スキルゲ
あの日の夜 1
まるで人がいなかったはずの校舎には、いつの間にか部活中の生徒や下校中の生徒の姿が戻っている。
僕らの様子を不思議そうな顔で追い越していく。
「初めての戦いにしちゃよかったで。まさか腰を抜かして歩けへんなるのは想定外やったけど」
晴人は、腰が砕けた僕をカラカラ笑う。 僕は晴人の肩を借り、とりあえず学校から離れることにした。
「・・・」
「・・・」
「あれ?どこに向かってるんだ?これ?」
僕としては家に直行してベットで休みたいんだが、肩を貸してる晴人にイニシアチブ(主導権)を握られて、どこか知らない道を歩いてる。
「俺の家や。言わんかったけ? 昨日、今日の説明するのにファーストフードとかあかんやろ」
「そりゃ、そうだけど。家の人とか大丈夫なのかい?」
「大丈夫。大丈夫。俺、一人暮らしやし」
へぇ~ と素直に声にでた。 高校生で一人暮らしは中々、珍しいのではないのだろうか。
歩いて数分。ずいぶん学校に近い場所に家があった。
家。
滝川晴人が住んでる場所はマンションではなかった。
一軒家。 大きな門が出迎え、外からでも立派な日本庭園らしきものが見える。
「ここで一人で暮らしてるのか!?」
「せやで?この街に来る時に買ったんや。流石に高かったけどな」
「ん?そのニュアンスだと、親の金じゃなくて自腹で購入したみたいに聞こえたんけど?」
「俺らみたいなのは、命懸けで戦う分、いろいろと金儲けの方法もあるんやで。俺なんて親から自立してるしな」
そう言って晴人は家に入って行き、遅れて僕も中に入った。
僕は応接間に通され、しばらく一人で待っているとお茶と茶菓子を準備した晴人が帰ってきた。
「お客さまが下座に座ったらあかんで、遠慮せんと奥の席に座りや」
見た目に反して細かい事に厳しいようだった。 上座、下座を気にする高校生って初めてみるのだが。
「さて、どこから説明したらいいものか」
お茶と茶菓子を並べ終えた晴人は頭を捻り、椅子にも座らずに考え込んでいた。
「とりあえず、あのスライムって呼んでたモンスターって何か説明してくれよ」
「勘違いしてもらっても困るが、俺だって何でも知ってるわけやない。むしろ、わからないことの方が多すぎるくらいや。だから、わかる範囲で説明しようとしとるんや」
「でも、まったく謎の生物ってわけじゃないだろ?」
「まったく謎の生物やな。当たり前や、俺らは生物学者ちゃうんやで。調べようがない」
「じゃ、なんの説明するために呼んだんだよ?」
「安心しいや。謎の生物言っても、わかってる事が0ちゅうわけでもない。それを説明しちゃるわ」
そう言うと、ようやく椅子に座り、足を組んだ。
「わかりやすく言うと、俺らは、あのモンスターに襲われる存在になってしもうとるんや」
「襲われる存在?そう言えば、一生襲ってくるとか言ってたな」
僕は、さっきの出来事を思い出していた。
「そうや。あいつ等が現れる前、急に人がいなくなったやろ?」
そう。下校中の学校内のはずが気がつくと生徒が誰もいなくなってのだ。
「あいつ等が現れときは、いつもそうや。あの状態を俺らは結界って読んでいる。俺らが異世界にでも飛ばされてるのか、周囲の連中が飛ばされとるんか知らんがな」
さすがに冗談なのだろうか?晴人は笑っていた。
しかし、僕は、冗談と真実の区別がつかない話になっている。
「そうやって、あいつ等は結界に紛れ込んだ人間を捕食して生きてるんや。俺やお前みたいに結界に紛れ込める人間をな」
僕らの様子を不思議そうな顔で追い越していく。
「初めての戦いにしちゃよかったで。まさか腰を抜かして歩けへんなるのは想定外やったけど」
晴人は、腰が砕けた僕をカラカラ笑う。 僕は晴人の肩を借り、とりあえず学校から離れることにした。
「・・・」
「・・・」
「あれ?どこに向かってるんだ?これ?」
僕としては家に直行してベットで休みたいんだが、肩を貸してる晴人にイニシアチブ(主導権)を握られて、どこか知らない道を歩いてる。
「俺の家や。言わんかったけ? 昨日、今日の説明するのにファーストフードとかあかんやろ」
「そりゃ、そうだけど。家の人とか大丈夫なのかい?」
「大丈夫。大丈夫。俺、一人暮らしやし」
へぇ~ と素直に声にでた。 高校生で一人暮らしは中々、珍しいのではないのだろうか。
歩いて数分。ずいぶん学校に近い場所に家があった。
家。
滝川晴人が住んでる場所はマンションではなかった。
一軒家。 大きな門が出迎え、外からでも立派な日本庭園らしきものが見える。
「ここで一人で暮らしてるのか!?」
「せやで?この街に来る時に買ったんや。流石に高かったけどな」
「ん?そのニュアンスだと、親の金じゃなくて自腹で購入したみたいに聞こえたんけど?」
「俺らみたいなのは、命懸けで戦う分、いろいろと金儲けの方法もあるんやで。俺なんて親から自立してるしな」
そう言って晴人は家に入って行き、遅れて僕も中に入った。
僕は応接間に通され、しばらく一人で待っているとお茶と茶菓子を準備した晴人が帰ってきた。
「お客さまが下座に座ったらあかんで、遠慮せんと奥の席に座りや」
見た目に反して細かい事に厳しいようだった。 上座、下座を気にする高校生って初めてみるのだが。
「さて、どこから説明したらいいものか」
お茶と茶菓子を並べ終えた晴人は頭を捻り、椅子にも座らずに考え込んでいた。
「とりあえず、あのスライムって呼んでたモンスターって何か説明してくれよ」
「勘違いしてもらっても困るが、俺だって何でも知ってるわけやない。むしろ、わからないことの方が多すぎるくらいや。だから、わかる範囲で説明しようとしとるんや」
「でも、まったく謎の生物ってわけじゃないだろ?」
「まったく謎の生物やな。当たり前や、俺らは生物学者ちゃうんやで。調べようがない」
「じゃ、なんの説明するために呼んだんだよ?」
「安心しいや。謎の生物言っても、わかってる事が0ちゅうわけでもない。それを説明しちゃるわ」
そう言うと、ようやく椅子に座り、足を組んだ。
「わかりやすく言うと、俺らは、あのモンスターに襲われる存在になってしもうとるんや」
「襲われる存在?そう言えば、一生襲ってくるとか言ってたな」
僕は、さっきの出来事を思い出していた。
「そうや。あいつ等が現れる前、急に人がいなくなったやろ?」
そう。下校中の学校内のはずが気がつくと生徒が誰もいなくなってのだ。
「あいつ等が現れときは、いつもそうや。あの状態を俺らは結界って読んでいる。俺らが異世界にでも飛ばされてるのか、周囲の連中が飛ばされとるんか知らんがな」
さすがに冗談なのだろうか?晴人は笑っていた。
しかし、僕は、冗談と真実の区別がつかない話になっている。
「そうやって、あいつ等は結界に紛れ込んだ人間を捕食して生きてるんや。俺やお前みたいに結界に紛れ込める人間をな」
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