ダークエルフさん、俺の家で和まないでください! ~俺はガチャを回しただけなのに~

巫夏希

最終話 またいつか出会いましょう

 そして、四人の力がゆっくりと一つにまとまっていく。
 それは俺も見たことのないような、眩い光だった。
 地上から見られたら通報されるのではないだろうか? と思ったが、レティーナがシールドを張っているようで、見られることはないらしい。なら、それはそれで有り難い話だ。俺たちが捕まるのは、それはそれで面倒だからな。
 そして、四つの力が、一斉に扉に放たれた。
 透明な、形を保つのがやっとだった扉は、その力を受けて、虹色に輝いた。
 それだけに限らず、空が虹色に輝いた。
 力を受けた余波だったのだろうが、さすがにそこまでは守り切れなかったらしく、急にビジネスビルの明かりが点き始める。
 そして、扉がゆっくりと開き始める。
 荘厳な雰囲気を放つその扉は、まるで天国へと続いているかのような雰囲気を放っていた。

「……これで、ほんとうにお別れだ。だが、スマートフォン? とやらの中で、私は生きている。だから気にすることはない。今後はそのスマートフォンを通して出会おうじゃないか」

 ルイスの言葉を聞いて、俺は何度も頷く。そして、そこで自分が涙を流していることに漸く理解した。
 ルイスたちの身体が徐々に光に包まれる。同時に、ふわりとゆっくり空へ上がっていく。
 そして、彼女たちの身体は扉へと吸い込まれていった。
 それだけではない。彼女たち以外の光の玉が扉へどんどん吸い込まれていく。恐らく、それらもまたリアライズ世界からやってきたキャラクターなのだろう。あれ程まで多くのキャラクターが居るのか、と驚いてしまうが、それよりも、今はこの光景をただ眺めることしか出来なかった。

「……綺麗ですね」

 間庭さんが、俺の隣に立っていた間庭さんがぽつりとそう言った。
 俺はそれに少しだけ考えて、どう答えるのがベストなのかを考えて、そしてゆっくりと言った。

「……そうですね、とても、とても綺麗です」

 東京の真夜中の空は、空へと浮かぶ光球と、虹色に輝く空で、とても美しかった。
 きっとその光景を、俺はずっと忘れることは出来ないだろう。


 ◇◇◇


 あれから。
 俺たちはそのまま元の生活に戻ることになった。俺たちを結び付けていたもの――クイズと魔法のリアライズはそのまま続けていたから、そのままSNSで繋がることとなった。
 ちなみにオフ会もたまに開催されている。そして俺と間庭さんはあれからさらに仲良くなって――気が付けば交際関係を築くまでになっていた。きっと、ルイスが聞けば驚くのだろうな。あれが原因でここまで発展したのか、って。
 ルイスは今もリアライズ世界で元気に暮らしているんだろうか。
 そんなことを思いながら、今日も俺はゲームにログインするのだった。

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