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ルームメイトが幽霊で、座敷童。

巫夏希

代償と回収と一同集結(中編)


「そういえば結局目的が解らないままラスボスかぁ……」
「これで物語は終わりだと思わない方がいいと思うけど。まだ翠名創理の背後には何かがいる気がしてならないからね」

 結局は翠名創理もマリオネットだった可能性は否めないし、正直なところそれが有力だと思う。理由は単純明解なのだが、普通に考えてこれは“個人所有の資産でなんとかなるもの”ではない。誰かが援助した可能性が確実となる。
 それでも……やはり、そうなのだろうか、と。幾つかの疑問もあるし、本当にこれで正しいのかと言われるとそうではないのかもしれない。真実とは、常に残酷だ。例えそれがどう転がっても自分に利があるのだとしても。

「まぁ、最後まで気は抜けないですよ。なんと言ったって油断大敵、ですから」
「あなたは一番そうだとは思ってないくせに……」

 祐希とのこんなやり取りも大分慣れてきた。彼女も彼女でなんだか深い過去がある。それを知るのは祐希とリトだけだから私が知る由もないんだけど。
 とりあえずめぐみさんと私と祐希の三人は一先ず何処か開けた場所に出る事にした。提案をしたのは……他でもない、祐希だ。

「さっきまでヴンダーと一緒にこの迷宮をぐるぐると回ってたんですけど、どうやら翠名創理の部屋はこの迷宮の中心にある気がするんです」
「……つまり?」
「この迷宮の中心には開けた、広い空間があるんですよ。そして……そこに翠名創理は居ます」


 ◇◇◇


【side:瀬谷理斗】

 後片付けとは何とも大変な事だが、それをしないと先に進まない気がした。……何を、だって?
 それは勿論、翠名創理の遺体だ。力なく地面に横たわり、白衣は自らの血で赤く染められた、ヒトだったもの。

「……片そう」
「片付ける、って」
「こんな場所は可哀想だ。せめて棺桶にでも入れよう」
「吸血鬼とかになって復活しなきゃいいけどね」

 ヴォギーニャの皮肉はさておき、まだこの遺体は腐りきってはいないのは確かだ。つまり、棺桶やらそういうものに入れるならば、正直なところ時間は殆どないといても過言ではない。

「足、持ってくれ」
「私も手伝わなきゃいれないのか?」
「当たり前だ、彼女の死に立ち会った人間だろう」
「本当は私が殺すはずだったんだがな」

 ヴォギーニャは頭をぽりぽり掻いて翠名創理だったものの足を持った。正直な話、人間は重い。死んだ後人間は僅かな量体重が減るとされている。科学者の間でも注目されていて、『魂の重さ』とか言われて話題にもなったものだ。
 そういえばあの後直ぐに身体と心を繋いでもらった。久方ぶりのこの感覚。まださっきまでのふわふわとした感覚が残っているが仕方ない。暫くしたら慣れるだろう。


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