Opening Is Empty

些稚絃羽

MoNo

モノクロームを泳ぐ僕らは
今日も誰かの色を欲しがって
本当に大切なものが分からなくなっていく

貰ったって 奪い取ったって
すべて呑み込んでしまうこと
それだけは知っているのに

白と黒の境目を探す
混ぜるように泳ぎながら

少女の涙は影に滲んで
墨色の穴で膝を抱える
柔らかな瞼のその裏で
艶やかな虹色の夢を見る


モノローグに溺れる僕らは
今日も無感情に愛し合って
本当に守りたいものが分からなくなっていく

選んだって 選ばなくたって
もろとも沈み落ちてしまうこと
それだけは知っているのに

純潔な心の有り場を探す
眠るように溺れながら

少女は笑みを頬に描いて
墨色の空に指先を伸ばす
渦巻く怨を静めるための
安らかな音色を口ずさむ

  

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