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些稚絃羽

夜明けを待たずに

ひび割れた旅立ちの夜
向かう先  足元さえ見えないままに
僕は踵をすり減らす

仄かな街灯だけが
道を外れない為の微かな道標
星は闇に紛れてとうに消えた

踏み出す目的は確かにあって
その曖昧さに人は首を傾げる
だけど心の奥深く
散りばめた決意を否定したりはしないで

繰り返してばかりの傷痕
何もなかったような感触に
ふと夢であればなんて願ってみる
過去を亡くす事はできないのに

何処へ行こう
躓いても転げても
何処かへ行く為に歩いてく

逃れる術を知らずにいた僕
逃げずに立ち向かう術を知る為に行こう

意味もなく見上げた空
黒より黒い闇がひび割れた
たった一つ漏れ見えたいつかの星に
行く先の幸せとやらを願ってみる
 

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