スキルゲ
海だ!
青い空、白い雲。そして、遥か彼方に見える地平線。
「せ~の 海だ!」
「何、叫んでるんだ?1人で?」
沢村さんの冷たいツッコミを受けた。
「いや、お約束なんで・・・・・・」と答えながらキョロキョロを風景を眺める。中々の絶景だ。
いつの間にか、晴人と加藤は離れて周囲を歩き回っている。相変わらず協調性のない連中だな。
昨日の沢村さんの電話は、仮面の男 西田健一の足取りについてだった。
それと本陣が公開した新情報。その新情報は、今までの考え方を改めなければいけないものだった。
周囲の建物ごと瞬間移動。ならば、移動先に痕跡が残るはず。
そこからたどって行けば・・・・・・それが僕の提案だった。
でも、その提案ではダメだったのだ。
前にも言ったが、結界は一種のパラレルワールドだ。
西田健一はあいちゃんを連れている。つまり、日常的に結界内にいることになる。
無論、瞬間移動のスキルを使用した時も結界の中にいたはずだ。
では、結界内での痕跡は、結界が解かれた時に実世界に反映されるか?
答えはNOである。 結界内で破壊されたものが実世界で破壊されてるわけではない。
では、結界側で壊れた物は壊れたままなのか?
これも答えはNOだ。
結界内で破壊されたものは、時間とともに元に戻ろうとする動きが確認されている。
これらの事がわかったのは、ここ数日の事だったらしい。
今まで持論を述べる者は多くいたらしいが、それらを証明したものはいなかった。
だが、皮肉なことに艶子さんがモンスター化したことにより、結界に対する知識が爆発的に増えたことでわかったそうだ。
つまり、いくら探しても移動の痕跡を見つけるのは不可能だったのだ。
しかし、実際に移動の痕跡が発見されている。これはどういうことだろうか?
考えてみると、結界内で出来事が実世界に反映されないなら、実世界側の屋敷も内部が移動してるのはおかしいのだ。
なぜ、こんな変なことになっているのか?
僕は、屋敷で西田健一と話した日のことを何度も思い出そうとした。
そして、あいちゃんは、西田健一の部屋まで僕を案内すると部屋から出て行ったことを思い出した。
普段なら結界の有無は感覚でわかる。逆に言うと結界を認識するには、感覚という不確かなものに頼ってるということになる。
あの時、僕は何度も感情を揺さぶられてる。正確に結界を認識できていたのだろうか?
『無論、瞬間移動のスキルを使用した時も結界の中にいたはずだ』
この前提が間違っているのではないだろうか?
もしかしたら、あいちゃんは屋敷にいなかったのではないか?
いくら、周囲を人が囲んでいたと言え、彼女は吸血鬼。
姿をコウモリに変えて、裏の崖を飛んで行けば誰にも見つからない。
それが正しいのならば、新しい疑問が生まれる。
なぜ、あいちゃんは西田健一の元から離れたのか?
沢村さんは移動の痕跡を調べ、いくつか足取りを推測している。
しかし、どれも決定打には足りていなかった。
僕は地図を睨みながら、ラインを引いていった。
そのうちの1つ。気になるラインがあった。
吸血鬼の弱点と言えば何を連想するか?
大抵は十字架やニンニクだろう。 だが、マイナーな弱点として水というのもある。
吸血鬼は川や海を越えられないのだ。
そう・・・・・・。
海だ!
「せ~の 海だ!」
「何、叫んでるんだ?1人で?」
沢村さんの冷たいツッコミを受けた。
「いや、お約束なんで・・・・・・」と答えながらキョロキョロを風景を眺める。中々の絶景だ。
いつの間にか、晴人と加藤は離れて周囲を歩き回っている。相変わらず協調性のない連中だな。
昨日の沢村さんの電話は、仮面の男 西田健一の足取りについてだった。
それと本陣が公開した新情報。その新情報は、今までの考え方を改めなければいけないものだった。
周囲の建物ごと瞬間移動。ならば、移動先に痕跡が残るはず。
そこからたどって行けば・・・・・・それが僕の提案だった。
でも、その提案ではダメだったのだ。
前にも言ったが、結界は一種のパラレルワールドだ。
西田健一はあいちゃんを連れている。つまり、日常的に結界内にいることになる。
無論、瞬間移動のスキルを使用した時も結界の中にいたはずだ。
では、結界内での痕跡は、結界が解かれた時に実世界に反映されるか?
答えはNOである。 結界内で破壊されたものが実世界で破壊されてるわけではない。
では、結界側で壊れた物は壊れたままなのか?
これも答えはNOだ。
結界内で破壊されたものは、時間とともに元に戻ろうとする動きが確認されている。
これらの事がわかったのは、ここ数日の事だったらしい。
今まで持論を述べる者は多くいたらしいが、それらを証明したものはいなかった。
だが、皮肉なことに艶子さんがモンスター化したことにより、結界に対する知識が爆発的に増えたことでわかったそうだ。
つまり、いくら探しても移動の痕跡を見つけるのは不可能だったのだ。
しかし、実際に移動の痕跡が発見されている。これはどういうことだろうか?
考えてみると、結界内で出来事が実世界に反映されないなら、実世界側の屋敷も内部が移動してるのはおかしいのだ。
なぜ、こんな変なことになっているのか?
僕は、屋敷で西田健一と話した日のことを何度も思い出そうとした。
そして、あいちゃんは、西田健一の部屋まで僕を案内すると部屋から出て行ったことを思い出した。
普段なら結界の有無は感覚でわかる。逆に言うと結界を認識するには、感覚という不確かなものに頼ってるということになる。
あの時、僕は何度も感情を揺さぶられてる。正確に結界を認識できていたのだろうか?
『無論、瞬間移動のスキルを使用した時も結界の中にいたはずだ』
この前提が間違っているのではないだろうか?
もしかしたら、あいちゃんは屋敷にいなかったのではないか?
いくら、周囲を人が囲んでいたと言え、彼女は吸血鬼。
姿をコウモリに変えて、裏の崖を飛んで行けば誰にも見つからない。
それが正しいのならば、新しい疑問が生まれる。
なぜ、あいちゃんは西田健一の元から離れたのか?
沢村さんは移動の痕跡を調べ、いくつか足取りを推測している。
しかし、どれも決定打には足りていなかった。
僕は地図を睨みながら、ラインを引いていった。
そのうちの1つ。気になるラインがあった。
吸血鬼の弱点と言えば何を連想するか?
大抵は十字架やニンニクだろう。 だが、マイナーな弱点として水というのもある。
吸血鬼は川や海を越えられないのだ。
そう・・・・・・。
海だ!
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