二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第84話 この部には無駄に美少女が多い

「部活動紹介?そんなのがあるのか」

「はい。そうですよ陽向くん。先日の入学式も滞りなく終わり、明日から新入生は1年生として高校生活を始めるのですから。そして、生徒会から部活動紹介の打診が来ました。一応お願いという形ですが、まぁ強制ですね、これは。明日の1年生歓迎会の中でやるらしいのですけど、どうします?」

「どうすっかなー」

この場合のどうするは参加不参加ではなく、内容をどうするのかってことくらいは分かる。
そう言えば、去年俺たちが高校に入ったばっかの時に歓迎会とかやったなー。
確かにその中で部活動紹介もあったな。
どの部も興味がなさ過ぎで寝てたけど。

「そうですねー。どのサイズのベットを用意しましょう。この人数だとキングサイズでも足りないですよ?陽向さん」

霧咲はどうしてこうも真面目におかしなことを考えるのだろう。
人差し指を立てながら、いっちょ前に考えてる霧咲を見ると、なんかイラッとする。

「僕は瀬尾くんの指示に従うから。何でも言ってね?」

「お、おう。ありがとな」

シルクと話すと、なんでか悪寒がするんだよな。

「というか、桃さんが生徒会から伝達を受ける時点で、ようたの存在意義ないですわね」

うるさいぞセラフィ。
適材適所っていう素晴らしい言葉があるんだぞ!

「ていうかさ、ウチの部になんか紹介する所ってあるの?」

「あ」

柏木に言われて考えてみる。

んー
んーー
んーーー

ない。
これと言ってない。

「ないな」

「やる意味ないね」

柏木の言う通りだ。
確かにやる意味がない。

つか、ほんとに何を紹介すればいいんだよこの部活は。
創部理由なら、同じ趣味の友達を作るっていう理由があるが、それは裏の理由で、生徒会に提出した創部理由はテキトーに桃に書いてもらったやつだしなー。

まさか、部活動紹介で創部理由を話すわけにもいかないし、かと言ってこれといった活動をしてないから実績も話せない。
何をどう紹介すればいいんだ!!

「桃よ。あとは任せた」

「逃げないでください陽向くん。部長は陽向くんですよ?」

「とは言ってもなー。これといって紹介することなんてないぞ?」

「確かにそれはそうなんですけど、先生にしっかりとやれと言われてますから、それなりのはしないと駄目ですね」

まじか。
あの先生にしっかりとやれなんていう特別命令が出てたのか。
ちくしょー!!しっかりとしたやつをやらなくちゃいけないじゃねぇかよぉ!!

「陽向さんの魅力を伝えるって言うのはどうですか?」

「俺の魅力を伝えたところで何になるんだよ。なぁ?」

霧咲の提案は無いと思い、皆に振ったのだが、なぜか皆の表情は満更でもなさそうだった。
なんでだよ!

「そう言えば、1年生の間で下着を見られたという話があるそうですわよ?」

「下着ですか?」

「そうですわ。なんでも下着を見て何事も無かったかのように立ち去ったとか」

「陽向くん」

「陽向さん」

「瀬尾」

「おい!どうして俺を見る!」

「だって、陽向くんなら見たとしても何事も無かったかのように立ち去ると思いますから」

「言ってくれればいくらでも見せますよ?陽向さん?」

「見られたという羞恥で震えてる女子生徒を平然とした顔で通り過ぎるなんて、さすが瀬尾」

「お前ら言いたい放題か!」

確かにそんなことがあったような気もするが、俺だってリアクションくらい取るさ!……たぶん。

「まぁ、陽向くんことなのでないとは思いますし、もしあったとしても忘れてると思いますけど」

「陽向さんは現実の女の子には興味がないですもんね。それにしてもセラフィさんよく1年生の話題を知ってますね」

「え、えぇまぁ」

ん?
なんか、セラフィの反応歯切れが悪いな。

「で、どうします?陽向くん。明日なので早めに決めておいて練習した方がいいと思うんですけど」

「つっても何も思いつかねーしなー」

俺の好きなアニメまたは、嫁でも見せるか?
ダメだ。ドン引く1年生の姿しか想像出来ないし、これからの俺の学校生活を棒に降る結果になりそうだ。

じゃあどうする?
たぶん、1年生は明日の部活動紹介で入りたい部活を決めるだろう。
元々決めてるやつも居るだろうが。
だったら明日の部活動紹介でまだ入りたい部活を決めてないやつ、それもアニメとかに興味があるやつにうちの部を知ってもらいたい。
だが、大々的に趣味友を作ろうなんて言えない。
いやー困った。

うちの部は無駄に美少女、3次元だけど美少女が揃っているというのに何の役にも……。
ん?そうだ!うちには桃たちが居るじゃないか!

「どうしました?陽向くん。何か思いつきましたか?」

「あぁ、思いつだぞ桃!今回はお前たちに頼る!」

「私たちにですか?」

「あぁ、せっかくこの部には無駄に美少女が揃ってるんだ。3次元だけどな。これを使わない手はないだろ!」

「なんか言い方が酷いのは今は置いておくとして、私たちは何をすれば?」

「普通にこの部を紹介してもらう。俺とシルクを除いた全員で」

「え?それだけですか?」

「そうだ。もちろん内容は生徒会に提出した友人部の紹介だ。間違っても実態の紹介はダメだからな」

「それは分かりましたけど、どうして私たちで?」

「それはだな、馬鹿なヤツら…特にヤロー共は美少女に弱いからだ。金髪美少女の桃に」

「そ、そんな美少女だなんて」

「茶髪美少女の霧咲に」

「可愛いだなんて、照れちゃいます」

「クールな黒髪美少女の柏木に」

「……」

「エロゲーのヒロインのセラフィが揃ってるんだぜ?」

「わたくしだけ酷いんですけれど!?」

「それだけで、充分すぎる。美少女4人が出てきただけでろくすっぽ話なんか聞かない。たぶん皆お前らの姿に夢中だからな。そして、お前らに興味を持った奴らは放課後にでもこの部に来るだろう。そこで実態を軽く説明する。そうすれば何人か入部してくれるって戦法だ!」

「なんかいいように使われてる気がするのですけれど」

うっ。
痛いところを

「それはあれだえーと」

やばい。
さすが桃だ良いように使おうとしてるのをあっさりと見抜かれた。
どうする?

「そこは陽向が後でデートでもなんでもしてやればいいだろう」

「せ、先生?」

いきなりの登場に、なんで?とかはどうでもよくて、
今なんとおっしゃいました?
デートっておっしゃいましたか?

「「「「「デート……」」」」」

おい。
そこでなんでお前まで反応するシルク。

「し、仕方ないですね!分かりましたやります!べ、別にデートがしたいからとかじゃありませんからね?」

あっれー?
すごい桃さん前向きなんだけどー。

「で、デートですか。陽向さん……………………よろしくお願いします」

何を!?

「ぽっ(〃▽〃)♡」

か、柏木?

「し、しょうがないですわね。ようたがそこまでデートをしたいと言うのであれば、やってあげないこともなくてよ?」

なんかイラッと来るな!

「決まりだな。陽向」

「いやでも先生?デートって聖職者自ら……」

「間違いが起きなければ大丈夫だ」

「ちくしょー!無駄にカッケェ!!」

「それにな陽向。男に二言はないだろ?それともあれか?私の言うことは聞けんのか?」

「いいえ。デートします」

「よろしい」

俺はこの日、部活動紹介を桃たちに頼むのと引換に、何か大事なものを失った気がした。

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