二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第61話 気にするな

「で、この後お2人は何をする予定だったんですか?」

セラフィを真っ赤にさせた張本人の霧咲はケロッとした様子で聞いてくる。
まるでさっきまでの会話がなかったかのようだ。


「特には決めてねーな。つか、知らねーな。誘われたのは俺の方だし」

「確かにお誘いしたのはわたくしの方ですけど、忘れましたの?ようた。今日は貴方に一任するって」

「なぁ、今も思うけど、それけっこう酷く」

「第二体育館……」

「ないな。うん。この後のことは考え中だが、今はこいつのために服を買いに来た所だ」

さーて。今日はセラフィのために最上級のおもてなしをしようじゃないか。
別に桃や霧咲には知られてもいいが、(つか、半分は知ってる)なんかめんどくさくなりそうだし。
1番やっかいなのはほかの連中に知られることだからな。

「服をですか?」

「おう」

「このお店で?」

ぐるりと店内を見渡してから霧咲が言う。
コスプレ専門の店の何が悪いんだ?

「陽向さん。服を買うなら別の方がいいと思いますよ?」

「……やっぱり?」

薄々感じてはいたがやっぱりこの店じゃないかー。
だよなー。コスプレ専門の店だもんな、ここは。
普通はイベントとかで着るコスチュームを買いに来る場所だもんな。

「しょうがない。別のコスプレ店に行くか」

「何でそうなりますの!?」

俺がこの店とは違う店を提案した途端、セラフィが声を張り上げた。
なんだ?何でこんなにもセラフィは怒っているんだ?

「ひ、陽向さん?」

「ん?どうした霧咲」

「どうしてまた別のコスプレのお店に行くんですか?」

「だってほらここのちょっと高いだろ?いい生地を使ってるからかも知れないけどさ。でも他のところのだったらもうちょい安く買えるだろうと思ってさ」

「陽向さん。私が言いたいのはそういうことじゃないんですけど……でもそこまでしてコスプレのお店に行くということは、是が非でもコスプレ姿のセラフィさんを見たいということですね!ぬぬぬ、セラフィさん!やっぱり今日はコスプレえっ」

「だから違いますわ!!」

またしても顔を真っ赤にしながらセラフィは否定した。
つか、霧咲すげーな。どういう脳内構造してんだよ。
どうやたって下ネタの方に行くじゃねーか。

「よ、ようた!さぁ!行きますわよ!コスプレのお店ではなく別のもっとちゃんとしたお店に!」

「うおい、引っ張るなって」

霧咲の言動に我慢出来なくなったのか、セラフィは俺の服の裾を掴んで、店内から出ようとする。
なされるがままの俺だったが、ある物を見つけて立ち止まった。

「ちょっとストップしてくれ」

「なんですの?」

「これなんかお前に似合うんじゃないか?」

「どれですの?」

「これだよ」

俺が手に取りセラフィに渡したのは、某アニメのヒロインが着ていた私服のセット。
オシャレが分からない俺でも可愛いと思えるその服は、手にしているセラフィ自身もどこか気に入ったいるように思えた。

「確かに、これは普通ですわね」

「どうだ?最後に試着だけでも」

「そう……ですわね。試着だけなら」

そう言ってセラフィは持っているセット服を抱えたまま、そさくさと試着室の中に消えていった。

「意外です。陽向さんが普通の服をススメルなんて」

「俺だってまたにはススめるさ……桃はどこ行ったんだ?」

さっきまで近くにいた桃がいないことに気づいて一緒に居たはずの霧咲に聞く。
つか、しれっと隣に居たんだな。気づかなかったぜ。

「陽向さんに褒めてもらえたのがよほど嬉しかったのか、ニコニコしながらお会計に行きましたよ?」

「まじか……」

俺に褒められたくらいでけっこうな値段のコスプレ衣装を買うなよ。
なんか、申し訳なくなるだろ。

「あ、あの!」

「ん?」

珍しく緊張した声で霧咲が声を掛けてきた。

「私にも何が似合うか選んでもらってもいいですか?」

「あ、あぁ。別にいいぜ?」

緊張して話してくるから何事かと思ったらそんなことか。

「本当ですか!?ありがとうございます!」

「気にするなって。えーとどれがいいかなぁ」

辺りをざっと見渡す。
多種多様のコスプレ衣装があって、正直どれが霧咲に似合うのかなんて分かりゃしない。
でも、霧咲は美人で髪が明るいからラブ〇イブあたりの衣装が似合いそうだな。

「そうだな。ラ〇ライブの衣装なんて」

「すぐ買ってきますね!」

俺が全部言葉を言い切る前に、霧咲はラ〇ライブの衣装を求めて消えて行った。
つか、試着して来ますね!じゃなくて買ってきますね!って。

「どうかしら?ようた」

タイミングよく、試着室のカーテンが開いて、私服セットを着ているセラフィが出てきた。

上半身はよく分からんが可愛いと思える服を着ていて、下半身はスカートにニーソと智和あたりが見れば興奮する感じに仕上がっていた。
これがもし2次元で出てきたら俺は悶えるレベルだ。

「おう。似合ってるぞ」

「そ、そうかしら……んん。あ、当たり前ですわ!」

「気に入ったんならそれ買うけど?」

「気に入りはしましたけど、いいですわ。自分で払いますから」

「そう言うなって。確かにお前と俺じゃ財力に差があるけど、このデート?は俺が主体になったんだろ?ラノベとかで見るデートは男がある程度は金を出してるからここは俺に出させろって」

「そこまで言うのでしたら、お言葉に甘えますわ」

「おう。甘えとけ」

セラフィを説得した俺は、近くを通りかかった店員さんに声をかけ、会計をすることにした。
制服の代わりになるものを買いに来たわけだからこのままセラフィには着てもらうことにして、試着室から俺はレジへと向かう。

「ありがとうございますわ。ようた」

「気にするなって」

レジに向かう途中、セラフィにお礼を言われたが、本当に気にしないでもらいたい。
確かに、そこそこのいいお値段で高いのだが、この私服セットを買った人には特製のフィギュアが付いてくるから全然気にしないでもらいたい。

さすがに、女物を買う勇気は俺にはないからな。



「柏木さん?そろそろ勘弁してもらってもいいですか?」

「待って、まだナース服とチャイナ服と裸エプロンを関には着てもらってない」

「裸エプロンってなんすか!?」

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