《異世界の主人公共へ》

怠惰のあるま

《悪魔との決闘》

ベリアルさんを召喚したわけなんですが、召喚した理由が聞きたいそうです。そんなの決まっている。

「気分」
「死にたいのか?」
「もっちのろん!」

冷たい目をされたから、ちゃんと説明してあげよう。本当に気分と言うかなんと言うか。本当は朝食を一緒に作るのが面倒だっただけで、一種の口実で召喚しただけなんだよなぁ。

しかし、生半可な説明では殺しにかかってくるに決まっている。ウェルカムだけど。けど、ちゃんと説明はしますよ?嘘ハッタリこみっこみでね。

四天王を集めている途中で、戦力的にベリアルさんを仲間にしたらいいのではないかと思い召喚した。ということにいたしました。実際ベリアルほどのやつだったら、四天王は務まる。

「で?今何人目なわけよ」
「えーっと・・・三人?」
「・・・・・・・条件付きでならいいよ?」

条件付きで仲間になるって言うのは前にもあったが、俺に対しての被害が甚大じゃないというジンクスがあるから聞きたくない。ベリアルほどの悪魔だからまともな条件だとは思うが心配だ。

「あたしと勝負しなさい」
「え?そんなんでいいの?」
「ああ、それに自分より弱い召喚者には従いたくない主義でね」

弱いだと?何を言ってるんだ。俺はただ弱いんじゃない。四天王最弱なんだ。これ俺の勇者と戦う時のセリフ。最初に俺が出向いて言いたかったのに、戦おうとするとみんなによく止められたなぁ。お前は最後に戦ってくれ!って強く言われたなぁ。なんでだろ。

「勝負しないのか?するのか?」
「勝負しないと俺死に損だろ?いいよ」

一応、本気で戦わなきゃいけないらしいので、場所を変えるために、仮拠点から五キロ以上は離れた場所に移動した。

あちらさんは、余裕の構えである。なめてる証拠だな。ちょっと、お兄さん怒りそうです。痛い目見せないとあかんやつですな。

「俺の負けは気絶したら、お前の負けは降参することな」
「気絶するのか?」
「しますよ?」

死なないだけで状態異常にはなるよ。ただ、毒に関しては、苦しいのに、決して死ねないって言う苦しみを味わったことがあって、毒はすっごい苦手。ある意味では、俺の弱点とも言えるのかな。

「じゃあ、そちらさんからどうぞ」
「後悔しても知らないよ!」

物凄いスピードで俺との距離を瞬時に縮め攻撃範囲内まで来たところで俺の体は、くの字に曲がり吹き飛ばされた。地面を転がりながら100mぐらい殴り飛ばされた。転がったところは道のようにまっすぐ綺麗にえぐれていた。

そんな俺の容態は殴られたことにより内臓が半分以上破裂、攻撃された部位の骨は体から無くなっていた。折れたとか粉々になったでは無く、欠片を残さず骨が体から抜け出たのだ。どんだけ強く殴ったら骨が体から出てくるんだよ。

骨すらも勝手に再生させるから、どうでもいい。しかしだ。死ぬまでもう一押しってところかな?

「規格外な再生力ね」
「土さえあればもっと早いぞ?」
「ふぅん。どうでもいいさ!今度はもっと強く行けばいいだけさ!」

またも高速で移動したベリアスに首を掴まれ地面に叩きつけられた。頭蓋骨が割れ脳漿が周りに飛び散った。今度こそ、と思っているだろうが残念動けます。

頭が再生しきってない状態で動くとひっ!と小さな悲鳴が聞こえた。まあ、気味が悪いだろうな。頭が潰されて動き回るゾンビなんて絶対いない。俺でさえゾッとする。

目のところまで回復したと思うと今度は右足を蹴り砕いた。転ばせようとかしたんだろうけど逆に骨が砕け散りました。地面につけようとするとぶちゃとかぐちゃという気持ちの悪い音と感触を味わった。

体が壊されるのは慣れているとはいえやっぱりこうゆう気持ちの悪い感覚は何度も味わいたくないな。

そんな状態の俺に慈悲もなく今度は左足も砕かれ左腕を引き千切られた。流石に立っていられず、地面に突っ伏した。ここまで相手の実力でボロボロにされたのは何年ぶりだろうか。久々に本気だしたくなってくるぜ。

ボロボロになれば再生が地味に追いつかないが、片腕が残っていれば充分かな?片腕だけで地面を這いずり回り近づく。だが、遅くはない。普通に走る速度と同じだ。

ベリアスは目の前で動くこともままならない片腕の肉人形を見つめていると片腕だけで猛スピードで這いずり回るという不気味な光景を目にしているだろう。まだ頭も再生してねえしな。そうとう気持ち悪いだろうなぁ。

そんな肉人形の俺がギリギリ攻撃射程内に入ると同時に強力な攻撃が振り下ろされた。ブチュッと虫や膿を潰したような音を立て俺は地面にめり込むほど殴り潰された。

だがそのおかげで肉体は死んだ。おれの肉体は一度完全に死ぬと完全回復する何事もなかったようにな。まあ、完全な死ではないから魂までは成仏しない。

「結構本気で殴ったつもりだったんだけど・・・・・気絶すらしないとかショックね」
「いい線いってるよ?けど、攻めがぬるぬるですね」
「褒めてるのか貶してるのか、まあどっちでもいいけど・・・・・・ね!!」

ベリアルが思い切り地面を殴ると広範囲に地割れが起き、地面の裂け目から溶岩が噴出した。彼女がブツブツと呪文のようなものを唱えながら触れると冷えた溶岩のように動きが止まった。空中に陣を描くように指を動かすと溶岩が一つの大きな塊となり、隕石ぐらいの大きさとなった。

