二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第81話 キセキの世代?

「あれ、おかしいなー」

「どうしたんですか?陽向くん」

「いやー昨日ゲーセンで取ったキーホルダーがないんだよな。無くしたか?」

「昨日あれだけ熱くなって鬼の形相で取ったものをもうなくしたんですか?」

「うるせー。昨日の帰り道までは確かにぶら下がってたんだよな」

「今の今まで気づかないなんて、さほど大切なものではなかったのですね」

「ちげぇよ。ついてるもんだと思ってたんだよ。まさかなくしてるとは」

まさか、昨日のDQNヤンキー達と会ったときにでも無くしたか?でも、ケンカしてねぇしなぁ。
ともあれ、無くしたのはだいぶショックだ。

「おはよう」

「「「おはようございます」」」

部室でもやっぱ先生に会うと緊張するな〜。
妙な迫力あるし。
というか、珍しく全身スーツだな。
いつもはジーパンにTシャツって感じなのに。

「揃っているようだな。では早速入学式の準備を頼む。女性陣は受け付け、陽向と橘は式場のセッティングを頼む」

「瀬尾くん僕たち一緒だね」

「お、おう。そうだな」

なんでだろう。シルクと話す度に背中に嫌な汗をかくのは。



移動中、とてとてと霧咲が並んで歩く。

「そう言えば陽向さん」

「ん?」

「新入部員のことは考えてあるんですよね?」

「…………。もちろだ」

「今の長い間はなんですか?」

「うるさい。たぶん桃あたりがキチンと考えてあるさ」

「人頼みじゃないですか!」

「だ、だって?事務的なことは全部桃に任せてるし?」

すんげー忘れてたー!!
ですよねー!入学式をやるって事は新入生が入ってきて我が友人部にも新入部員が入る可能性があるってことですよね!

「どうするんですか?」

「どうするかって、そりゃあまぁ同じ同士が居るのであれば来て欲しいよ」

友人部を立ち上げた目的は他でもない、同じ趣味つまりはアニメオタク友達を作ることだ。
最近は、というか立ち上げてからというものこれといった活動を俺たちはしてこなかった。
無駄な夏合宿とか、部室があるのをいいことにクリスマスパーティとかはやったんだけどな。
前はちょろっと勧誘もしていたのだが、いつの間にかしなくなったし、つか最初からそんなにしてなかったし、気づいたらそこそこ部員は集まってるわで全然してない。

でも、それでも同じ趣味を持つ人には来て欲しいし語り合いたい。そ、それに先輩と呼ばれてみたいし?

「違いますよ!私たちの関係です!」

「私たちの関係?」

俺と桃たちの関係のこと?
まぁ確かに男女比はおかしい気もするし、美少女比率なんて他の部と比べたら戦争が起きるレベルではあるが、それがなんなんだ?

「1晩すごしたあの熱い……ゴニョゴニョ」

「霧咲ぃ!お前は何を言おうとしてるだよ!」

真面目に考えてた俺が馬鹿見てぇじゃねぇか!
なんだよ!1晩過ごした熱いのって!!

「それはその……女の子に言わせるなんて、陽向さんはずるいです」

「お前が何を想像してるかは知らないが、なんでかシルクが悲しげな顔をしてるからそれ以上話すな」

シルク……。お前はお前で何を想像して、どうして悲しげな顔をしたんだ?



「智和?お前も手伝いか?」

「先生に直々に頼まれたからな。断れねぇよ」

「そりゃ災難だな」

「それより、聞いたか陽向」

「何を」

「今年の新入生についてだよ!」

「新入生について?」

「あぁ。今年は女子の新入生が美少女揃いらしいぞ!」

「ついに二次元美少女が入学してくるのか!?」

「そんなワクワクした顔をされて恐縮なんだが、ちげぇよ。3次元だよ」

「ちっなんだ」

「露骨に嫌な顔をするな」

「たりめぇだ」

3次元で喜ぶなんて、智和はまだまだだな。

「男の子の方はどうなの?」

「おうシルク。男?男はなんの情報も持ってないなー」

「そうか〜残念だなー。まぁでも僕からしたら瀬尾くんと関くんが居てくれたら良いんだけどね」

「お、おう」

トントン

「ん?智和どうした?」

「シルクってなんかヤバくねぇか?」

「お前も勘づいたか?俺もそう思ってる」

初めて認識が一致した気がするな。

「で、さっきの続きなんだけどよ」

「興味ねぇよ」

「まぁそう言うなって。俺の持ってる情報だとな?なんでも今年の新入生は特に可愛い美少女5人が入学してくるだってよ!俺らの間じゃキセキの世代って呼んでる」

「なんだそれ。そのうち幻の六人目が入ってきそうだな」

「しかもだ。その中の一人はネットアイドルっていう噂だ」

「お前はそういう情報をどこから仕入れて来るんだよ」

「情報元は内緒だ。深夜さん経由ってことだけ伝えておこう」

「あの人もあの人で謎だな」

「もしかしたら、その中の1人くらいは友人部に入るかもな」

「それはないだろ。うちの部は趣味の集まりだからな」

「陽向と柏木さん以外は違うじゃねーかよ」

「そう言われればそうだな……でもまぁそんなに美少女なら尚更友人部なんて入らねぇだろ。美少女って言っても3次元美少女だけどな」

美少女がアニメに興味あるなんてまずねぇからな。
俺理論だけど。

「現状でどれだけ美少女が集まってると思ってんだよ。あとな、気を付けろよ」

「何に?」

「部活連合男子隊にだよ」

「あー。冬のいざこざの」

「友人部は文化祭で目立ったからな。美少女が揃ってるって、それなのにあの男女比だ。ヤロー共が嫉妬しねぇわけがねぇ。冬のいざこざは真昼さんが納めてくれたが、次はそうはいかねぇぞ?」

「まぁ、あれも真昼さんが原因なんだけどな」

元々文化祭で知った男女比に対して嫉妬を抱いていてヤロー共が、真昼さんの校内アナウンスで「陽向さまー!今から部室行くねー!」というのをキッカケで起きたいざこざというか、戦争。
俺対部活連合男子隊による雪合戦。
高校生が本気で雪合戦をやるのはダメだと思った。

「あの時は、雪上に舞い降りた精霊と呼ばれた真昼さんが場を収めてくれたが、今度また新入生の美少女が入っても見ろ死ぬぞ」

「それだと俺、なんも悪いことしてねぇよな?」

「嫉妬は怖いってことだ」

3次元美少女相手に嫉妬するって俺には分からんな。
俺は知ってるぞ智和。
しれっと連合に混ざって俺に本気で雪玉を投げてたお前の姿をな!

「二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く