二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第53話 金色の死神

「しのちゃんパス!」

「はい!」

「決めちゃえ!しのちゃんー!」

「はい!任せてください!」

(えーと、左手は添えるだけでしたよね……?)

私の放ったボールは、綺麗な放物線をえがくように、するりとバスケットゴールに入りました。



バスケットボールの試合途中、休憩になったので休憩に入った私はお友達と通気口付近に集まり、涼を得ていました。

身体を動かすとやっぱり汗はかいてしまいますね。
スポーツでかく汗はいいものです。タオルを持ってきておいて正解でした。

「しのちゃんバスケ上手いね〜」

「昔やってたの?」

「いえ、本格的にはやってないですよ?体育でやるくらいです」

「えーそうなの!?」

「でもすごいね!体育でしかやってないのに体のキレなんてすごいし!」

「それは、無駄なものや育って欲しい物が身体についてないというかなんと言うか」

「「え?」」

「な、なんでもありません!」


はぁ……。
胸がないので身体が軽いなんて言えないですよ。

バスケは中学校の体育の授業でしかやったことがなかったですけど、意外と動けるものなんですね。

陽向くんに勧めてもらったロ〇きゅーぶ!を見たおかげでしょうか?
なぜだが陽向くんは小学生ではなく、中学生は最高だぜっ!と言っちゃってますけど。

それにしても、早く成長してくだいよ私の胸。
セラフィさんなんて。

ダムダムボインボインダムダムボインボインダムボインボイン……

どっちがボールか分かったもんじゃないですよっ!

「どうしたの?しのちゃん」

「親のかたきを見るみたいに」

「い、いえ。なんでもありません」

あれだけ胸が揺れていたら、さぞ肩に負担がかかるのでしょうね。
生まれてこの方肩こりになったことのない私の肩は健康ですね……味わってみたいものですね肩こり。

「セラフィさんもバスケ上手いよねー」

「ねー」

「そうですよねー」

あんな立派なものを持っているのに、どうしてあんな機敏な動きができるんでしょう?
でも、アニメに出てくる胸が大きな女の子もけっこう機敏な動きをしてまね。
大きな胸じゃないんで分からないですよ。
「ふ」の持ち主で悪かったですね!陽向くん!

「それにしても高校に入ったらあるとおもってたんだけどなー」

「何がですか?」

胸が急に大きくなる成長薬とかですか?

「覗きだよ。覗き」

「えー覗きー?」

「男子がさ。こう通気口からこそこそ覗く……みたいな」

「ないってー」

「やっぱないのかなー?ちょっと期待してたのに」

「なにそれ」

「ほら。ジロジロ見られるのはやだけどさ、なんかこそこそ見られるのだと私も捨てたもんじゃないんだなって」

「あーでもそれ分かるかも。ちょっ自信出ちゃうよね。自分の身体に」

「ね。しのちゃんはどう思う?」

「え?」

「覗きだよ。あると思ってた?」

「覗き……ですか」

考えたことも無かったですね。
覗きをするなんて漫画やアニメの世界の男の子だけだと思ってましたから。
でも、確かに高校生の今なら覗きくらいあるのかもしれないですね。

例えば陽向くんなら

は?覗き?はんっ!なんで3次元の女の子を見なきゃいけねーんだよ!
まったく、二次元美少女&3次元なら中学生は最高だぜっ!最高だぜっ!高だぜっ!だぜっ!だぜっ……ぜ……

……覗きなんて無いですね。
陽向くんを思い出すと少しイラッとしますね。
よくよく考えれば陽向くんが3次元の女の子を覗くために行動するとは思えませんし。

「私も覗きなんてないと思いますよ?」

陽向くんは。ですけど。

「えーしのちゃんもそう思うのー?」

「だから無いってー」

「そうですよ。高校生になった今だからこそ。そんな軽率な真似」

桃イヤーON!

「陽向さんこっちです!こっち!」

「腕を引っ張るなって霧咲」

「やべぇよ。超やべぇよ」

catch!陽向ボイス!

