二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第71話 前夜祭

ついに文化祭を明日に迎えた今日、俺たちは部室で桃の帰還を待っていた。

「大丈夫……ですよね?」

心配そうな霧咲の声が漏れる。

「大丈夫。篠原ならきっとやってくれる」

心配する霧咲を励ますように柏木が声をかける。

「ようた……」

セラフィが俺を見つめる。

「心配するなあいつならきっとやってくれる」

俺は確信をもって皆を鼓舞する。

「ただいま戻りました」

そして、待ちに待った桃が帰ってきた。

「どうだった?」

みんなを代表して俺が結果を聞く。

俺が聞くと桃は少し俯いて、一気に顔を上げると

「やりましたよ陽向くん!お泊まり決定です!」

「まじか!」

「まじです!」

桃の結果を聞いた俺たちはそれぞれ顔を見合わせると

「「「「ヨッシャー!!!!」」」」

と叫んだ。

「最後はどうなるかと思いましたが、なんとか権利を取れました!」

「ふぅ。安心したぜ。さすが桃だな俺が行かなくてよかった」

「普通は部長が行くべきですからね?」

「わりぃわりぃ」

どうして俺達が心配して桃の帰りを待っていたのかと言うと、今日学校に泊まれるかどうかの権利を取れたかどうかが気になってたからだ。

今日は前夜祭で全生徒夜の8時まで学校に残ってどんちゃん騒ぎができるのだが、選ばれたクラス&部活はなんとそのまま学校に泊まれるという最高に楽しいイベントに参加できる。
どうして選ばれたクラス&部活だけかと言うと、警備その他もろもろ安全を考えた上で見切れる生徒数が限られるからだ。
そして、我が友人部代表の桃は見事その権利を勝ち取ったのである。

学校に泊まれるなんていうアニメでも最高に楽しいイベントに参加できるとは!しかしメンバーがなー智和を誘うべきだった。

「せっかく持ってきたパジャマが無駄にならなくて良かったです!あ、今日の下着は可愛いやつですよ!陽向さん!」

「その報告はなんでしたのかなー?霧咲ー?」

「わたくしも可愛いのを……あら?胸が……苦しい…?去年買ったばかりですのに!」

「おい!どうしてもう着てんだよ!まだ前夜祭すら始まってないぞ!?」

「経った1年でパジャマをダメにするなんて……私なんて胸の部分をダメにしたことすらないのに」

「なぁ瀬尾?」

「ん?どした?」

「女の子がパジャマって言うとなんかエロいな」

「そうか?つか、テンション上がってんのな」

珍しい。
あの柏木がテンション高いだなんて。
いつもはクールなのにな。
やっぱ学校に泊まるとなるとテンションも上がっちまうか。



「よっ陽向」
 
「おう智和」

「あれ?篠原さんたちは一緒じゃないのか?」

「なんか夜は長くなるからとか言って買い出しに行ったぞ」

「そうか」

「なぁやっぱ智和も泊まらないか?」

「さっきもLINEで言ったろ?俺にはあの空間で生きてける自信が無いって。明日からの文化祭の前に死ぬわけには行かねーんだよ」

「どんだけ明日にかけてんだよ」

そんなに桃たちのメイド服姿が良かったのか智和は。だったら今日も泊まればいいのに。パジャマ姿が拝めるぞ。3次元の女の子のパジャマ姿を見て何がいいのかは分からないが。 

「おっ始まるな」

「珍しく陽向が誘ってきたなと思ったらあれか。アニソンのコピーバンドが出るからなのな」

「当たり前だろ?アニソンたぞアニソン!まさか学校で堂々と聴ける日が来ようとは」

「とはいえ席は端っこなのな」

「ノリノリなのをクラスのやつらには見られたくないからな」

そして、アニソンコピーバンドの演奏が始まった。

流石というかなんと言うか。
一発目の曲はかの有名な神曲「God knows...」だった。
なにこれ?テンションガチ上がりなんですけど!
めっちゃギター上手くね!?
もう長〇だよ!長〇!
なんか深夜さまー!とかあちこちから聞こえるけど知らね!

「隣いいかしら?」 

俺がノリノリで曲を聞いていると声をかけられた。
肌が白くて銀髪の美少女に。

「あーいいですよ」

隣くらい別にいい。
それより歌だ!やべーまじでテンションあがるぅうう!!!

「やった……陽向さまの隣に……」

隣の銀髪美少女が何か言ったようだったが、演奏で聞こえなかった。つかやじでギターうめぇな。俺は絶対に出来っこないから尊敬する。



陽向に誘われて体育館に来たのはいいものの。
なんなんだ?この状況は!!

陽向は1人でテンションあげて盛り上がってるし、その隣の美人さんは陽向をうっとりとした表情で見てるしって!真昼さん!?真昼さんじゃねぇかよぉ!!!

なんでだ!?なんでなんだ!?どうして陽向を見てうっとりと……  

「おい智和!お前もテンション上げろって!」

「なぁ陽向。隣の人とはどういう関係なんだ?」

「あん?それよりほらテンションあげてこーぜ!空色デイズだぞ!デイズ!」

「お、おう」

よくは分からないが、陽向が無意識で引っ掛けてきたんだろうなとはすぐに理解できた。
とりあえず

「痛っ!おい踏むなよ!」

「わりぃ。手が滑った」

「足で踏まれてんるですけど!?」



起きて一番最初に思ったのは

「重い……」

だった。

目を開けると見慣れない天井。
部室の天井が目に映る。

「そうだ。泊まったんだった」

確か昨日は遅くまでどんちゃん騒ぎをして、最後にキャバの打ち合わせをして……霧咲が……うん。思い出すのはそよう。なんかとてつもなくいやな予感がするし。

それよりも

「誰かこいつらをどかしてくれ」

女の子4人が俺の身体の至る部分に乗っかていて重いったらありゃしない。それに、ところどころ柔らかいから気持ち悪くなってくるし。

んぅだのと気持ちよさそうに寝息をたててるから当分起きそうにないぞこれは。
もしかして誰かが起きるまでこのままの状態?

……ごめん智和。俺が死ぬ。

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