ベリアルはすでに勝ち誇った顔をしている。それを見た俺は呆れた顔をすると不快に思ったようで腕を思いっきり振り下ろし、高速で溶岩石を落とした。

まあ、当たれば即死だろうね。もちろん俺は避けない。なんでって?死にたいからだ。それ意外に何がある。

カッコつけのポーズをしようとしたが、意外に早く溶岩石が直撃した。触れた箇所から肉が焼けるどころか蒸発をはじめた。昔、最強の塩酸である王水の池にダイブした時のように、骨ごと溶かされていった。

「自滅しに行くって実はドM?」
「うるせえぶち殺すぞ」
「え!?不老不死だからって無傷なのはおかしいでしょ!!」

殺したら俺は気絶しないってのに学習しないなぁ。にしても悪魔の攻撃だから期待はしたんだが、完全には死ねなかったな。本当の死はいつ味わえるのか。

自分の攻撃を食らって無傷の俺を見たベリアルさんのプライドはボロボロのようです。体がショックで震えているのが、その証拠です。それをからかうかのように俺は挑発した。

「どうした?おわりか?」
「うるさい!地獄の炎に焼き尽くされろ!煉獄の罪炎プルガ・トリア!」

黒い炎がベリアルの体から噴き出し纏っているかのように見えた。拳を強く握り空を殴ると拳の形をした黒炎が飛ばされた。なんか、何処かで見たことある技だなぁ。著作権引っかからないことを祈ろう。

そんな馬鹿げた話はどうでもいい。黒炎の拳が迫っている、おれの体に相当なダメージを与えてくれること間違いなし。だが、残念ながら今回は反撃をしましょうか。

足に魔力を集中させ地面にめり込むほど強く踏み込む。そして、足に溜めた魔力を放出。毒が侵食するように地面が黒く染まって行く。

「特別に本気で戦ってやるよ。蠢け・・・・黒曜蟲オブシック・エントマ

黒く染まった土が空中に浮かび、ジジジ・・・と羽が擦れる音が聞こえ始めた。よく見ると土が黒くて小さい蟲と化していた。数はおよそ十万超だった。

その光景に悪魔であっても女性であるベリアルはゾワゾワと鳥肌が立っていた。仕方ないことだがこの光景を見たら誰でも寒気や鳥肌が立つだろう。それほどの蟲の量なのだ。

黒炎の拳が蟲達に触れると消えた。いや、喰われた。黒曜虫は魔力を好み吸収する習性を持っている。そのため魔力を帯びた攻撃は俺には効かない。当たっても意味は無いけどね、

「最近の悪魔は弱くなったな」
「くっ!バカにするな!!」
「いやいや、お前もなかなかやるよ。けどさ?俺の足元にすら及ばねえな!」

手をたかだかと振りかざすと、俺を中心に地割れが発生した。その勢いは止まらず、ベリアルの立っている足場をも巻き込み、至る所から地面が隆起しはじめ、地形が崩壊した。

あ、やってしまった。地面が割れてゆく。熱くなるとすぐこうなるんだよなぁ俺の力は・・・・・もっとコントロールできるようにならないとな。しかし、久々に使ったとは言え、ここまでの威力を発揮するとは、予想外だ。拠点まで届いてないよな?

「と、止めろ!」
「その前に言うことは?」
「くっ・・・!」
「いいのか?地割れは止まらねえぞ!流石に巻き込まれても死にはしないが永遠に閉じこめられるぜ?」

俺の脅しが効いたのか青ざめた表情となるが、元凶を倒せば止まると判断したようだ。攻撃を仕掛けようと向かって来た。

いい感だ。確かに俺を殺せれば、この地割れは止まるだろう。ただ、殺せれば、だ。それは絶対に無理なことであり、無駄な行為だ。ベリアルの拳が眼前に迫ったが避けず喰らった。さすが悪魔と言うべきか俺の脳髄を軽々と打ち砕いた。

しかし、俺は急激に回復力を高めた。瞬時に頭が回復すると拳を引いていなかったためにおれの頭の回復に巻き込まれ拳がめり込んだ状態で回復した。ベリアルは気持ちの悪いものを触ったような顔をしていた。

拳を抜こうとするが残念ながらおれの体は特殊でしてね。回復に巻き込んだものを自分の一部にできるんだよ。

「お前の腕はおれの一部になった。引っ張っても無駄だぞ?」
「くそ!離せ!気持ちが悪い!!」
「そこまで言うなよ。それで今なら腕は欠損無く返せるぜ?降参するか?」
「ぐっ・・・・!」

侵食速度あげることにする。一部になるのが近づくと感覚がなくなって行く。今は柔らかくて生暖かいものに包まれている感覚かな。

「か、感覚が!」
「最後はなにも感じないぜ?」
「わ、わかった!降参する!!」
「あい・・・・よっと!!」」

地面を思い切り踏み込み地割れが進んでいないところに岩を高々とせり上がった。地割れはせり上がった岩壁にぶつかり相殺された。

平面でのどかだった平原は一瞬にしてただの荒れ地と化したのだった。ベリアルは規格外の強さを持つ男に恐怖した。この男が自分の主なのかと・・・・・。

「さぁ、今日からお前は四天王の一人だ。いいな?」
「ああ、わかった。これからよろしくお願いする。我があるじ」

忠誠を誓うようにベリアルは跪いた。この世で最恐の不死身の四天王に、史上最悪のゾンビに・・・・・

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