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《異世界の主人公共へ》

怠惰のあるま

《初代魔王》


朝日が昇り青空に少々雲がある晴れ晴れとした天気の朝。
この俺、土の四天王は気持ち良い目覚めを迎えることができた。
と思っていたのか?そんな朝が来ることは絶対にあり得ないのだ。
毎回世界征服の為にがんばっていますが、なんでか四天王が完成し始める頃には安全に朝を迎えることができなくなるんだ。
つまり、なにが言いたいのかと言うと朝から人間の社会で言う修羅場に巻き込まれているのだ。
パンドラとカイリが睨む中、俺の腕から絶対に引き剥がされないぞ!と言わんばかりの力で掴んでくるムー、そして巻き込まれた俺。
俺が一体なにをしたと言うんだ?
神に見放された?
あ、というか見放されるもなにも敵か。
こうなった原因を思い出す為に昨日の出来事を遡ってみよう。




△▼△




ムーがある意味壊れた後、朝食を食べ終わり最後の四天王をどうするか考えていた。
候補は《はぐれ》か、ベリアスのような悪魔を召喚するか、どちらでもいいのだが人間と言う手もある。
魔王だけが人間だった時もあるが、四天王や精鋭部隊にも人間は混じっていた
。途中から人外の姿と化した者が多かったけど。
それでも人間の潜在能力、学習能力、強くなると言う精神力、魔族や魔物には無いものを持っている。
戦力としては十分すぎる人材だ。さて、どうしたものか......
ん?待て《精鋭部隊》?ああ、そうだ。一番最初にやっておかなければいけない過程を忘れていた。
それは、だ。魔王軍の部隊だ。
昔作った部隊だと、スライムやゴブリンで構成された《特攻部隊》
隠密に特化した魔物で構成された《隠密部隊》
そして四天王直属の配下で構成されたエリート集団《精鋭部隊》こんなものだ。
《精鋭部隊》に関してはムーがリーダーだった。俺の付き人みたいな存在だったからな。他の奴らが推薦したらしい。
こう見えてムーの戦闘能力はバニラの俺より強い。
ただ魔法や剣術、体術などを加えればオールマイティの俺に負ける。
肉体的な強さは【勇者の素質】があったからと考えている。
そうなんです。ムーは勇者になり得た可能性のある少女だった。勇者が生まれて来るのを待っていた時代でそれを自分達で踏みにじったのが人間さ。皮肉だねぇ〜。
それとムーには魔法の一つである【呪術】の素質がある。
この世界には俺でも把握しきれていないほど色々な魔法が存在している。
いい機会だし俺たちが住んでいる世界について、そして成り立ちを説明しよう。今更すぎることだけど。
世界・・・・他にもあと八つの世界が存在している。
しかし、この世界が全ての始まりと言われている。
一番最初に誕生したのが宇宙、ではなく《無》。
《無》が誕生したと言われても元から無いものだろう?そう思うのが普通だ。しかし、《無》と言う概念が存在しているから《世界》が存在する。
つまり《無》から生まれ《無》で終わる。これが理でありルールだ。
話がずれたな。その《無》の次に宇宙が生まれ、その次に生まれたのが数ある世界の中の一つ、そう俺たちのいる世界だ。
世界が生まれた後、最初に作られたのが神、その神は《無》によって一つの行動理念をインプットされた。

