桜舞う丘の上で

りょう

第40話 合宿当日

                     第40話 合宿当日

1
結局何にも不安が消えないまま、時間だけが過ぎていき、いつの間にか合宿当日。
「じゃあ行ってきます」
僕と桜はさほど多くない荷物を持って、学校へと向かった。
「でもさ、僕達ほとんど荷物持っていないけど、夕飯とか大丈夫なの?」
「そこら辺の心配は必要ないわ。和樹とゆりが用意してくれるから」
「そうっすか」
何て他人任せな部長なんだろうか?
「それよりゆーちゃん、今日海で泳ぐけど海パンとかどうしの?」
「秋久さんからもらったものを履くから大丈夫だよ」
「お、お父さんのを借りたの?」
「うん。サイズもピッタリだったし。何か問題でもあった?」
「だ、大丈夫。何でもない」
「?」
何か桜の様子が急に変わったけど、どうしたのかな?ま、気にしなくて….。
「お父さんの海パンって確か五年ほど洗ってないような」
いや、やっぱり駄目だ。それはかなり大問題だ。
「ああ、もう泳ぐ気失せた」
「ちょ、ちょっとどうしたのゆーちゃん」
「別に何でもないから気にしないで」
「気になるよ」
それでも僕は答えなかった。
うん、彼女の呟きは聞かなかった事にしよう。
2
で、何だかんだで部室に到着。
「あれ? 二人まだ来てないわね」
「いや、荷物があるから多分…」
さっさと水着に着替えと海に行ったのだろう。置き手紙あるし。
「本当勝手な事するわね二人とも。折角の合宿なのに」
「いやもう、海に遊びに行ってる時点で合宿じゃないよ」
今日の日程からしてもそうだし。

夕飯 (バーベキューらしい)
花火大会
何の合宿なのこれ。
「とりあえず二人は先に行っちゃったし、私達も着替えてさっさと行きましょう」
「うん」
僕は秋久さんから貰った(五年ほど洗っていない)海パンを持って、外に出た。
「暑いな今日も…」
真夏の日差しが照りつける中、一人着替える僕。ああ、本当に暑い
。死ぬぅ…。
十分後
遅いな桜。このままだと本当に倒れそうだ。
「着替えは終わってるだろうし、中に入るか」
いくらなんでも我慢しきれないので、僕は扉を開いて中に入った。
「桜、早くして…よ…」
僕の目の前に現れたのは、まだ着替えが終わっていない裸の桜だった。
「きゃーー!」
「ご、ごめん!」
最悪なタイミングで僕は入ってしまったらしい。
3
で、海に着き和樹達と合流する頃には…。
「お、お前らどうしてそんなにテンションが低いんだ?」
「「別に」」
合宿が始まったばかりとは思えない程にテンションが下がってしまっていた。
                       第41話 海で過ごす一時 へ続く

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