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些稚絃羽

君が守るキミ

君はどこへ行ったの?
どうか君自身を失ってしまわないで



君がキミにかけた幾つもの鎖
擦れ合う金属音が僕の耳を掠めてく

張り巡らしたのは有刺鉄線?
握れば簡単に食い込んでいく
多少の傷は厭わないさ とてもちっぽけな傷だから

ほら君が流してくれたその涙で 僕の傷は点になるよ
だからそんなに泣かないで


解けた棘の向こう
折り重なる金属の束は君の鎧
無機質な氷点下が君の温度を忘れさせる

厳重警備にデジタル化 赤い光が点滅中
求められるは数字?記号?
どうなぞってもパネルはエラー

ねぇ、この鎖解くパスコードを教えてよ
傷付ける為じゃなく 手と手取り合う為に
本当の君に触れさせて 僕は君の傍がいいよ


がんじがらめで自分を守る君は 唇噛んで
大切な事さえ声にするのを躊躇うね
その声は意味のないものなんかじゃないよ
君の声は温かくて 生きた鼓動の音がするから

抱き締めた氷点下
腹の底まで冷えきってしまいそう
このまま抱き締め続けたら 僕の温度になるのかな

ほら君のその涙も 熱い程に生きている
ここにいたいと叫んでいるよ



君はここにいるでしょう?
僕の傍にいるでしょう?
だから僕の為に 守らないままの君でいて
そうしたら僕は君の為に 君を守れる僕になるよ

 

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