スキルゲ
VSラプラスの魔物 決着
ラプラスの魔物は不思議そうな顔をしている。
いや、本当に顔があるわけではないが、僕たちが返答しないことに不思議そうな仕草をしている。
『なぜ、答えぬか?人間共よ』
僕らは何も答えない。
僕らのプランは、始めの一手がすべてを決める。
その初動作をどのタイミングで開始するか、相談してなかった。
その為、ラプラスの魔物が時間を飛ばす、直前にタイミングを合わせるようと意識を集中しているのだ。
『答えぬか。ならば良し』
ラプラスの魔物の周囲が歪んでいく。
宇宙の誕生と同時に未来を理解する魔物。
それは、全知全能の神のような存在。その力を発揮するため、膨大な力が必要なのだろう。
それが結果として、周囲の空間が歪ませている。
ならば、タイミングはわかりやすい。
「晴人、このタイミングだ」
僕の叫びが届くより、晴人の行動は早かった。
地面から、黒い炎が生まれ僕らを包み込む。
晴人の結界だ。周囲に壁を作って、モンスターの侵入を拒むものだ。
だが、今回の目的はそれではない。
ラプラスの魔物と僕らの間にブラインドを作るのが目的だ。
『未来が・・・・・・ 消えた?』
ラプラスの魔物の声が聞こえた。
シュレーディンガーのネコ。
最近、漫画やアニメなどでも使われ、一度くらいは聞いたことがあるかもしれない。
放射線が含まれる鉱石、放射線検出器、放射線検出器を連動して動くハンマー、毒の入ったビン、そしてネコ。
メンドくさい仕掛けと共にネコを箱にいる。この時、観測者が確認するまで、ネコが生きてる世界とネコが死んでる世界が存在することになる。この二つの異なる世界が同時に共有されてるという理論。
本当は、箱を開けるまでもなくネコは死んでるという事を証明しようとした実験なのだが、シュレーディンガーさんの考えとは真逆に広がってしまった理論である。
僕はこれを利用した。
あらゆる世界が共有されてしまう箱の中で、未来を見る事はできないのだ。
さて、どうでるか?ラプラスの魔物よ。
ラプラスの魔物は何もしてこない。 おそらく、あらゆる攻撃を試してるのだろう。
だが、無駄だ。
それを理解したのだろうか? ラプラスの魔物はシンプルな攻撃に出た。
黒き炎、結界への直接的な体当たり。
大きな地響きが起きる。振動が地面から感じられる。
しかし、僕らも防戦一方というわけではない。
結界の横からラプラスの魔物を迂回するように加藤が外に飛び出した。
タイミングをわずかにずらして、僕も移動スキルを利用して上に飛び上がる。
僕に反応しても、加藤に反応しても視界のブラインドができてしまう。そういう状況を作って攻撃するのだ。
一瞬、黒い光が走る。空中に飛び上がったまま、全身に痛みが走って理解する。攻撃されたのは僕だ。
だが、加藤の一太刀がラプラスの魔物に通り、黒く分厚い腕が宙に舞う。
ラプラスの魔物のうめき声が聞こえる。今までの頭に直接語りかけてくる声ではなく、口から発せられる生声を初めてきいた。
ラプラスの魔物は加藤の方向に向く。次の瞬間には加藤が吹き飛ぶ。
しかし、それもブラインドになる。空中から落下中の僕には、晴人の攻撃がよく見えていた。
巨大な黒炎の固まりと化した晴人がラプラスの魔物と正面衝突をする。
『おのれ、おのれ、人間が、またしても我を否定するかッ!』
ラプラスの魔物とは、全ての現象を事前に計算することによって未来を予言する生物。
だが、物理的に運動方向の計算が不可能な物体の出現によって、その存在を封じられた。
その断末魔を聞きながら、僕はこの世界について考えていた。
いや、本当に顔があるわけではないが、僕たちが返答しないことに不思議そうな仕草をしている。
『なぜ、答えぬか?人間共よ』
僕らは何も答えない。
僕らのプランは、始めの一手がすべてを決める。
その初動作をどのタイミングで開始するか、相談してなかった。
その為、ラプラスの魔物が時間を飛ばす、直前にタイミングを合わせるようと意識を集中しているのだ。
『答えぬか。ならば良し』
ラプラスの魔物の周囲が歪んでいく。
宇宙の誕生と同時に未来を理解する魔物。
それは、全知全能の神のような存在。その力を発揮するため、膨大な力が必要なのだろう。
それが結果として、周囲の空間が歪ませている。
ならば、タイミングはわかりやすい。
「晴人、このタイミングだ」
僕の叫びが届くより、晴人の行動は早かった。
地面から、黒い炎が生まれ僕らを包み込む。
晴人の結界だ。周囲に壁を作って、モンスターの侵入を拒むものだ。
だが、今回の目的はそれではない。
ラプラスの魔物と僕らの間にブラインドを作るのが目的だ。
『未来が・・・・・・ 消えた?』
ラプラスの魔物の声が聞こえた。
シュレーディンガーのネコ。
最近、漫画やアニメなどでも使われ、一度くらいは聞いたことがあるかもしれない。
放射線が含まれる鉱石、放射線検出器、放射線検出器を連動して動くハンマー、毒の入ったビン、そしてネコ。
メンドくさい仕掛けと共にネコを箱にいる。この時、観測者が確認するまで、ネコが生きてる世界とネコが死んでる世界が存在することになる。この二つの異なる世界が同時に共有されてるという理論。
本当は、箱を開けるまでもなくネコは死んでるという事を証明しようとした実験なのだが、シュレーディンガーさんの考えとは真逆に広がってしまった理論である。
僕はこれを利用した。
あらゆる世界が共有されてしまう箱の中で、未来を見る事はできないのだ。
さて、どうでるか?ラプラスの魔物よ。
ラプラスの魔物は何もしてこない。 おそらく、あらゆる攻撃を試してるのだろう。
だが、無駄だ。
それを理解したのだろうか? ラプラスの魔物はシンプルな攻撃に出た。
黒き炎、結界への直接的な体当たり。
大きな地響きが起きる。振動が地面から感じられる。
しかし、僕らも防戦一方というわけではない。
結界の横からラプラスの魔物を迂回するように加藤が外に飛び出した。
タイミングをわずかにずらして、僕も移動スキルを利用して上に飛び上がる。
僕に反応しても、加藤に反応しても視界のブラインドができてしまう。そういう状況を作って攻撃するのだ。
一瞬、黒い光が走る。空中に飛び上がったまま、全身に痛みが走って理解する。攻撃されたのは僕だ。
だが、加藤の一太刀がラプラスの魔物に通り、黒く分厚い腕が宙に舞う。
ラプラスの魔物のうめき声が聞こえる。今までの頭に直接語りかけてくる声ではなく、口から発せられる生声を初めてきいた。
ラプラスの魔物は加藤の方向に向く。次の瞬間には加藤が吹き飛ぶ。
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だが、物理的に運動方向の計算が不可能な物体の出現によって、その存在を封じられた。
その断末魔を聞きながら、僕はこの世界について考えていた。
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