スキルゲ
山篭り
僕は1人で山を登っていた。
この街で一番、険しくて人が立ち寄りそうにない山を選んで登っている。
本陣から帰宅後、家の物置に眠っていたテントを引っ張り出した。
次に近所のスーパーに向かい、保存食になるような食べ物を買いあさる。
水も忘れてはいけない。2リットルのミネラルウォーターを5本。
準備が済み次第、荷物をまとめて山へ向かった。
荷物の重さは、単純に水だけで10キロになる。
合計ならいくらだろうか?おそらく20キロには足りない程度だろうか?
そんな、大荷物を背に山登り。
到底、整理された山道など望める訳もなく、暗闇の中、頭につけたヘッドランプの明かりだけを頼りに道なき、道を登って行く。
その理由は何か?
簡単だ。短時間でレベルを上げるための山篭りだ。
街には、ハイレベルのモンスターは現れにくい。
現れたら、現れたで、ハイレベルのスキル使いが直ぐに聞きつけて討伐を開始する。
では、街のボスクラスのモンスターが現れたらどうなるか?
少し前に、この街でもボスクラスのモンスターが出現したが、スキル使い達の反応は、まるでお祭り騒ぎのようだった。
大多数でチームを組み、いくつもチームが我先にボスへと挑んで行くのだ。
ほとんど、半日も持たずにボスは討伐されるのだ。
逆に言えば、街は安全地帯なのだ。
強いモンスターは淘汰され、弱いモンスターのみが生き残る。
弱肉強食ではなく、強肉弱食の世界。
なら、強いモンスターと戦うためにはどこに行けばいいのか?
普段から人のいない場所なら、強いモンスターが自然のまま生きているのだ。
つまり、山。
山篭りこそが、短時間でのレベルアップに最適なのだ。
北川幸二の本拠地、『天使館』
3日後にそこへと向かう事になっている。
本来なら、本陣の関係者と言い難い僕や晴人は同行できないのだろうが、北川幸二の目的に僕とエルが深く関わっているために同行を許された。
目的は戦闘ではなく、交渉がメイン。
だが、おそらくは戦闘になるだろう。
北川幸二と対立したとき、少しでも勝てる要因を増やすため、山篭りを決意したのだ。
今日は金曜日。 明日、明後日は土日で休みだ。
つまりは、学校などを気兼ねすることなく、僕は戦い続けれるということだ。
取り敢えず、僕は山頂を目指している。強いモンスターを戦えればいいので、山頂を目指す理由は特に理由はない。ただ、山で修行をするなら山頂付近にテントは張って、そこを本拠地にすればいい。
なんとなく、そう漠然と考えていたのだ。
日々の実戦で鍛えられているとは言え、山登りの経験は数少ない。
既に顎が上がり、息切れが起きている。
移動スキルを使えば山頂まで、短時間で登れるだろう。
しかし、短期間とは言え生活する場所。最低限の地理を頭に叩き込もうした結果なのだ。
まぁ、夜の山道を高速移動すると、どんな危険があるかわからないって言うのが本当の理由だったりする。
実際に登ってみて、危険性を肌で感じられる。
既に結界の中。いつ、どんなモンスターが潜んでいるかわからない状況。
神経を研ぎ澄まさせ、微かな物音や臭いを頼りに山道から離れる。
道は完全にない。頭のライトを消し、ゆっくりと歩く。
いる。
動く巨体が3つ。
暗闇の中、浮かぶシルエットから推測できる。
あれは、たぶんオークだ。
この街で一番、険しくて人が立ち寄りそうにない山を選んで登っている。
本陣から帰宅後、家の物置に眠っていたテントを引っ張り出した。
次に近所のスーパーに向かい、保存食になるような食べ物を買いあさる。
水も忘れてはいけない。2リットルのミネラルウォーターを5本。
準備が済み次第、荷物をまとめて山へ向かった。
荷物の重さは、単純に水だけで10キロになる。
合計ならいくらだろうか?おそらく20キロには足りない程度だろうか?
そんな、大荷物を背に山登り。
到底、整理された山道など望める訳もなく、暗闇の中、頭につけたヘッドランプの明かりだけを頼りに道なき、道を登って行く。
その理由は何か?
簡単だ。短時間でレベルを上げるための山篭りだ。
街には、ハイレベルのモンスターは現れにくい。
現れたら、現れたで、ハイレベルのスキル使いが直ぐに聞きつけて討伐を開始する。
では、街のボスクラスのモンスターが現れたらどうなるか?
少し前に、この街でもボスクラスのモンスターが出現したが、スキル使い達の反応は、まるでお祭り騒ぎのようだった。
大多数でチームを組み、いくつもチームが我先にボスへと挑んで行くのだ。
ほとんど、半日も持たずにボスは討伐されるのだ。
逆に言えば、街は安全地帯なのだ。
強いモンスターは淘汰され、弱いモンスターのみが生き残る。
弱肉強食ではなく、強肉弱食の世界。
なら、強いモンスターと戦うためにはどこに行けばいいのか?
普段から人のいない場所なら、強いモンスターが自然のまま生きているのだ。
つまり、山。
山篭りこそが、短時間でのレベルアップに最適なのだ。
北川幸二の本拠地、『天使館』
3日後にそこへと向かう事になっている。
本来なら、本陣の関係者と言い難い僕や晴人は同行できないのだろうが、北川幸二の目的に僕とエルが深く関わっているために同行を許された。
目的は戦闘ではなく、交渉がメイン。
だが、おそらくは戦闘になるだろう。
北川幸二と対立したとき、少しでも勝てる要因を増やすため、山篭りを決意したのだ。
今日は金曜日。 明日、明後日は土日で休みだ。
つまりは、学校などを気兼ねすることなく、僕は戦い続けれるということだ。
取り敢えず、僕は山頂を目指している。強いモンスターを戦えればいいので、山頂を目指す理由は特に理由はない。ただ、山で修行をするなら山頂付近にテントは張って、そこを本拠地にすればいい。
なんとなく、そう漠然と考えていたのだ。
日々の実戦で鍛えられているとは言え、山登りの経験は数少ない。
既に顎が上がり、息切れが起きている。
移動スキルを使えば山頂まで、短時間で登れるだろう。
しかし、短期間とは言え生活する場所。最低限の地理を頭に叩き込もうした結果なのだ。
まぁ、夜の山道を高速移動すると、どんな危険があるかわからないって言うのが本当の理由だったりする。
実際に登ってみて、危険性を肌で感じられる。
既に結界の中。いつ、どんなモンスターが潜んでいるかわからない状況。
神経を研ぎ澄まさせ、微かな物音や臭いを頼りに山道から離れる。
道は完全にない。頭のライトを消し、ゆっくりと歩く。
いる。
動く巨体が3つ。
暗闇の中、浮かぶシルエットから推測できる。
あれは、たぶんオークだ。
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