《理を崩さぬ平和な世界を創る》

神は生まれた時から自分の中にある使命のような何かに操られるように平和な世界を創った。
ここまでは《無》の思惑通りだった。
だが、使命を果たした神は自由に動き考えれるようになった。
そして、神には世界を創る力を与えられている。
そう世界を自分のおもちゃのように扱い始めたのだ。
神は自分の現し身を創った。それが《勇者》だ。そして相対する者《魔王》を創った。これが初代勇者と初代魔王だ。
その二人の戦いがどうなったかは俺も知らない。覚えていないと言う方が正しい。
現状をみればわかると思うが魔王が負けたんだろう。
そして自我を持った神は自分の生みの親とも言える《無》を消そうと考えた。
もちろん《無》だって黙ってはいない。神を消すために攻撃を始めた。
だが、神はすでに《無》の力を超えていたために逆に追い詰められてしまった。
しかし、神は考えた《無》という存在をあるエネルギーとして使えないか?と。
神は九つの世界を創り、何層にも渡る《世界の壁》を創った。その最下層に位置する俺たちの世界に《無》を封じエネルギーを吸い取る木を植えつけた。
木は少しのエネルギーを吸い取ると急激に成長を果たし、神が創った世界を突き抜け巨大な大木《宇宙樹ユグドラシル》となった。
その後・・・神は《宇宙樹》の頂上に城を建て全ての世界を見渡してるらしい。
初代魔王が教えてくれたことだけど、印象が強かったからこの話だけは覚えている。まあ、世界の成り立ちはこんなものさ。
次にこの世界について。
名は《コスモス》と呼ばれ始まりの世界とも言われている。《コスモス》には五つの領域がある。
大量に資源が採れ武器や防具などの装飾品の生産が盛んな領域【メガラニカ】
他種族との交友を一切せず完璧に独立している獣人達だけが暮らす領域【セリアン】
全体が森で囲まれており、とても入り組んでいて侵入不可の鉄壁な領域【アルラウネ】
魔法により発展が進み魔導の道を進む者が集まる領域【アンゼウス】
種族間の差別がなく皆が平等に暮らし、旅人達のためとも言える領域【アルティマ】
この四つの領域に囲まれた中心に魔界の入り口と呼ばれる大きな穴が空いている。別名【悪魔の扉デモンズゲート】と呼ばれている。
俺たちがいるのはアルティマ領域だ。完全に活動をしていないうちは安全地帯と言えるからな。
カイネが追い出されたと言うエルフの里があるのがアルラウネ領域。
あそこはエルフでないと出入りが一切できない。魔法によるものなのか、種族としての本能的な何かなのか、両方という考えもあるけどな。
昔は【悪魔の扉】を通って人間界と魔界を行き来していた。
その時に、扉の近くで倒れていたムーと出会ったんだ。
あの時は本当に驚いたな。
普通なら途中の魔物達にやられて近づけないほど扉の周りは危険地帯なんだ。【悪魔の扉】と呼ばれる理由もそこにある。扉から溢れ出る【黒い魔素】が原因。
魔素というのはいわゆる酸素。生きるためには酸素が必要だ。
だが、魔法を使うには魔素が足りないと使えない。人によって蓄えられる魔素量は違う。摂取する方法は呼吸するだけでいい。魔素はそこら中に浮いている。
まあ、瞬時に回復するように見えるが魔法によっては回復が追いつかずに魔素が枯渇する。戦いでは魔素での回復が重要だ。
次に【黒い魔素】についてだが、これは汚染された魔素いわゆる排気ガス。魔族以外の生き物にとっては有毒以外に他ならず、吸いすぎると体の一部が異常に発達したり、変異したりし異形の生き物となる。
それか運が良ければと言っていいかは知らないが魔族と化す。化け物になるよかマシだがな。
しかし、魔族にとっては身体を強化、魔力増強ができるため好まれている。
魔界では空気のように【黒い魔素】が浮いている。除去することもできるが別の機会に話そう。
【黒い魔素】があるせいで【悪魔の扉】の周りには凶悪な魔族が存在するんだ。たまに暴走して見境なく襲ってくる時もあるから危ない。
魔族にとっても危ない場所とも言える。
魔界からくる奴らからしたら雑魚も同然だがな。さて、こんなものだ。色々と考え込んでみれば夕方になっていた。明日にでも行動することにしようかな。
部屋を出てみんながいる広間に行くとムーがこちらに気づき、会釈をしてから予想外の言葉を発した。

「隊長一緒にお風呂入りませんか?」
「お前は何を言っているんだ」
「嫌ですか?」

「嫌ですか?」以前に今の君って女でしょ?精神的に持たない。昨日からムーからのスキンシップ?みたいなのが積極的に来るんだ。
朝だってご飯を食べさせようとしてきた。本当に何があったんだい?
話を戻すが、俺は基本一人でお風呂に入りたいんだ。ゆっくりと疲れを癒す、これ重要。ゾンビでも疲れは溜まるもんだぜ?

