二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第86話 ひにゃたしゃま

俺の名前であろう言葉をセミロングの女の子は叫んだ。

ちなみにだが、この部室にはひにゃたしゃまなんて言うやつは居ない。

ようた!と勢いよく俺の名前を間違えて叫んだセラフィのことを思い出すな。

最初こそ驚きで戸惑っていた桃も、いつもの調子を取り戻したのか、コホンと一つ咳払いをしてから切り出した。

「えーと、入部希望の方ですか?」

「……入部希望?」

首をかけしげるセミロングの女の子。
この反応は桃の言っている意味が本気で分からない様子だ。

つか、美人だなおい。
髪の長さは霧咲と同じくらいのセミロング。
髪色は桃やセラフィみたいな明るい金髪じゃなくて、白に近い色合い。天然物のプラチナブロンドってやつか。なんかのアニメキャラでもいたな。
身体も小柄で小動物系女子って感じだ。

「入部希望とはなにか分かりませんが、私はある方に会いに来ただけなので」

一応敬語は使っているみたいだが、その放つ雰囲気や言葉からは、ツンケンとして少しトゲのある言い方だ。
今は絶滅危惧種となっているツンデレみたいだな。
そーいや、最近のツンデレはデレるのが早すぎだよなー。
もっとこう、エヴァのアスカさんみたいにじっくりデレてって貰わないとー。
まぁ、とりあえず新劇場版の方も心待ちにしてます。

「とある方とは、ようたのことですの?」

「ようた?ようたとは誰のことですか?私はひにゃたしゃまに会いに来ました」

「だから、ようたはようたですわ。貴方こそひにゃたしゃまとは誰のことを仰っているの?」

ちなみに言おう。
この空間にはようたも、ひにゃたしゃまも居ない。

セラフィとセミロングの女の子が何故かバチバチしているのを眺めていると、桃たち他の奴らからこの状況をなんとかしろと言わんばかりの視線を寄せられる。

この状況を俺になんとかしろと?

はぁ。しょうがない。

「えーと、いいか?」

俺は、セミロングの女の子に話しかけるために軽く肩をチョンと叩いた。

すると、

ビクンっ!

と大きな反応をして、俺の方を見る。

「あわわわわわ」

顔を真っ赤にして、怒っていると言うよりは、驚いているような。
とにかく、驚かせてしまったみたいだ。

「あ、悪い。いきなりごめんな?」

「い、いえいえいえ!ど、どうぞ!好きなだけ私の身体を使って下さい!」

「変な言い方すんじゃねーよ!」

な、なんだ?この感じは。
霧咲と真昼さんと同じ感じがするんですけど。

「すすすす、すみません。まさか、ひにゃたしゃまに私のこの身体を触られる日が来るとは思っても見なかったので、この触られた左肩は今日から洗いません。ああ、でも、それでひにゃたしゃまが汚いと言うのなら洗います!けれど、その代わり毎日私を汚して欲しい……」

「陽向さんは私を毎日汚すのであなたを汚している暇なんてありません!」

おかしなことを言うセミロングに対抗してか、おかしなことをこのセミロングの美少女は言い放った。

「いいですか!陽向さんは私を毎日気の赴くままに、私の身体を奥深くから汚しまくるんです!家に帰ってから、お風呂上りの綺麗な状態で、寝る瞬間、朝起きてからも、そして、もちろん学校n」

「霧咲ぃ~!ちょっと黙ろうかー」

「ひ、ひたいです!ひなたさん!」

頼むから大人しくしてくれ霧咲。
頼むから!



「で、ここには何しに来たんだ?」

事態をやっと収集出来たところで、俺はやっとセミロング美少女である後半の女の子に質問をした。
この質問をするのに、どれだけ時間を浪費したことか。


「だから最初から言ってるじゃないですか。ひにゃたしゃまに会いに来たと」

「俺に?」

「その通り」

「ごめん。失礼だけど、俺と君って話したことというか、会ったことあったっけ?」

「ありません」

「ならどうして俺に会いたいと?つか、俺のことを知っているのか?」

「知ってるも何も熟知してます」

熟知?何それ怖っ!
俺の全てを知ってるってことか?

