。

こうして久しぶりというか初めて友人部の全メンバーが揃うと中々の大人数だな。
これならこの学校の天下も取れるかもしれんなんちゃって。

「これならこの学校の天下も取れそうだな」

「うおっ!居たんですか先生」

「なんだその驚きは。この部の顧問なのだからいても当然だろ?」

「当然と言われても」

この部室にはなぜか男子禁制の場所がある。
カーテンで仕切られているそこは決して入ってはいけない花園。
たまにというか、先生は基本そこにしか出入りしてはいから居るかどうかがほんとに分からない時があるんだよな。

「つか、この学校の天下取ってどうすんすか」

「決まってるだろ?あの副校長ハゲを追放するためだ」

「どんだけ嫌いなんですか」

ほんとに過去に何があったの先生と副校長は。

「そういえば陽向。新入部員の入部届け提出やら部長会議があったはずだが、ちゃんと行っているのか?」

「あーそれなら」

「それなら?」

「桃が全てこなしました(๑•̀⌄ー́๑)b」

「はぁ」

「なぜため息を吐くんですか!?」

「篠原。あまり陽向を甘やかすな」

「あーでも先生。陽向くんじゃちょっとできないと言いますかぁそのぉ」

「瀬尾じゃ要領も悪いし、バカだから無理」

「柏木酷くね!?」

「あながち間違ってもないですわよ?ようた」

「夜のリードはお任せ下さい陽向さん!」

え、俺そんな風に思われてたの?
霧咲は黙っとこうな?

「そういえば陽向先輩が部長らしいとこ見たことないです」

「希桜もないです」

「あ、私もないかも!」

と、続けざまに1年ずに言われる俺。

「そういえば僕もないかなー?」

シルクにまで言われるとは。

そして最後に、方にポンと手を置かれ

「まぁ気にすんな陽向。お前はそのまんまでいい」

と、先生は優しい顔と口調で励ましてくれた。

「何がいいんですか!?」

「まぁあれだ。部員も増えたことだ、歓迎会でもやって部長らしいことすればいいんじゃないか?」

「歓迎会で部長らしいことってなんですか」

「さぁ」

「先生無責任過ぎますよ!」

「まっあまり篠原に頼りすぎるなよ。私はこれから打ち合わせに行ってくる」

「副校長と仲良くしてください」

「陽向……その名を口にするな」

「す、すいません」

めっちゃ睨まれた。
小便ちびるかと思った。



「陽向くん!」

「ん?」

「歓迎会やりましょー!」

「歓迎会?」

「さっき先生も言ってたじゃないですか!歓迎会!せっかく新入部員も入ったんですしやりましょうよ!」

「歓迎会、歓迎会ねぇ」

確かに先生も言ってたなぁ歓迎会かどうとかって。
あーでも面倒臭いなぁ。
それに俺には予定目白押しだしなぁ。

「心配しないでください。場所といった準備等々は私が手配しますし、それな陽向くんこれといった予定はないですよね?」

いやーでも他の連中がな。

「たぶん大丈夫だと思いますよ?皆さん歓迎会どうでしょうか?」

「やりたいです!」

と霧咲。

「今ちょうどそういう話読んでる」

と柏木。

「やりたいですわ!」

とセラフィ。

「僕も参加したいな」

とシルク。

「1年生の皆さんはどうでしょうか?」

「やって頂けるのなら是非!」

と天舞。

「私もやってもらいたい!」

と、シルフィ。

「ひにゃたしゃまが居るのなら」

と希桜。

どうやら皆乗り気らしい。

「決まりですね陽向くん!」

この前の大型連休をなくなく潰されたのに、また俺の貴重な時間が奪われるのか……。

「まぁまぁそう言わずに。場所や時間などは私がしっかりと手配しますから!」

「この時点で瀬尾は部長らしくないね」

「うるせーぞ柏木」

「では、とりあえず歓迎会の日にちは今週末として、場所はそれまでに私が決めますが、どこかいいところや行きたい場所などあったら言ってください」

やっべーまじ桃優秀すぎる。
これは確かに柏木の言う通りかもしれん。

「そんな褒めないでください陽向くん」











「ねぇシルフィ気づいた?」

「うん気づいたよルル」

「桃先輩……」

「うん。ようた先輩何も言ってないのに会話してたね」

「それを先輩たちは不思議に思ってなっかったね」



「で、なんでお前がうちに居るんだ?桃」

ベットにちょこんと座っている桃に話しかける。
何がそんなに楽しいのか、ベットの柔らかさをやたらめったら確認している。

「そんなの決まってるじゃないですか。歓迎会について話すためですよ」

決まっていると言われてもなぁ。

「てか、いつから居たの?全然気づかなかったんだけど」

「ずっと後ろをついてきてましたよ?陽向くんがイヤホンしながら歩いているその後ろを。時にはニヤニヤしているのを観察しながら」

ドラマCD聞いてると時にはニヤニヤしちゃうよね!

「で、歓迎会についてって?」

「なんでそこで不思議な顔を出来るんですか。部室でも話したじゃないですか歓迎会をやりましょうって」

「あぁ。したなぁそんな事も」

「全く。これだから陽向くんは」

「興味ないことは忘れちゃうだろ?勉強とか」

「それはそうですけど、部長なんですから忘れないで下さいよ。て勉強も忘れちゃダメですよ?またテストもあるんですし」

「テストかぁ。まぁ赤点取らなきゃいいだろ」

「今はテストもそうですけど、歓迎会についてですよ陽向くん。陽向くんが創った部なんでし、アニメが好きかどうかは正直分からないですけど、新入部員が入ってくれたんですし今後のためにもしっかりとやりましょう!」

「やけに気合い入ってんな」

「やっぱり後輩ができるのは嬉しいですからね。今後の友人部のためにもこういつのはやっておきたいなと。それにみんなで集まって何かするのは楽しいですからね」

確かに後輩が出来るってのは嬉しい。
ただなー3次元の女の子ばっか増えたからなー。

「まぁそう面倒くさそうね顔しないで下さい。台所借りますね?ご飯を食べながら具体的な話をしましょう。なんなら泊まっていってもいいですよ?」

「え」

「嫌そうな顔を少しは隠してください。というか普通、女の子から泊まっていくだなんて言わないんですからね」

「普通は男の家にもホイホイと上がらないと思うけどな」

「好きですからね陽向くんのこと」

「そうだったな」

「少しは動揺してくださいよ。待っててくださいちゃちゃっと作っちゃうんで」

「あいよ。じゃあ俺は」

「まぁどうせアニメですよね?」

「それもそうだが、最近歌い手さんにはまっててな。その人の歌を聞きながらゲームでもしてるよ」

「へぇ。なんて言う人なんですか?」

「なんて人だったかなぁ。やべー歌声にしか興味ないから全然思い出せねぇ」

「じゃ後で教えて下さい。作ってきますから」

「あいよ」

そーいやうちに材料ってなんかあったけ?

「ちゃんと陽向くんと寄ったコンビニで、食材買っておいたんで大丈夫ですよ。まぁ陽向くん気づいてなかったですけど。私の存在自体に」

なんかちょっとトゲのある言い方だったな。

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