スキルゲ
今日もまた、本陣へ
「お前、馬鹿か?未成年が結婚できるわけないやろ」
いきなりの罵倒だった。
「いきなり身も蓋もない事を言うなぁ。でも、確か親の許可があれば結婚できるんじゃなかったけ?」
「いや、それは結婚できる年齢になって未成年の話やで?」
「へぇ~」と自然に声がでた。確かに落ち着いて考えてみるとごもっともな意見だった。
自分の中に焦りみたいなものがあって冷静さが失われているのだろうか?
「確かに艶子さんは、お前の事になると冷静さを欠くって感じやったからな。初対面の時からそうだったやん。
でも、この流れやったら婚約の方向に行くんやないか?そもそも、お前って艶子さんと結婚すんのは嫌なんか?」
「いや、別に嫌じゃないよ。ただ、実感がわかないんだよ。僕は本当に艶子さんが好きなのかってね」
「要するにマリッジブルーやな。まぁ、モラトリアムを大いに楽しめや、若人」
マリッジブルーか。
昨日からのモヤモヤを言葉に変換すると心に落ち着きを取り戻せていた。
そんな気がする。
そんなこんなで、帰宅の途へ。
艶子さんがい言っていた通りに護衛らしき人間が見える。
全員が只者ではない身のこなしでありながら、自然と周囲に溶け込んでいる。
本当に精鋭揃いらしく、申し訳ない気分になっていた。
家に帰ると親には根掘り葉掘り聞かれた。そして、全てを綺麗に誤魔化した。
なんだか、そういう部分が上達してきている気がする。
再び晴人と合流、本陣へと向かう。
「ん?なんかあるんか?挙動がおかしなっとるで?」
「昨日、1日でいろいろな事がありすぎたから、その衝動なのか、何もないという現状に油断ができなくなってる僕がいるんだよ」
「嗚呼、そりゃ難儀やな」
結局、何事もなく廃工場跡地に到着した。
中に入ると、昨日の襲撃の痕跡が生々しく残っている。
それを大人数で掃除していた。
そう言えば、昨日の襲撃者達ってどうなるんだろう?
まさか、警察に突き出すわけにもいかないだろう。かと言って何もなしで解放するわけにもいかないだろう。
少なくとも、何らかのペナルティは受けることになるんだろうなぁ。
そんな事を考えている内に艶子さんの部屋についた。
昨日と比べると気分は落ち着いている。だけれども、躊躇してしまう。
二の足を踏んでる僕をどかして、晴人がドアを開けて入ってしまったので、僕もそれに続く形になった。
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