スキルゲ
推理 ①
沢村さんはペンとメモ帳を取り出した。
そのまま「さて、じゃ説明するぜ」そう言って、ペンを走らせた。
速い。
定規もなしに正確な直線を書いていく。
1分にも足らない、僅かな時間。メモ帳に書かれていたのは「天使を敬う会」の地下室だった。
完全に間取りを頭に入れているのだろう。じゃないと、ここまで正確に書けるものではない。
いや、頭に入っていても、普通は書けるものじゃないけれども。
「さて、地下室でお前が北川と戦う前に、晴人は吹き飛ばされたわけだな」
沢村さんは、トントンとメモ帳を指で叩く。
そこに書かれていた場所は、確かに僕と北川幸二との戦闘が起こった場所だ。
沢村さんの指が動く。あの時、北川幸二に晴人が吹き飛ばされていった方向へ。
いや、吹き飛ばしたのは北川幸二の影武者か・・・・・・。
そこでハッと気がつく。
「気がついたみてぇだな。影武者はどこへ消えたのか。仮に発見された遺体が晴人本人じゃねぇとするなら・・・・・・コイツの遺体だろうな」
僕は思わず、椅子から立ち上がった。
何か、言葉にならない言葉を口にしようと試みようとしたが、沢村さんが手で制した。
「待てや兄ちゃん。兄ちゃんが考えてそうな話は、あれやろ?えっとやな。この北川の影武者だな。こいつがそういうスキルの持ち主で、晴人と入れ替わって死んだってストーリーなわけだろ?」
僕は、必至に頭を上下に振って肯定してみせた。
「このストーリーだと晴人はどこに行った?人を殺して逃げ出したってわけだよな」
「そ、それは・・・・・・」
確かに、遺体が何らかのスキルで入れ替わっているならば、その遺体を作ったのが死んだと思われる人物になる。つまり、晴人は人を殺したため良心の呵責から逃げ出してしまった。ということになってしまうのか?
いや、違う。違うはずだ。
「いや、ちょっと待ってください。他の可能性もありますよ」
僕の言葉に沢村さんは、「ほう」と小さく頷き、耳を傾けてきた。
「何者かによって晴人は連れさらわれた。そういう可能性はないですか?」
「可能性で言うなら、なんだって無限に可能性あるわな。じゃ、誰が?何のために?」
「それは・・・・・・」言葉が詰まる。ただの思いつき。それでは人は動かせない。
あらゆる可能性を頭に走らせる。それをどうにか理論へと変化させていくが、うまくいかない。
そのまま「さて、じゃ説明するぜ」そう言って、ペンを走らせた。
速い。
定規もなしに正確な直線を書いていく。
1分にも足らない、僅かな時間。メモ帳に書かれていたのは「天使を敬う会」の地下室だった。
完全に間取りを頭に入れているのだろう。じゃないと、ここまで正確に書けるものではない。
いや、頭に入っていても、普通は書けるものじゃないけれども。
「さて、地下室でお前が北川と戦う前に、晴人は吹き飛ばされたわけだな」
沢村さんは、トントンとメモ帳を指で叩く。
そこに書かれていた場所は、確かに僕と北川幸二との戦闘が起こった場所だ。
沢村さんの指が動く。あの時、北川幸二に晴人が吹き飛ばされていった方向へ。
いや、吹き飛ばしたのは北川幸二の影武者か・・・・・・。
そこでハッと気がつく。
「気がついたみてぇだな。影武者はどこへ消えたのか。仮に発見された遺体が晴人本人じゃねぇとするなら・・・・・・コイツの遺体だろうな」
僕は思わず、椅子から立ち上がった。
何か、言葉にならない言葉を口にしようと試みようとしたが、沢村さんが手で制した。
「待てや兄ちゃん。兄ちゃんが考えてそうな話は、あれやろ?えっとやな。この北川の影武者だな。こいつがそういうスキルの持ち主で、晴人と入れ替わって死んだってストーリーなわけだろ?」
僕は、必至に頭を上下に振って肯定してみせた。
「このストーリーだと晴人はどこに行った?人を殺して逃げ出したってわけだよな」
「そ、それは・・・・・・」
確かに、遺体が何らかのスキルで入れ替わっているならば、その遺体を作ったのが死んだと思われる人物になる。つまり、晴人は人を殺したため良心の呵責から逃げ出してしまった。ということになってしまうのか?
いや、違う。違うはずだ。
「いや、ちょっと待ってください。他の可能性もありますよ」
僕の言葉に沢村さんは、「ほう」と小さく頷き、耳を傾けてきた。
「何者かによって晴人は連れさらわれた。そういう可能性はないですか?」
「可能性で言うなら、なんだって無限に可能性あるわな。じゃ、誰が?何のために?」
「それは・・・・・・」言葉が詰まる。ただの思いつき。それでは人は動かせない。
あらゆる可能性を頭に走らせる。それをどうにか理論へと変化させていくが、うまくいかない。
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