約束の指きり
第20話
                     第20話  夜の海岸にて
散々騒ぎまくった夕飯は無事(?)に終わり、各々自由な時間を過ごしていた。本当はこの後、僕と由紀と健の三人で大切な話があるのだが、それは春香が眠った後と言う事で、僕は一人海岸の堤防に座り込んで、ずっと考え事をしていた。
「はあ~。」
思わずため息をついてしまう僕。二人には何を説明すればいいんだ?春香の正体?そんなのいきなり話すわけにはいかないから、それはまた別の機会にしたいのだが、他に話せる事があるのだろうか?
「はあ~。」
二度目のため息をついた所で、後ろから足音が聞こえた。誰かは予想がつくので、振り返りはしなかった。
「拓、話があるんだけどちょっと良い?」
「うん。」
「じゃあ隣、失礼するね。」
そう言うと彼女、春香は僕の隣に座った。僕は彼女から話がありそうな気がしたので、わざわざ堤防に移動したのだ。部屋の中じゃ絶対に話せないし・・。
「それで話って何?」
「うん、あのね・・。」
しばらく沈黙が続き、今は波の音しか聞こえない・・。その沈黙の時間が数分ほどあった後、春香はゆっくり口を開いた。
「この前拓にさあの事話された時に、私ちゃんと答えられてなかったよね?」
「うん。」
「あの時は拓にその事を知られたって事がすごくショックだったの。でも、あの後改めて考え直すと、じきに誰もが知ってしまうことなんだよね。今更ショックを受けたって、何も意味が無いんだよね・・。」
春香の言葉に僕は返す言葉がなかった。今の言葉で答えは既に出ていたからだ・・。
「じゃあ春香はやっぱり・・。」
「うん・・。」
・・・・・
話は旅行の数日前に遡る。その事実を母親から知らされた僕は、訳も分からない状態のまま。春香が居るであろうあの公園へと向かった。
「どうしてなんだよ春香!どうして僕を裏切るんだよ・・。」
ひたすら走り、僕は公園にわずか数分で到着した。中には勿論、春香勿論がいた。
「春香!」
僕の声にびっくりした彼女はそれが僕だと気付きこちらにやって来た。
「ど、どうしたの拓?今日は来ないはずじゃ・・。」
「春香にどうしても話したいことがあったから、慌てて来た。」
「私と話したいこと?」
「うん。」
僕は少し間を開けた後にこう言った。
「春香、君は一体何者なの?」
                                                  第21話へ続く
散々騒ぎまくった夕飯は無事(?)に終わり、各々自由な時間を過ごしていた。本当はこの後、僕と由紀と健の三人で大切な話があるのだが、それは春香が眠った後と言う事で、僕は一人海岸の堤防に座り込んで、ずっと考え事をしていた。
「はあ~。」
思わずため息をついてしまう僕。二人には何を説明すればいいんだ?春香の正体?そんなのいきなり話すわけにはいかないから、それはまた別の機会にしたいのだが、他に話せる事があるのだろうか?
「はあ~。」
二度目のため息をついた所で、後ろから足音が聞こえた。誰かは予想がつくので、振り返りはしなかった。
「拓、話があるんだけどちょっと良い?」
「うん。」
「じゃあ隣、失礼するね。」
そう言うと彼女、春香は僕の隣に座った。僕は彼女から話がありそうな気がしたので、わざわざ堤防に移動したのだ。部屋の中じゃ絶対に話せないし・・。
「それで話って何?」
「うん、あのね・・。」
しばらく沈黙が続き、今は波の音しか聞こえない・・。その沈黙の時間が数分ほどあった後、春香はゆっくり口を開いた。
「この前拓にさあの事話された時に、私ちゃんと答えられてなかったよね?」
「うん。」
「あの時は拓にその事を知られたって事がすごくショックだったの。でも、あの後改めて考え直すと、じきに誰もが知ってしまうことなんだよね。今更ショックを受けたって、何も意味が無いんだよね・・。」
春香の言葉に僕は返す言葉がなかった。今の言葉で答えは既に出ていたからだ・・。
「じゃあ春香はやっぱり・・。」
「うん・・。」
・・・・・
話は旅行の数日前に遡る。その事実を母親から知らされた僕は、訳も分からない状態のまま。春香が居るであろうあの公園へと向かった。
「どうしてなんだよ春香!どうして僕を裏切るんだよ・・。」
ひたすら走り、僕は公園にわずか数分で到着した。中には勿論、春香勿論がいた。
「春香!」
僕の声にびっくりした彼女はそれが僕だと気付きこちらにやって来た。
「ど、どうしたの拓?今日は来ないはずじゃ・・。」
「春香にどうしても話したいことがあったから、慌てて来た。」
「私と話したいこと?」
「うん。」
僕は少し間を開けた後にこう言った。
「春香、君は一体何者なの?」
                                                  第21話へ続く
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