「ししし、しないですよ」

「どうしたのしのちゃん!?」

「汗がすごいよ!?」

「ななな、なんもありませんよ?」

何をやってるんですか!陽向くん!
と、霧咲さん!?
居ないと思ったら何をやってるんですか!
それに、陽向くんのお友達の関くんまで!

「ちょっとお手洗いに行ってきますね」

何はともあれ事情を聞き出さないとですね。

「りょーかーい」

「早く戻ってきてね。しのちゃん!しのちゃんが居ないと勝てないから」

「はい。なるべく早く戻ってきます」



霧咲に強引に第二体育館へと連れてこられた俺と智和は、霧咲の手引きのもと、用具室内の侵入に成功した。いや、してしまった。

うん!バレたらただじゃ済まないところだねっ!

「用具室に入らなくても別に通気口から覗くだけで良かったんじゃなかったのか?」

内心ハラハラしながら、めっちゃハラハラしながら霧咲に聞く。

「お!ついに陽向さんも女の子に興味を持ち始めましたね!」

「ちげーよ。こんなところに居るのをばれたら後々恐ろしいことになると思ってるから言ってんだよ」

俺がよく見るアニメとかだと、大抵隠れているのを女子にばれて、よくてフルボッコ。もしくは集団リンチをされてる。

俺はそんな主人公ご一行様みたいにはなりたくない。

「でも通気口からだと、よく女の子の身体が見えないじゃないですか?」

「ないですか?じゃねーよ。俺は別に3次元の女の子の身体なんぞを見たくはねーんだよ」

「見てください!陽向さん!あの子なんてどうですか!透けブラが最高ですよっ!?あれはみずた」

「皆まで言わなくていい!つか、なんでお前が一番興奮してるんだよ!」

あと、二つの脂肪があたってて気持ち悪いんだけど。
腕に抱きつかないでくれますかね?
これじゃ逃げれーねーし。

「だっていけない事してるみたいで楽しいじゃないですか!」

はは。霧咲はバカだなー。
確かに霧咲にとってはいけない事をしてるみたいだろうけど、俺と智和にとってはいけない事なんだよなー。よくて停学。悪くて先生のげんこつ&説教だろうなー。先生のげんこつなんか食らったら……考えるだけでも恐ろしい……!!

つか、さっきから智和がなんも喋ってねーな。
第二体育館に来るまではすげーテンション上がってマシンガントークを披露してたのに、第二体育館についた途端なんも喋んなくなったぞ?

「どうした?智和。お前が無口なんて珍しいな」

「いや、なんかいけない事をしてるみたいで心が痛い」

「気にするな智和。……もう既に俺たちはいけない事をしている」

「そ、そうか……」

なぜか、遠見目をして悟りを開いている智和がそこには居た。

「じゃあ女の子の身体を存分に見てもいいんだよな?もう、いけない事をしているわけだし」

「それはそれでおかしな理屈だと思うぞ?」

なんで智和は腹を括っているんだ?逆にカッコイイけど。

「この目に焼き付ける最後の後継は体育をしている女の子たちの風景かー。我が人生に一遍の悔いなしってやつだな」

と、思ったらただただ諦めていただけだった……だと!?

「おい。なんでもうバレてぼこられてげんこつ食らって奴隷にまで堕ちる未来を覚悟してんだよ!」

くそ!智和のやつ極度の緊張のあまり頭がポンコツになってやがる!
俺は嫌だぞ?!霧咲に強引に連れてこられたのにも関わらず、ここで人生を終了させるなんて!
だからいいか?智和。見なければ、見さえしなければまだセーフのはずだ。だから、生きてここを出よう。

くそっ!霧咲の提案なんかにのるんじゃなか……

「陽向くーん?何をやってるんですかー?」

戦慄、恐怖、怨念、その他もろもろ。
負のオーラを存分に纏った金色の死神が俺達の目の前に現れた。

金色の死神。桃はとてもいい笑顔で俺を見ていた。

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