「例えば?」

「ひにゃたしゃまは毎週金曜日の就寝前にお気に入りのPCゲームで」

「よし、君は俺のことを熟知しているようだ」

「PCゲーム?」

柏木よ。
そこには触れちゃ行けないぜ?
男の子にはな?秘密の一つや二つあるもんだからさ。

「ちなみになんだが、なんでそんなに俺のことを熟知しているんだ?」

「そんなの決まってるじゃないですか」

「(ゴクリンコ)」

「盗撮、盗聴しているからですよ」

「何をやってるんだ!て、え?嘘だよな?嘘ですよね?嘘って言ってください」

「もちろん……」

ですよね!
いやーですよね!
盗撮、盗聴なんてことこんなに可愛らしい子がするはずないよな!
いやー良かった良かった。
いや、でも待て。
考えろ俺。つか、思い出せ俺。
この流れで嘘って言われたことがあるか?
ないよな?そう、この流れで俺は否定をされたことが無い。
つまりは……

「ほんとに決まってますよ」

「だ、だよなー」

はぁ。

だよなー。

「えーと、失礼ですが、お名前は!」

俺たちの一連の会話を聞いていた霧咲が、割って入ると、セミロング美少女に近づいた。

そーいや、まだ名前を教えて貰ってなかったな。
俺のことを知ってるから俺もセミロング美少女ののとを知ってる気になってた。

「あ、そうですね。言ってないですね。私の名前は咲洲希桜です。別に覚えてもらわなくて結構です。私はひにゃたしゃまにさえ覚えていただければ結構なので」

「咲洲希桜さんですね!咲洲希桜さん!」

「は、はい。なんでしょう?」

霧咲の鬼気迫る様子に後ずさりするセミロング美少女もとい、咲洲。
後ずさりする気持ちは分かるぞ。
見た目大人しそうな霧咲がこうやってグイグイ来られると、なんの準備もしてない俺らにとっては脅威だからな。

「いくらで、いくらで譲ってくれますか!?」

ん?
おっと、なんか雲行きが怪しくなってきたような。

「な、なにを仰っているのか希桜にはわからないのですが」

大丈夫だぞ咲洲。
俺も霧咲の言うことは大半が分からないからな。
今だって分からないし。

「だからですね?そのー陽向さんのプライベートシーン凝縮パックをいくらで譲ってくれますか?」

「ちょっと待て霧咲」

こいつはなにを言っているんだろう?
俺のプライベートシーン凝縮パック?
それって?さっき咲洲が言ってた盗撮とか盗撮したってやつのことか?
つか、ほんとに盗撮盗聴してるの?
後で確認しよう。

「これらの事ですか?」

そう言って咲洲が手に取ってのは、俺がすごく眠たそうな顔で歯磨きをしている写真と、テレビ(アニメ)を見ながら何とも言えない幸せそうな顔をしている俺の写真、そして、㊙︎と書かれた無印パッケージのディスク。ねぇ、その㊙︎ってなんなの?ねぇ!?なんなの!?

「なぁ、そのマル秘っ」

「いくらですか!」

「い、嫌ですよ!譲れません!宝物です!」

「あ、あのさ?そのマル秘」

「そこをなんとか!」

「無理です」

㊙︎ってなんなんだよ……。

ちなみにだが、しれっと財布を取り出していた桃、柏木、セラフィの三人を俺は視界に取り出していた。
つか、セラフィのやろうカード使おうとしてただろ。
このお嬢様が!



「どうしたの?シルフィそんなに急いで。どこか行きたいところでもあるの?」

「うん。ちょっと気になる部活があって」

「今日の部活動紹介で気になる部活あったんだ」

「うん!ルルもあったんじゃないの~?合唱部とか、軽音部とか!」

「もう、やめてよね。歌うのは好きなだけで、趣味だから」

「えー部活でもやればいいのにー」

「他の人と一緒はちょっと。恥ずかしいし……。ところで、気になる部活って?」

「えーとね、今日1番大盛り上がりしてた部活!部活動名は忘れたけど」

「あー、えーとなんだっけ?友人部だったかな?なんで気になるの?盛り上がってたから?」

「うーん。それもあるんだけど、あとはお姉ちゃんが入ってるからかな」

「シルフィのお姉さん部活入ってたんだね。あ、そう言えば、シルフィと同じように金髪の先輩が何人か居たような」

「私も今日まで知らなかったよ。まさか、あのお姉ちゃんが部活に入ってるなんて。そう言えばお姉ちゃんの他にも居たね金髪の人」

「どっちがお姉さんなの?」

「おっぱいが大きい方!」

「胸が大きいって……」

「大丈夫。ルルもこれから大きくなるよ!」

「ほんとかなぁ。って違う違う。居たね制服の上からでも分かる大きな胸の人」

「そう!それがセラフィお姉ちゃん!」

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