《異世界の主人公共へ》

怠惰のあるま

《スベテノハジマリ》


何も感じない

何も聞こえない

何も触れない

何も匂わない

何も見えない

何も味わえない

そこはいつからあるのかわからなかった。あることすら気づかれもしない。
しかし、ある時《無》という概念が生まれた。
それは生き物ではなく、物質でも要素でもなく、ただ《無》という概念だった。
その概念はいつしか強大な力を持ち、何かを創造することができるようになった。
力を手に入れた《無》は、寂しいという感情から最初に自分と同じ存在 神 を生んだ。
次に神が君臨するための世界を作った《無》はあることを命令インプットした。

【平和な世界を創れ】

心の奥底に刻まれた命令は本能のように神を動かした。
それから数万年の月日が流れ、神の世界はとても平和で美しく、生きとし生ける生物は争いもなく助け合いながら生きていく素晴らしい世界となった。
その結果に満足した《無》は自由に生きることが出来るように神に自我を与えた。
だが、その選択が間違いの発端だったことに気づく余地はない。
自分の意思で動くことができるようになった神は生き物たちの感情を操り世界を弄んだ。

ある生き物は強欲という感情を与えられ、この世のすべてを手に入れようと命という命を奪った。

ある生き物は色欲という感情を与えられ、この世のすべてを魅了し自分の配下とともに世界を惑わした。

ある生き物は暴食という感情を与えられ、この世のすべてを喰らおうとし種族という種族を絶滅の危機に陥れた。

ある生き物は憤怒という感情を与えられ、この世のすべて

目に余る行為に《無》は意を決して神を止めるために攻撃を仕掛けた。しかし、気づいた頃には神の力は《無》の想像を超え、自身を打ち負かすほどに成長していた。
返り討ちにあった《無》は神に授けた始まりの世界に言葉通りに植えつけられてしまう。
神は《無》を封印することに成功したがいつ解けるかわからない封印を恐れ宇宙を何層かに分け《無》が植え付けられた始まりの世界は宇宙の最下層となった。





そして、さらに数百年という月日が流れ......

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