他称改造人間になった俺
長いエピローグ2
桜花の話は荒唐無稽なものだった。
世の中には科学のために人体実験すら良しとする秘密結社があり、桜花達はその対抗組織ということらしい。 そして、俺は人体実験の餌食になったというわけだ。
普段ならとても信じられない話だった。 実際、8割くらいは信じてない。しかし、記憶喪失中の俺は嘘くさい話でも頼らないといけないのが辛いところだ。
その記憶喪失も、どうやら組織とやらの実験によるものらしい。
なぜ彼らが、断言できるのかは疑問だが突っ込んだ質問は自重したほうが身のためだろう。
ふと自分の疑い深さに異常さを覚えたが、それが生来のものか、人体実験の影響か考えない方がいいのかもしれない・・・。
「・・・ということザンス」
「桜花さん、それワザとやってますよね?」
桜花の説明は、謎日本語で行われていた。
「そうだよ。我々もお前の事を8割くらいは疑ってるからな」
そう答えたのはグラサンこと野見耕太郎だった。
なるほど・・・
桜花の言葉遣いは俺の反応を観察するためのもので、少し離れて位置からグラサンがじっくりと観察していたわけか。 8割というキーワードも偶然ではなく、俺の考えを読んだということだ。
やれやれ、想像よりしたたかな連中だな。
しかし、そんな感想も次の瞬間には吹き飛ばされていた。
なぜ、今まで気がつかなかったのだろうか?
一人増えてるということに
男は最初からそこにいたかのようにゆったりと椅子に腰をかけていた。 その様子は、むしろリラックスしてるかのように見える。
仲間なのか? そう思い桜花たちを見るが、二人が持つ黒光りした金属がそれを否定する。
記憶喪失の俺でも、それの道具が何か覚えている。銃と呼ばれる人を殺すことだけを目的とした道具だ。そして、その銃口を男に向けている。 おそらく俺は、敵という言葉を生まれて初めて意識した。
そう、目の前にいる男は敵なんだ。
ふいに自分の体が無意識に動こうとする。
どうするか考えるよりも早く、体が男を襲おうと動き始めた。
「落ち着けよ」
しかし、その動作は男の一言で封じられた。
「確かに俺はあんたらの敵だが、戦う前に間違いを正してやろうと思って声をかけたんだぜ」
2人の人間に銃を突きつけられている男は俺に対して、そう答えた。
世の中には科学のために人体実験すら良しとする秘密結社があり、桜花達はその対抗組織ということらしい。 そして、俺は人体実験の餌食になったというわけだ。
普段ならとても信じられない話だった。 実際、8割くらいは信じてない。しかし、記憶喪失中の俺は嘘くさい話でも頼らないといけないのが辛いところだ。
その記憶喪失も、どうやら組織とやらの実験によるものらしい。
なぜ彼らが、断言できるのかは疑問だが突っ込んだ質問は自重したほうが身のためだろう。
ふと自分の疑い深さに異常さを覚えたが、それが生来のものか、人体実験の影響か考えない方がいいのかもしれない・・・。
「・・・ということザンス」
「桜花さん、それワザとやってますよね?」
桜花の説明は、謎日本語で行われていた。
「そうだよ。我々もお前の事を8割くらいは疑ってるからな」
そう答えたのはグラサンこと野見耕太郎だった。
なるほど・・・
桜花の言葉遣いは俺の反応を観察するためのもので、少し離れて位置からグラサンがじっくりと観察していたわけか。 8割というキーワードも偶然ではなく、俺の考えを読んだということだ。
やれやれ、想像よりしたたかな連中だな。
しかし、そんな感想も次の瞬間には吹き飛ばされていた。
なぜ、今まで気がつかなかったのだろうか?
一人増えてるということに
男は最初からそこにいたかのようにