二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第42話 今はこれで

「で、この交代して祭りを回るってのは桃が最後でいいんだよな?」

柔らかな桃の太ももから起き上がり、髪を払いながら聞く。どうしてこう3次元の女の子というのは至るところが柔らかいんだ。
次元美少女こいつらでこんなに至るところが柔らかいのなら二次元美少女あいつらのふと……ふふふ太ももなんかに頭を乗せたら、俺は、俺は……!

どうなってしまうんだっ!

っとその前に、3次元の女の子に侵されないために除菌はしないとな。
桃とかやたらいい匂いがするから除菌が大変だぜ。
バサバサっと髪を払うだけじゃダメかもな。
A○フィールド常に張れる身体になって、侵蝕されないようになりたいな。

ダメよっ!陽向っ!このままじゃ人間に戻れなくなる!

それはダメだっ!俺が人間じゃなかったら二次元美少女あいつらに会えなくなるっ!そうしたら、俺は……!

いや、でも待て。待つんだ俺。
人間じゃなくて神になれるんならむしろその方がいいんじゃ…そうすればなんでもでき……はっ!俺は神になるっ! 

僕の将来の夢は神になることです!

「脳内でいろいろ考えてるところ申し訳ないんですけど、陽向くんは女の子のことをなんだとおもってるんですか?バイ菌だらけだと思ってるんですか?」

「そりゃお前、この空間に存在してる以上バイ菌もとい菌がない人間なんていないだろ?それに比べて二次元美少女あいつらは菌一つこびりついてない正真正銘穢れのない身体をしてるだろ?二次元美少女あいつらと触れ合える時になって菌だらけの俺なんかと」

「もう分かりましたよ。陽向くんの言いたいことは。3次元という理由でバイ菌扱いされる私ってなんなんでしょう?そりゃあ人間ですから菌の一つくらいあると思いますけど、ちゃんと毎日身体を洗ってますし、陽向くんのことを想っていろいろと努力を…」

なんかブツブツと言い出した桃は放っておこう。
それとな。3次元=バイ菌だなんて俺でも思ってないからな?
一応訂正しておこう。
ただ、二次元美少女と比べると滅茶苦茶菌が多いと思ってるだけであって。

「で、もう一度聞くが桃が最後でいいんだよな?」

俺の許可なく始まった交代して祭りを回るシステムだが、俺の知ってる限りだと桃で最後だろう。
逆に桃が最後じゃなかったらだれがくるのん!?ってなっちゃう。
よくここまで3次元の女の子と祭りを回ってきたと自分自身を褒めてあげたい。

「そうですよ!私で最後になりますね」

胸に手を当てながら自分が最後とアピールする桃。
残り物っていう感がハンパじゃないんですけど。

「何をいってるんですか?残り物には福があるっていうじゃないですか!」

「この場合、違うと思うんだけどな〜」

3次元の女の子の残り物に福もくそもないだろ。

「それとですね?最後ということでなんと!他のお2人とは違って持ち時間が長いんですよ!」

「は?」

「なんと1時間もありますよ陽向くん!」

「(´・ω・`)」

早速福がないんですけど。

「そんな顔しないで下さいよ。私を1時間好きにしていいってことなんですよ?」

最近霧咲ウイルスに侵されている桃は、言動が霧咲そのものになってきた。
しかし、1時間桃を好きにしていいのか……。
あんなこと(家に帰る)とか、こんなこと(家に帰る)とかしてもいいってことだよな!

「おっ。まじか。じゃあ俺をマイホームにかえ」

「んしょ」

してもらお

最後の方は声にならなかった。

「ぉおおおおう!?」 

左手が!左手が!
詳しくいうと左手の薬指がぁああ!

「どうしたんですか?陽向くん」

柔らかな微笑みを浮かべながら聞いてくる桃。
常人なら今の桃のことを天使の笑顔とでも言うんだろうが、俺には悪魔の微笑みにしか見えない。

「てめぇ……なにしやがる」

関節を外され、もし、暴力系ヒロインに関節を外されても治せるよう独学で学んでおいた処置方で関節を戻してから、関節を外してきた桃に聞く。

いいか桃?リアルじゃ暴力系ヒロインなんて流行らねーから。

「だってぇ、陽向くんが帰りたいって言うんでつい」

「ついで人の関節を外すんじゃねーよ!なんださっきの手際のよさわ!俺じゃなかったら大変なことになってるぞ!?」

俺みたいに関節を戻すスキルを持ってなかったら病院に行かないと行けないレベルになってるぞ。

「陽向くんなら何とかなるだろうと思ってやりましたよ?」

「その信頼はいらねー」

「ちなみに関節の外し方は柏木師匠と先生に霧咲さんと一緒に教えてもらいました」

「あの二人余計な真似を」

先生と不良の柏木なら関節の外し方なんて知ってるんだろうけど、教えるなよ!
なんで無駄にヒロイン属性つーかスキルを持たせるんだよ!



