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ルームメイトが幽霊で、座敷童。

巫夏希

共同の戦線と再会宣言(後編)


 そんな会話を交わして、俺が神事警察に戻ってきたのは午後八時を回ったあたりだった。神事警察のあるビルはまだ明かりがあったから、誰か居るのだろうか。

「やっと戻れた……。ただいまかえりましたー」

 そう言って俺が扉を開けると、

「八連鎖とかふざけすぎじゃないの!? そこは三連鎖で様子を見るとかじゃなくて!?」
「ゲームでも対戦は本気なのだー! げしげし!!」

 座敷童の幽霊とカミサマがぷよぷよで遊んでいた。俺がここまで頑張っているのに――!!

「努力ってのは結果を伴わなきゃね」
「あ、みずきさん」

 なんかさらっとひどいこと言われた気がするけど、どうでもよくなった。
 それほど、俺は疲れていたんだろう。

「……どうだった、虚数課は?」
「とりあえず来週のゲームショーで決着を着けるそうです」
「ゲームショーか。ふーん、なるほどね」
「みずきさんは、もう仕事は? ……えーと、確かサキュバスの」
「迷子のサキュバスはさっさとイギリスに送り付けてやったよ。あそこは魔術大国で、凄いからね。聖痕スティグマを回復させる術を求めて、日本にある『霊膳草』の種子を探していたらしいが……少なくともそんなものは見付かっていないから、なんらかの狂言だろうという可能性が高いけれどね」
「聖痕?」
「あぁ、気にしないで。あくまでもサキュバスの『狂言』ってだけよ」

 そうだったらいいんだが。
 狂言ってのは聞いてる人がそう思っているだけというパターンと狂言だと言う人が決めているパターンの二つがある。
 もしかしたら、サキュバスは後者ではなく前者だったのではないだろうか?
 だとすれば、サキュバスは聖痕を治療する存在なのか?
 真相は闇の中になっていて、解ることもない。何れ、解る時期が来る……だろう。
 サキュバスとはそもそも何か、語るべきだろう。
 サキュバスとは女性型の夢魔で、名前のとおり夢の中で男の精を吸い取る。しかし、頭脳はそこまでではなく、枕のそばに牛乳を置いておくと、間違えてしまうのだとか。
 ただし、自らに生殖能力はない。だから、男の精を女性に与えることで、女性を妊娠させるのだという。

「……そういえばサキュバスと猫又が仲がいいというのが唯一の不安要素でしたが」
「猫又、ってあのネコの妖怪の?」
「猫又も広いカテゴリでは『夢魔』の一つなんですよ。……まぁ、サキュバスみたいに、精を吸い取るとかはしませんが」みずきさんはそう言ってあくびを一つした。眠いのだろうか? まだ八時過ぎだと言うのに。「署長も帰っちゃったし、私も帰りますね。あとよろしくです」
「了解でーす……」

 みずきさんも帰った。あとは俺と美夏さんと、碧さん。
 まあ、ふたりはぷよぷよしているから俺は資料の整理でもすればいいだろう……。


 そして――一週間が経った。

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