《異世界の主人公共へ》
《最強生物vs戦闘狂》其の弐
悲鳴を上げたバッグルは自分のあげた声によって我に返り身体を確認した。肉片となっていた感触を味わったはずなのに、当の身体には切り傷一つないのだ。
彼の挙動不審とも言える動きに四天王はゲラゲラと笑っていた。そして、彼に向けて指を鳴らす、すると今度は内部から膨張し限界まで達するとバッグルの身体は爆発とともにバラバラとなった。だが、彼はまた自分の悲鳴によって我に返る、そうして先ほどのように身体の安否を確認する。
さっきから自分に起こっている不可解な現象にバッグルは頭がおかしくなりそうだった。それを面白そうに見つめている四天王はドッキリのネタバラシのように彼に起こっている現象を教えた。
「さっきから自分に起こっている確実な死、しかし何故か無傷のまま悲鳴を上げている自分、このマジックショーのタネはこれだ」
彼は、自分の額にあるものを指差し、わかるか?と言っているように嘲笑った、バッグルは震える体を動かしながら答えた。
「赤い目......?」
「正解!よくできました!賞品は......確実な死です」
ギンッ!と額の目が黒く光ると、バッグルは自分の四肢を裂かれ、胴体だけとなった体を絶命されるまで嬲られる感覚を味わった。
悲鳴を上げる力もなくなったのか目が虚ろになり、呼吸も掠れている。ため息を漏らし持っていた武器を全て地面に置いて意識が戻らない敵の頭をコンコンとノックするように叩いた。すると、目に光が戻り呼吸も少しだけ良くなった。
「幻覚なのか......?それとも......現実か?」
声を震わせながら口を動かす彼に四天王は、やっと静まったと小さく呟いた。
「幻覚でもあり現実でもある、あやふやなこの現象......お前が味わっている感覚と映像はこうなるであろう未来だ」
「未来......?」
「俺がお前に与えた影響で起こる未来をこの目で直接脳内に刻み込み味合わせている、脳は体の全てに電気信号を送る人間の中枢部だ、そこに《痛い》という感覚を刻み込めば怪我をしてなくても痛みを感じる、細かい指定もできるぞ?」
この能力は《あやふやな魔眼》と呼んでいる。
未来というのはあやふやで誰にでも壊すことも作り変えることができ、同時に未来を無くすことだってできる。つまり、不安定であやふやな未来を相手に味合わせ精神を崩壊させる魔眼。
先ほども言ったように脳内に直接《痛み》という電気信号を刻み込めば、理不尽にダメージを負わせることができる。さらに細かく弄れば、肉片となる感触、体が爆散する感触、四肢をもがれ嬲られる感触を電気信号に変えて味合わせてしまえる。ただ、実際に外傷は一つも無いので動かそうと思えば動かせる。
そんな奴見たことないけどさ、どんなに強い精神力を持った人間だろうと何度も体を引き裂かれたり、串刺しにされたり、皮だけ引き剥がされたり、ダルマみたいに四肢を切り落とされてみろよ、脳が麻痺して思うように体を動かせないはずだ。
俺は慣れたけどな、何十年死に続けてると思っている?痛覚なんてほとんど麻痺しちまったよ。
「ばけ.........もの...だな......」
「おいおい......今更何を言っているんだ?お前が自分で言っただろ?《歴史上最強生物》ってさ、化け物なのは当たり前だろ」
その言葉に彼は鼻で笑った。
「そうだな......俺が恐怖するほどの相手..................だぁがぁぁ......ここでぇぇぇ勝負をぉぉぉ放棄するなんてぇぇぇもったいないじゃあああぁぁぁぁあないかぁぁぁ!!」
脳が麻痺して動けないはずのバッグルは喜びの叫びをあげながら無防備に立ち尽くす四天王の首を胴体から引き千切った。
一瞬の行動に驚かされた四天王だったが、すぐさま体は敵から飛び退き武器を拾いに行こうとするがそれは許されず、バッグルは引き千切った頭の額の目を潰し、ゴミのように投げ捨て、四天王の胴体を逃がさないように今度は右腕を掴み背負い投げのように地面に叩きつけた。
グチャリと卵でも潰したように血と内臓をあたりに撒き散らし辛うじて無事な部分は頭を潰した虫のようにピクピクと痙攣していた。
はぁはぁ......と過呼吸気味に荒い呼吸をしている彼に先ほど投げ捨てられた頭が語りかけた。
「いやいや......まさか一瞬でボロ雑巾にされるなんて、腐生で一度もないよ」
その言葉に彼はニヤリと笑った。
「そこまでボロボロになりながら話しかけてくる奴は人生で一度もないよ」
ふっふっふ......と小さく笑いながらすでに再生を終えていた体に拾われ、首から血管が伸び胴体からも伸びた血管と繋がり接合が完了したが額の目は血を流したまま再生していなかった。
「どうやらその目の再生は遅いようだな」
「とっさにこの目を潰された時は驚いた、戦闘狂なだけあって闘いにおける爆発力は優れているな」
「化け物相手に良くやっている方だろう?」
その言葉に四天王はバカにするような声でもなく、ある感情が混じった声で言った。
