二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第85話 オールスター

「では、内容は友達と一緒に遊んで楽しいのは何か?でいいんですね?」

「あぁ、いいと思うぞ」

「ほんとにこれでいいんですか?ふざけすぎだと思うのですけど」

「本番前に言うなよ。あと3組後だぜ?それに言ったろ?内容なんてどうでもいいんだよ。桃たちが出てくれればそれで」

「まぁ、部長である陽向くんがいいと言うならいいのですが……あと、ちゃんと約束は守ってくださいよ?」

「分かってるよ。デートだろ?」

「そんな嫌な顔をしなくてもいいじゃないですか」

「だって、なぁ?」

誰が好き好んで3次元の女の子とデートせないけないんだよ。
俺の休日を潰すなんて、先生も鬼だぜ。

「友達と一緒に遊んで楽しいのは……やっぱりアレでしょうか?陽向さん」

「それ以上俺は話を膨らませないからな霧咲。そして、それ以上は喋るな」

「私は一緒になんて遊んだことないから分からない」

「悲しいことを言うな。柏木」

「わたくしは」

「どうせエロゲーだろ?」

「一緒に遊ぶものではないですわ!」

「ツッコムのはそこか」

友達と一緒に遊んで楽しいのは何か?か。
俺もアニメ、マンガ、ラノベ、ゲームに1人で遊べるようなものでしか生きてこなかったから、柏木の言う通り、よく分からないな。

小学生の時なんかは、何回か鬼ごっことかケイドロで遊んだ記憶があってそこそこ楽しんだ気もするけど、今一緒に遊んで楽しいのは何かって聞かれると答えられない。

あれ?意外とこのテーマは深いんじゃないか?
色々な意味で新入生歓迎会でやっていいテーマじゃないような気がする。

「案外一緒に居るだけで楽しいってのが一番なのかもね瀬尾くん」

「それだと遊ぶじゃなくなるけどな」

でもまぁ、シルクの言う通りかもしれないな。
一緒に居るだけでいいってのも。

「まぁ、あれだ。後は練習通り各々好き勝手喋って来い!そして、ウチの部に興味を持たせろ!」

「なかなか酷い送り出しですね。陽向くん」

「まぁ、陽向さんらしいですよ」

「確かに」

「行ってきますわ。ようた」

「おう。行ってこい!」



結論から言おう。

凄かった。

そう。凄かったの一言に尽きる。

なんて言うかこう、凄かった。とにかく凄かった。

新入生歓迎会の中で行われた部活動紹介。
その中で我らが友人部は、桃を始めとする美少女4人を送り出した。
簡単に戦闘力を説明すれば、〇悟空、ベジ〇タ、フリ〇ザ、セ〇、と言ったドラゴンボ〇ルオールスターでチームを組んだようなものだ。

内容は友達と一緒に遊んで楽しいのは何か?という部活動紹介で普通はやらないテーマを、これまた普通はやらない話し合いをする。というもはや訳の分からないもの。

それなのに、それなのにだ。

さすが、ドラゴンボ〇ルオールスターで組んだだけのことはある。
すごい盛況だった。
ある意味俺の予想通りだ。
いや、俺の予想をはるかに超えてきやがったぜコンチクショウ!!

なぜなら、桃たちが入場しただけで拍手喝采。大盛り上がり、気絶者続出。
一言誰かが話す度に、アイドルのライブばりな盛り上がり。

去年の文化祭でキャバクラをやったことを知っていたのか、今年は行きます!などの宣言。

結局、軽く自己紹介を終えた段階で収拾がつかなくなると判断した生徒会が強制終了を言い渡すという前代未聞の部活動紹介になった。

ちなみにだが、名前だけ俺とシルクも紹介はされた。

つか、退場間際に握手とかサイン求められてたな桃たち。
ほんとにアイドルになったのかと一瞬思っちまったよ。

まぁ、でも俺の目論み通り、いいインパクトは与えられたと思うし、何人かに興味は持たせられただろう。
部としてではなくて、桃たちに興味も持った気もするが。

なにはともあれ成功だ。



「すごかったですわ」

部室でセラフィがクタクタになりながらテーブルに突っ伏した。

そのセラフィに呼応するように桃たちも疲れを露わにした。

「まさかあそこまで盛り上がるとは思いませんでしたよ陽向くんの予想通りって感じですか?」

「いや、まさかあそこまでとは正直思わなかった。なんか悪いな。皆」

あんなに盛り上がるとは思わず、桃たちに迷惑をかけたと思った俺は、頭を下げる。
けれど、桃たちは全然大丈夫という素振りを見してくれる。
なんていい奴らなんだ!

「あとは、この部に興味を持ってくくればいいんですけどね」

「あんだけ盛り上がったんだ。誰かしら興味を持ってくれただろ」

逆にあれだけ盛り上がっておいて誰も興味を示さなかったら虚しすぎる。

「後は、ゆっくり待つとしよう」



ドドドドドっ!!!!
ドドドドドっ!!!!

「な、なんだ?」

最新刊発売から一年以上待って、ついに新刊が来月発売とのことで、思い出すために読み返していた棒ボッチ系ラノベを優雅に読んでいたら地響きとも思える物凄い音が部室に鳴り響いた。
つか、さっきスマホで調べたけど、発売延期じゃねーか!
期待させておいてそれはないですよ!作者さん!
でも、待ってます!!

「な、なんですかこの音は?」

桃もこの音に気づいたのか、いや、普通に気づくなこのレベルは。
焦りの表情を浮かべる。

「ひ、陽向さん!」

珍しく霧咲も焦りの表情を浮かべていた。


「…………」

柏木は流石だな。
眉一つ動かさないで、To〇OVEるを見てる。

「セラフィ……」

「な、なんですの?」

「その、無駄にでかい乳肉が揺れてるぞ」

「ようた!どこを見て…!って乳肉!?」

うるさいなセラフィは。

しかし、この地響きはどう考えてもこの部室に向かっているな。
この音の大きさからして、5、6人はいるな。

やっぱり興味を持った奴らが来てくれたか!

ガララっ!

そして、勢いよくドアが開かれた。

「はぁ、はぁ、はぁ」

見てみると、そこに立っていたのは肩で大きく息をしているセミロングの女の子だった。

あれ?つか、1人?
もっと大勢だと思ったんだけど。
1人であれほどの音を出せるとは大したものだ。

「やっと……やっと……見つけた」

息を整えながら、女の子は声を大にして

「ひにゃたしゃま!」

と俺の名前を叫んだ。

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