ルームメイトが幽霊で、座敷童。
魂と胎児と融合個体 -漆-
『まあ、それも解る。……だが人は前に進まねばならない。そうだろう?』
確かに、そうなのかもしれない。
十二年前の『神降ろし』。あのとき俺は何が起きたか解らなかったし、あのあとに神降ろしだとか神憑きだとか知らされた(余談だが神憑きの修行ってのは元服――今で言う十五歳くらい――でないとさせてくれないらしい。それまでは修行のため知識を積む必要があるからだ)。
俺は――神憑きに生まれたのに、それが出来ない。
親からも見放されていた。姉ちゃんが雷神と神降ろしを果たし契約した。
俺はフリーの封霊業を始め、姉ちゃんは神事警察へ就職した。
代わりのない、むしろ当たり前だと思っていた。
しかし、姉ちゃんからここに誘われ今この決断を迫られている。
――果たして、おれはこれに乗るべきなのだろうか?
「……俺は」
そして、俺は――決断した。
「――この力を手に入れて、強くなりたい……!!」
『ほう。その覚悟、本物だな?』
俺は小さく頷いた。もう迷うことはない。
『……ならば受け取れ』
その言葉と同時に天照大神は光となって――俺の体へ潜っていった。
『日本神話、最強のカミの力を』
どくん。
俺の心臓が小さく――しかし確実に波打った。
目の前には光がある。こころなしか祐希の声もする。玉城さん……いや、ツェペリの声もする。
飛び込もう。
俺は考えた。
『決心はついたか、戦場へ飛び込む勇気が』
「ああ。……ところであんたの名前は……」
『それを言わないのが男ってもんだ』
そうか、と俺は頷いた。
そして光に飛び込んだ――!!
確かに、そうなのかもしれない。
十二年前の『神降ろし』。あのとき俺は何が起きたか解らなかったし、あのあとに神降ろしだとか神憑きだとか知らされた(余談だが神憑きの修行ってのは元服――今で言う十五歳くらい――でないとさせてくれないらしい。それまでは修行のため知識を積む必要があるからだ)。
俺は――神憑きに生まれたのに、それが出来ない。
親からも見放されていた。姉ちゃんが雷神と神降ろしを果たし契約した。
俺はフリーの封霊業を始め、姉ちゃんは神事警察へ就職した。
代わりのない、むしろ当たり前だと思っていた。
しかし、姉ちゃんからここに誘われ今この決断を迫られている。
――果たして、おれはこれに乗るべきなのだろうか?
「……俺は」
そして、俺は――決断した。
「――この力を手に入れて、強くなりたい……!!」
『ほう。その覚悟、本物だな?』
俺は小さく頷いた。もう迷うことはない。
『……ならば受け取れ』
その言葉と同時に天照大神は光となって――俺の体へ潜っていった。
『日本神話、最強のカミの力を』
どくん。
俺の心臓が小さく――しかし確実に波打った。
目の前には光がある。こころなしか祐希の声もする。玉城さん……いや、ツェペリの声もする。
飛び込もう。
俺は考えた。
『決心はついたか、戦場へ飛び込む勇気が』
「ああ。……ところであんたの名前は……」
『それを言わないのが男ってもんだ』
そうか、と俺は頷いた。
そして光に飛び込んだ――!!
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