「じゃあ早速お祭りを回りましょう。時間は有限ですし」

「そうだな」

ここでうだうだやっててもしょうがない。
どうせ行くハメになるのなら腹を括ってさっさと終わらせよう。
拒否ったりなんだりしたら関節をまた外されかねないし。

「ヴぃしょっど」
ういしょっと

気絶していたせいか身体が重いし、だるい。
無理矢理起こそうと、少し声を出して力んだ。

『ヒィ!!』

「(´・ω・`)」

近くを通りかかった3次元の女の子に悲鳴を上げられた。

「俺がキモイからって悲鳴を上げなくてもいいだろ」

ついつい悪態をついてしまう。
これだから3次元は。二次元美少女あいつらなら俺がキモくても変わらない笑顔で接してくれるというのに。

「はは。気にしないでください陽向くん。まぁでも今のは陽向くんが悪いですけど」

「それはあれか?俺の顔がキモイのがいけないのか?」

なんなのこいつ?
俺をディスって楽しいの?
もう辞めてっ!俺のLIFEポイントはゼロよっ!

「違いますよ。陽向くんの顔はカッコイイですし、さっき女の子が悲鳴を上げたのは……言っても伝わらないでしょうから辞めときます」

「最後まで言えよ気になるだろうが」

「えとじゃあ、陽向くんはコワモテなんで」

「俺がコワモテ?何を言ってるんだ?柏木じゃああるまいし」

一善良なる国民の俺がコワモテ?ないない。
どっからどう見てもひ弱にしか見えねーだろうが。

「やっぱり言っても伝わらないですね」

「なんだその顔は」

まるで残念なものを見るような目を桃はしていた。



「ほらよ」

「なんですか?これは?」

俺の差し出した右手を桃は不思議そうに見ている。
その表情はなにこれ?って感じで差し出してる俺がなんとなく恥ずかしい。

「立ち上がる補助に決まってるだろ?察しろよ恥ずかしいじゃねーか」

「補助?」

「おい首をこてんと傾げるな。お前がそれやると、ほら見てみろ周りのリア充共(男)が彼女そっちのけでお前を見てるだろうが」

金髪碧眼の3次元美少女の桃はやっぱり他の奴らがみても美少女に映るんだろう。
そんな美少女の首かしげなんか見たらハートを撃ち抜かれても仕方ない。
俺が察知しただけで、彼女にビンタされたリア充男共が2桁はいるな。
ハハハっ!リア充は爆ぜろぉお!!

「まさか陽向くんがこんな気遣いをできるなんて」

「おいおい何を言ってるんだ?俺レベルになるといつでも二次元美少女あいつらとデート出来るようにあらゆるシュミレーションをやってるんだよ。だからこれくらい雑作もない」

「あーあれですか。あの毎晩考えてるあの」

「辞めて!無駄に納得しないで!なんか恥ずかしいから!」

結婚シュミレーションにデートシュミレーションを毎晩してるのをバレてるのはしょうがないが、納得されると恥ずかしい!

「じゃあお言葉に甘えて」

そう言うと、桃は自らの手を差し出し俺の手を掴んでくる。
俺も俺で桃の手を握り、自分の方へと引き寄せる。

「あ、ありがとうございます」

「おう。気にすんな」

若干頬を赤くしている桃。手を握るくらいで赤くなるとか桃は初心だな。

「なんでこっちを向かないんですか?」

「おう。気にすんな」



カランカランと、隣を歩く桃から下駄で地面を蹴る音がする。
履き慣れないのと、もともと早く歩くように出来きてない下駄のせいか桃の歩くスピードは遅い。

「無理しなくていいぞ。もともと慣れてないんだから。俺が桃に合わせればいいだけだし」

それなのに、桃はどうにかこうにか早く歩こうとしている。
無理なんてしなくていいのに。

「でもそれじゃあ時間がもったいないですし、陽向くんに悪いですよ」

「俺はいいって。つか、見てるこっちが嫌になるから無理するな」

しょうがない。
3次元の女の子にしたくはなかったが、この際仕方がない。
これ以上桃が無理して足を痛めてもなんだし、ここは俺が一肌脱ごう。

「ん」

桃に向かって、左腕を差し出す。
俺の行動に桃は戸惑っている。

「え?」

「嫌だろうが掴まるなりなんだりしろ。こうでしないと無理しそうだからな」

俺が左腕を差し出した理由。
それは、強制的に桃の歩くスピードを落とすためだ。
俺に掴まれば、嫌でも俺の歩くペースになる。
足痛められるよりはこっちの方が断然いい。

「陽向くんはつくづく私の心をくすぶって来ますね」

「なんか言ったか?」

「なんでもないです」

ちょこんと恐る恐るといったように、桃は俺の腕をつかんできた。

「以外だな。もっとがっつりと掴んでくるものだと思った」

最近の桃の言動、行動を考えれば、前を歩いているリア充バカップルのように抱きついてくる感じで来るものだと思ったが、意外にもそんなことはなかった。

「今はこれで。今はこれで充分ですよ」

何かを噛み締めるように桃は呟いた。

「それに」

「それに?」

「泣くのを我慢してる陽向くんを見たらこれ以上は」

「……そうか」

うっくっ。
ごめんな。ごめんな!二次元美少女おまえら
またしても3次元の女の子に腕をつかまれるっていう初めてを奪われた!

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