ダークエルフさん、俺の家で和まないでください! ~俺はガチャを回しただけなのに~
第三十五話 MK5(マジで邂逅する5秒前)
「その通り」
レティーナは私のほうを向いて、ゆっくりと頷いた。
レティーナの考えからすれば、それは至極当然なことと考えられる。一番のリーダーたる魔王が行方不明となっていて、その次のレベルに居る存在がずっと指揮し続けていれば、いずれ国民もそう思うのは仕方がないことだ。
でも、レティーナはそれを望んでいない。出来ることなら早く戻ってメイルにまだ魔王を続けてもらいたい。そう考えているからこそのこの発言だったのだろう。
「レティーナ、一つ問おう」
「何でございましょうか、魔王様」
「……もし、魔王軍と勇者一行が手を取るとして、リアライズマスターは何名必要だ?」
「そうですね。わが軍と勇者一行が戦ったことによるカタルシスで次元が歪み、それによって扉を開く方法を考えていたのでしたら、その場合ですと、合計八名が必要になります。しかしながら協力を考えるとカタルシスを生む必要は無くなるので……四名で充分かと思われます」
「四名、か。今ここに居るのは二名だ。つまり、勇者一行があと二名のリアライズマスターを集めていればあとはその場所に向かうだけ……」
話がまとまろうとしていた。
でも、私は未だ気になることがあった。
「ねえ、もう一ついいかな。リアライズマスターが集まったとして、どこに向かえばいいの? 扉の場所ははっきりとしているの?」
私の言葉を聞いた直後、レティーナはきょとんとした表情で首を傾げた。
「……何を言っているのですか、空に浮かんでいるではありませんか。巨大な扉が」
「扉が……浮かんでいる?」
「そう。私たちがやってきた、あの扉ですよ。もちろん、その扉はリアライズマスターにしか見えませんけれど」
「ようし、こうなればあとは集めるだけだ!」
メイルは立ち上がって、そんなことを言った。
そしてそれはレティーナも同じ感想を抱いていた。
「そうですね。……いかねばなりません。我々はあの扉を通って、世界へ、戻らねば」
それから準備をし終えて、私たちはいざ探す旅に出かけることとした。
まあ、今日はこの近郊にしておいたほうがいいでしょう、というリアライズマスター側の意見の一致があったからなのだけれど。取り敢えずできる限り情報は収集しておかないとね。そう思ったわけ。
そうして私は扉を開けた。
ちょうどその時だった。
お隣さんも扉を開けていた。
ルイスさんと大槻さん、それだけならいいのだけれど。その隣にはさらに女性二人が立っていた。片方は黒い翼をはやしていた。コスプレか何かかな、私はそんなことを思っていたら――黒い翼をはやした女性はメイルを見て、目を丸くしていた。
「……まさか」
そこで私はある仮説を立てた。
そしてその仮説は――その女性から言われた発言で、立証されてしまうのだった。
「魔王メイル……なぜ、このような場所に!」
レティーナは私のほうを向いて、ゆっくりと頷いた。
レティーナの考えからすれば、それは至極当然なことと考えられる。一番のリーダーたる魔王が行方不明となっていて、その次のレベルに居る存在がずっと指揮し続けていれば、いずれ国民もそう思うのは仕方がないことだ。
でも、レティーナはそれを望んでいない。出来ることなら早く戻ってメイルにまだ魔王を続けてもらいたい。そう考えているからこそのこの発言だったのだろう。
「レティーナ、一つ問おう」
「何でございましょうか、魔王様」
「……もし、魔王軍と勇者一行が手を取るとして、リアライズマスターは何名必要だ?」
「そうですね。わが軍と勇者一行が戦ったことによるカタルシスで次元が歪み、それによって扉を開く方法を考えていたのでしたら、その場合ですと、合計八名が必要になります。しかしながら協力を考えるとカタルシスを生む必要は無くなるので……四名で充分かと思われます」
「四名、か。今ここに居るのは二名だ。つまり、勇者一行があと二名のリアライズマスターを集めていればあとはその場所に向かうだけ……」
話がまとまろうとしていた。
でも、私は未だ気になることがあった。
「ねえ、もう一ついいかな。リアライズマスターが集まったとして、どこに向かえばいいの? 扉の場所ははっきりとしているの?」
私の言葉を聞いた直後、レティーナはきょとんとした表情で首を傾げた。
「……何を言っているのですか、空に浮かんでいるではありませんか。巨大な扉が」
「扉が……浮かんでいる?」
「そう。私たちがやってきた、あの扉ですよ。もちろん、その扉はリアライズマスターにしか見えませんけれど」
「ようし、こうなればあとは集めるだけだ!」
メイルは立ち上がって、そんなことを言った。
そしてそれはレティーナも同じ感想を抱いていた。
「そうですね。……いかねばなりません。我々はあの扉を通って、世界へ、戻らねば」
それから準備をし終えて、私たちはいざ探す旅に出かけることとした。
まあ、今日はこの近郊にしておいたほうがいいでしょう、というリアライズマスター側の意見の一致があったからなのだけれど。取り敢えずできる限り情報は収集しておかないとね。そう思ったわけ。
そうして私は扉を開けた。
ちょうどその時だった。
お隣さんも扉を開けていた。
ルイスさんと大槻さん、それだけならいいのだけれど。その隣にはさらに女性二人が立っていた。片方は黒い翼をはやしていた。コスプレか何かかな、私はそんなことを思っていたら――黒い翼をはやした女性はメイルを見て、目を丸くしていた。
「……まさか」
そこで私はある仮説を立てた。
そしてその仮説は――その女性から言われた発言で、立証されてしまうのだった。
「魔王メイル……なぜ、このような場所に!」
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