「お前も充分......化け物だよ......」
彼は喜びを数十年ぶりに感じたのだった。
彼の挙動不審とも言える動きに四天王はゲラゲラと笑っていた。そして、彼に向けて指を鳴らす、すると今度は内部から膨張し限界まで達するとバッグルの身体は爆発とともにバラバラとなった。だが、彼はまた自分の悲鳴によって我に返る、そうして先ほどのように身体の安否を確認する。
さっきから自分に起こっている不可解な現象にバッグルは頭がおかしくなりそうだった。それを面白そうに見つめている四天王はドッキリのネタバラシのように彼に起こっている現象を教えた。
「さっきから自分に起こっている確実な死、しかし何故か無傷のまま悲鳴を上げている自分、このマジックショーのタネはこれだ」
彼は、自分の額にあるものを指差し、わかるか?と言っているように嘲笑った、バッグルは震える体を動かしながら答えた。
「赤い目......?」
「正解!よくできました!賞品は......確実な死です」
ギンッ!と額の目が黒く光ると、バッグルは自分の四肢を裂かれ、胴体だけとなった体を絶命されるまで嬲られる感覚を味わった。
悲鳴を上げる力もなくなったのか目が虚ろになり、呼吸も掠れている。ため息を漏らし持っていた武器を全て地面に置いて意識が戻らない敵の頭をコンコンとノックするように叩いた。すると、目に光が戻り呼吸も少しだけ良くなった。
「幻覚なのか......?それとも......現実か?」
声を震わせながら口を動かす彼に四天王は、やっと静まったと小さく呟いた。
「幻覚でもあり現実でもある、あやふやなこの現象......お前が味わっている感覚と映像はこうなるであろう未来だ」
「未来......?」
「俺がお前に与えた影響で起こる未来をこの目で直接脳内に刻み込み味合わせている、脳は体の全てに電気信号を送る人間の中枢部だ、そこに《痛い》という感覚を刻み込めば怪我をしてなくても痛みを感じる、細かい指定もできるぞ?」
この能力は《あやふやな魔眼》と呼んでいる。
未来というのはあやふやで誰にでも壊すことも作り変えることができ、同時に未来を無くすことだってできる。つまり、不安定であやふやな未来を相手に味合わせ精神を崩壊させる魔眼。
先ほども言ったように脳内に直接《痛み》という電気信号を刻み込めば、理不尽にダメージを負わせることができる。さらに細かく弄れば、肉片となる感触、体が爆散する感触、四肢をもがれ嬲られる感触を電気信号に変えて味合わせてしまえる。ただ、実際に外傷は一つも無いので動かそうと思えば動かせる。
そんな奴見たことないけどさ、どんなに強い精神力を持った人間だろうと何度も体を引き裂かれたり、串刺しにされたり、皮だけ引き剥がされたり、ダルマみたいに四肢を切り落とされてみろよ、脳が麻痺して思うように体を動かせないはずだ。
俺は慣れたけどな、何十年死に続けてると思っている?痛覚なんてほとんど麻痺しちまったよ。
「ばけ.........もの...だな......」
「おいおい......今更何を言っているんだ?お前が自分で言っただろ?《歴史上最強生物》ってさ、化け物なのは当たり前だろ」
その言葉に彼は鼻で笑った。
「そうだな......俺が恐怖するほどの相手..................だぁがぁぁ......ここでぇぇぇ勝負をぉぉぉ放棄するなんてぇぇぇもったいないじゃあああぁぁぁぁあないかぁぁぁ!!」
脳が麻痺して動けないはずのバッグルは喜びの叫びをあげながら無防備に立ち尽くす四天王の首を胴体から引き千切った。
一瞬の行動に驚かされた四天王だったが、すぐさま体は敵から飛び退き武器を拾いに行こうとするがそれは許されず、バッグルは引き千切った頭の額の目を潰し、ゴミのように投げ捨て、四天王の胴体を逃がさないように今度は右腕を掴み背負い投げのように地面に叩きつけた。
グチャリと卵でも潰したように血と内臓をあたりに撒き散らし辛うじて無事な部分は頭を潰した虫のようにピクピクと痙攣していた。
はぁはぁ......と過呼吸気味に荒い呼吸をしている彼に先ほど投げ捨てられた頭が語りかけた。
「いやいや......まさか一瞬でボロ雑巾にされるなんて、腐生で一度もないよ」
その言葉に彼はニヤリと笑った。
「そこまでボロボロになりながら話しかけてくる奴は人生で一度もないよ」
ふっふっふ......と小さく笑いながらすでに再生を終えていた体に拾われ、首から血管が伸び胴体からも伸びた血管と繋がり接合が完了したが額の目は血を流したまま再生していなかった。
「どうやらその目の再生は遅いようだな」
「とっさにこの目を潰された時は驚いた、戦闘狂なだけあって闘いにおける爆発力は優れているな」
「化け物相手に良くやっている方だろう?」
その言葉に四天王はバカにするような声でもなく、ある感情が混じった声で言った。
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