スキルゲ

チョーカー

新スキル発動

 「あ・・・・・・あれ?」

 起床した僕は何が起こったのか理解できずフリーズした。
 開かれたままのウインドウ。消費させているポイント。
 どうやら、ウインドウを開いたまま寝てしまい、その拍子にスキルにポイントを振ってしまったようだ。

 「やっちまった・・・・・・」

 しばらく呆然とするしかなかった。 
 運を天に任せてぶっぱするなんてレベルじゃない。
 限りあるポイントを、前後不覚後で使ってしまうなんて、前代未聞のできごとだろう。
 ん?あれ? レベルの上限っていくらなんだ?
 自分で限りあるなんて言ってみたものの、レベルの上限を知らないということに愕然とする。
 いろんな年齢のスキル使いにあったが、レベル99以上に会ったことがない。
 でも、レベル90前後はゴロゴロといる。
 それこそ、アキラなんて僕よりも年下に見えるけど、レベル92なわけだし・・・・・・
 おかしいな。レベル99になった人がいないわけでもあるまし・・・・・・
 僕は奇妙な違和感に囚われた。
 今、そんな事を考える場合じゃないか。湧き出た疑問を後回しにして、今の問題に立ち向かおう。
 問題は、振ってしまったスキルが何なのか?
 武器系スキルではないのは、スキルのアイコンでわかる。
 悩むより、使ってみたら一発で確認はできるのだろうが、何が起こるかわからないスキルを使うのは流石に躊躇してしまう。
 散々、悩んだものの、使用しないとわからないと結論に至った。
 僕はテントの外にでて、周囲に障害物がない場所へ移動する。

「さて、鬼が出るか蛇が出るか」

 独り言で声が弾んでる辺り、少し期待してる自分に気づく。
 一度、深呼吸をして心を落ち着かせる。
 そして、ウインドウを開く。 通常、獲得したスキルは、自分の意思で自由に発動できるが、ウインドウのアイコンをクリックすることでも発動する。
 獲得したばかりのスキルをイメージ通りに使えるはずもないので、これは救済処置なのかもしれない。まぁ、このスキルやモンスターというシステムを作った存在があればの話だが・・・・・・

 僕は、目をつぶりスキルのアイコンをクリックする。
 今後の展開を考えると戦闘用のスキルなら当たりなんだが、果たして結果は?

 そして、目を開いた僕が見たものは

 広がる空間。足元に見える町並み。周囲には雲。
 飛行していた。

 王越賢志 飛行スキル レベル10獲得
 

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