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ルームメイトが幽霊で、座敷童。

巫夏希

合流の時期は超予想外(前編)


【side:瀬谷マリナ】

 とりあえずまずは、この牢獄から出なくちゃならない。とはいえ勿論の事内側には鍵なんてついてないし、しかし外側にも鍵がついていない。簡単に言えば、扉ってものが存在しなかった。

「……よく考えれば、どうやって私達をここに閉じ込めたんだろう……?」

 漸く私達の中に一つの疑問が浮かんだ。
 入口も出口もないこの牢獄に、どうやって私達二人を放り込んだのか。
 直ぐに考え付いたのは――入口箇所の溶接だった。確かにそれをすれば出ることは困難だが、出す時とかは来ないのだろうか? あと、これを入れる時に改めて鉄格子(……だと思う)をカットして中に入れるのだろうか。だったらコストがかかる。従来の制度にした方がよっぽどマシだ。
 だから、恐らく別の方法だろう。だけど、その他の方法ってものが見つからない。よくある展開として扉が上にある、とか考えられたが上はただの漆喰で出来た天井だったから、そちらの可能性は否定出来る。

「どうしますかね……」

 考えても、そんな簡単な問題ではなかった。こういう問題はきっと頓知の効いた少し斜め上の発想じゃなきゃ脱出できないのかもしれない。だがしかし、それでも脱出せねば先に道は開かれない。当たり前の事だ。

「おーい、もしかしてそこにいるのって、マリナさんじゃありませんか?」

 なんてこった。とうとう幻聴すら聞こえてきた。もう私も相当精神を追い詰められた、ってことなのかな。

「マリナさん、めぐみさん!」
「……ゆ、祐希?」

 幻聴ではなかったのか。
 そこに居たのは、祐希だった。偽者でもない、本物の祐希だった。

「な、何でここにめぐみさんが?」
「あなたこそ、どうして?」

 隣には不貞腐れた顔したヴンダーがいた。どうしたんだろうな、何か機嫌の悪くなるような事でもあったんだろうか?

「ヴンダーは……」
「ヴンダーは完全に使えないカミサマです。今回の事で改めて思い知らされましたよ」

 なんだか若干祐希も不機嫌気味なんだけど……なんだい二人とも、喧嘩でもした?


【side:河上祐希】

 マリナさんたちと出会う少し前、僕はヴンダーに話を持ちかけられた。

「なぁ、祐希」
「どうしたヴンダー。喋る暇があるなら、僕を治す方法があるかチェックしておくれよ」
「……めんどくせぇ」
「今なんて言った? これで六十二発目だからな。帰ったら覚えとけよ」
「明らかにおかしい数字だ!!」
「うるさいうるさい! この迷宮を抜けないと身体と心がバラバラになるだなんて言うからだ! あー、もう! 帰ったら覚えてろ!」
「それもさっきも聞いたぞ……。少しは落ち着けよ」

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