Opening Is Empty

些稚絃羽

戯言

暗闇の深さが怖いから
溶け入ることをいつも願う
身体を広げて 夜の小路
吸い込む空気は湿っぽい

あなたが手を差し伸べる分だけ
猛烈な臆病風に吹かれて
当たり前に掴まることを
愛なんてコトバで片付けて

どうしようもないな
気高き狼のように駆けたくても
所詮は震える兎のように
何かの陰を探して縮こまるの

外灯の明かりの乏しさを
星空の遠さになぞらえたりして
月のない夜の寂しさを
あなたの隣に感じたりして

どうしようもないな
翼を持たないことを言い訳に
陽の当たる場所へ踏み出すことも
夢に見ようとすらしないでいるの

暗闇の静けさが暖かいから
触れることを焦がれてしまう
隅に身を寄せて 夜の小路
帰り道を探してる

優しさに溺れる朝を探してる

  

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