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アキラVSドラゴン その2

 アキラは一瞬で間合いを詰めた。
 ドラゴンは戦闘不能にこそなってはいない。だが、そのダメージを大きさは見て分かる。
 もし、至近距離であの閃光は放てば、その威力ゆえに自分で自分の止めを刺すことになりかねない。
 しかし、ドラゴンの攻撃方法は閃光だけではなかった。
 前足?それとも前腕? どう言えば正解なのか?
 わからないがドラゴンはそれを振り回す。
 ドラゴンは巨大な鉤爪を持って、アキラを向かい打つ。
 その攻撃スピードは巨体に似合わず速い。攻撃の初動作なく、タイミングも読めない。
 アキラは辛うじて、避けているように見える。
 避ける。避ける。避ける。
 華麗に避けているとは言い難いが、それでもノーダメージで立ち回っている。
 しかし、アキラのスピードは僕のスキルを持って互角か。あるいはそれ以上。
 どうやれば、あのスピードを出せるのか? まさか、たまたま僕を同じスキルを持っているということはないだろう。そもそも、僕のスキルじゃ、自身の反応速度を超えた動きは不可能だ。
 そのために事前に動作のイメージが必要なスキルなのだ。
 僕とは違うスキルでありながら、スピードを強化するスキル?
 いろいろと思考を巡らしても答えは出てこない。

 アキラとドラゴンの戦闘はまだまだ続いている。
 アキラは、ギリギリで鉤爪を躱し続け、ドラゴンの周囲をまとわりついている。
 一体、どのくらい続くのか? おそらく、ドラゴン生命力は、アキラの一刀で大幅に削られているはずだ。 あと一撃を当てれば、ドラゴンは倒れるだろう。
 しかし、その一撃が遠い。 それに一撃を受けて危険なのはアキラも同じだ。
 およそ、考えられる武器強化のスキルにポイントをつぎ込んだ大剣。
 そして、その大剣を操るために、何らかのスキルを使い、人間の反応速度を超えた動きを実現にしているのだろう。
 そんなポイントの使い方をしているのだ。
 防御スキルもないだろうし、耐久力が上方するようなスキルを保有しているわけはないだろう。
 ならば、この戦い。防御一辺倒のアキラが不利だ。
 ほんの少しのミスで攻撃を避けられなくなる事がいつかくる。
 この膠着状態が長引けば、長引くほど、攻撃を受ける可能性が高くなる。
 そして、それは今だった。ついにアキラは鉤爪の一撃に捕まったのだ。
 一瞬の事だったため、大剣で防御ができたのかどうか、目で確認できなかった。
 弾き飛ばされて、ドラゴンと距離が開いたものの、何とか着地したあたり、ダメージを受けた様子はない。おそらくは防御が間に合ったのだろう。
 しかし、地面に着地したアキラは明らかにバランスを崩していて、片膝を地面についている状態になってしまっている。
 バランスを崩し、回避運動をままならぬ状態。
 それに対してドラゴンは再びアギトを開く。
 そして、死を運ぶ閃光。
 一撃ではない。ここぞとばかりに、連続で発射される。
 そしてそれは、さっきのように大剣で弾いた様子も見えなくて・・・・・・
 

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