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些稚絃羽

twilight

窓に映る陽が細く消えていくのを見てた
呟いた言葉が薄明かりと共に消えていく

巡る季節は私を置き去りにして
同じ季節に違う温度の風が去っていく
春の期待も
夏の約束も
秋の憂いも
冬の誓いも
繰り返される事なく
ただ次の季節を追っていく

移ろう木々や景色の中で
人の思いも何かを追う様に変わっていく

少しずつ支配していく闇に
抗う事なく瞼を閉じる
変わらない誰かの笑顔が見えた気がして
ひどく心が騒めく

オワリハジマリを何度繰り返してきただろう
今日もまた終わりを迎え 新たな明日が始まる
同じ日はもう二度と訪れない

全ては変わり続けていくものだとしても
それでも胸の奥は変わらずにありたい

たった一つの言葉の中に幾通りの思いを乗せて
今日も明日も 何度だって紡いでく
朝に昇り夜に沈んでいくあの太陽の様に
不変な思いを胸に宿して

覆う闇に一番星が煌めいた
変わらないあの笑顔がその端に見えた

巡り巡り 戻っては来ない世界の中で
カタチのない 確かに消えないものを信じて
もう一度 瞼を閉じた
 

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