「わかりました。では女狐共が入らないように見張ってます」
「助かる」

ムーはやっぱりいい子だった。女狐と言われた時のあいつらの顔は多分忘れない。面白かったからね。
俺たちの拠点はかなり大きいです。俺が作ったんだ当たり前だろう?土で作ったものだが魔法で大理石に変化させました。豪華なお家ってあこがれるだろ。
お風呂場は大きな大浴場になっていてそこらの大金持ちの風呂と大差ない豪華さにしてやった。大理石の時点でだいぶ豪華ですけど。
大理石の大浴場に一人で入浴をする超優越感を味わいたかったってのも一人で入りたかった理由でもある。

「いやぁ超優越感・・・・」
「君って性格悪いね」
「そんなに褒めるなって・・・・誰だお前は」
「お久しぶり」

久しぶりということは俺の知り合いか。覚えてないなぁ。しかし、きつい言葉で返せば気分を害して怒って大浴場を破壊されかねない。ここは穏便に済ませるために優しく追い返そう。

「お前なんか知らないから帰れ」
「本当に君は酷いやつだ。僕を忘れてるのはしょうがないことだとしても」
「どうゆうことだ?」
「僕は初代魔王ディアだ。覚えてない?」

初代魔王がなぜここにいるんだ?大昔に死んだはずだろ。覚えてないけど死んだはずだ。生きているわけがない。しかし、今更俺の前に出て来られても怒りしかないんですが。

「どうせならもっと早く出てこいや薄情もんが」
「それどうゆう意味ですか?」
「こちとらあんたのせいで、魔王探さねえといけないんだぞ?」

きょとんとした表情で俺の顔を見つめた。そして、急に頭を抱え始めた初代魔王。頭でも痛いんですか?叩き割って原因でも探ってあげましょうか?

「そ、そんなことまで忘れたの?」
「なに?」
「まあいいや。僕の言ってる意味知りたければその紋章調べなさい。それじゃあ、ばいばぁい!」

消えやがった。あいつなんで俺の胸に紋章があることを知ってるんだ。それにこの紋章どう見たって勇者の紋章だろ。どうして勇者の紋章が俺に焼き付けられているかはわからないが、調べてみる価値はありそうだ。

明日の調査のために寝る準備をしようと大浴場から出ると、こいつら入り口で何をやっているんだ。

「あ、隊長。女狐を止めておきました!」
「お兄ちゃんなんでもう上がるの!」
「ああ、うん・・・・もうどうでもいいや・・・・」

それよりもパンドラとエンリはわかるが何で全員集合してるんだ。

「お兄ちゃんと一緒に寝るのは誰か決めてるの」
「ふざけるなよ?」
「女の子と一緒に寝れるなんて男なら普通喜ぶとこだけど?」

そうなんだけど・・・・そうなんだろうけど!!お前ら絶対に喧嘩をするだろ?俺はそれに巻き込まれたくないんだよ。

「喧嘩をしなければいいの?」

まあ、それはそうだよ。喧嘩に巻き込まれたくないってのもあるが、身内が仲悪くなるのはもっと嫌だよ。みんなが仲良くして欲しいんでね。

そして、話し合った結果。ジャンケンで決めるようです。まあ、喧嘩しなければいいんだけどさぁ・・・・俺の意見は無いんですか?

声は届かず彼女らはジャンケン大会を始めました。ベリアスは参加していなかった。なんかついていけなかったらしいよ。

あいこが続いていたらしく長い時間ジャンケンが繰り返された。そして、数分後決着がついたようだ。勝者は・・・・・・・・・

「ということで一緒に寝ましょうか・・・・たぁいちょう?」

ムーさんに決定。そして、今に至るんだ。正直、断ろうかと悩んだ。しかしだ。ムーのあんなにも嬉しそうな顔を見て断ろうなんて思えるか?俺は無理だね!

ジャンケンに負けたのがそんなに悔しいのかパンドラが文句を言いたそうな顔をしていた。負けは負けだから素直に認めて欲しいものだ。

「ジャンケンで公平に決めたんだろ?」
「そうだけど・・・・で、でも!!」
「公平に・・・・・決めたんだろ?」
「は、はい」

土の四天王の謎の威圧によって何も言い返すことができない女狐達であった。

それと余談だけどムーさんがなぜか発情期の動物と言うか、目が爛々としていたと言うか襲ってきそうな感じ?だった。俺は安眠できるだろうか?

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