ルームメイトが幽霊で、座敷童。
一日の再帰の終了条件(後編)
「……そうだ。作業を開始しましょう。リト、鈴倉さん。ここにはとても便利なシステムがあるんですよ」
もう姉ちゃんに任せきれないと悟ったのか、みずきさんが行動を開始した。毎回思うがなぜみずきさんは偉い立場にいないんだろうな?
「霊体検知システム、『G-system』です。コンピュータに霊子の存在を記憶させておくんです。すると、意外と簡単に出来上がっちゃうんですね。コンマ一桁台での捜索も可能ですから、意外とその使用は富んでますね」
「……意外とハイテク」
確かに、俺もそう思う。というかそんなものあるならさっさと使いたかった。
「……霊体にはタイプがいくつかあります。“自律タイプ”に“侵食タイプ”もその中にあります」
「そんなこと、はじめて知ったな」
「まぁ、知らないのも当然かもしれませんね。ちなみに自律タイプは霊体独自で行動でき、侵食タイプはもともとの霊体を喰らってそれを糧として自らのエネルギーとするのです」
……何だそりゃ。驚いたな、そんなことが出来るとは……。
俺は驚いていたが……待てよ。重大な事を忘れてはいないだろうか?
今この瞬間がタイムループしているというのなら、それは一つの可能性が出来る。タイムループってことは、即ち『何かの事象を修正したがってる』わけだ。だって、そうじゃなきゃ理由がないからな。
だから今を繰り返す=修正したいその事象を修正しねーと先に進ませねーよ馬鹿野郎ってことを意味している。それにどれくらいのタイムループがかかるか、そして俺の記憶は保持されるのか、気になるのは山々だがやはりこれをどうにかせねばなるまい。
「……んで、リトくんと鈴倉さんにはまずこれを体験してほしいな。なに、慣れれば簡単になっちゃうから。……ほら、ここに赤い点がいっぱいあるでしょ? 自然霊が屯してるんだね。中々に濃い雰囲気になってそう」
へーどれどれ、確かにやばいくらい点が密集してるな。何があるんだ?
「競馬か?!」
「はいはい副局長は座ってて下さいねー」
「ちょ、局長! 色々なにするんですか! そこ触らない……で……っ」
「そう言ってるけど体は正直よねぇ? こんなにいやらしい液体出してるんだもの」
「なにしてんだよ!」
なに百合プレイに勤しんでるんだあんたら! これそっち系じゃねぇから!
「……なに考えてるんだあんたこそ?」
「へ?」
「見てみろ、ほら」
よく見ると局長と姉ちゃんはある生き物で遊んでいたらしい(遊んでいた、というのは変だが)。
「これスベスベマンジュウガニモドキスベスベダンゴガニモドキザリガニと言うんだよね。お腹を触ると体液をだすわけよ。いやー、生き物ってすごいね(※スベスベ(ryザリガニは架空の生き物です。念のため)」
「……ややこしいわ!」
もう訳がわからねぇよ! みずきさんは唖然としてるわヴォギーニャは苦笑いだわ! トップがそんなのでいいのか!
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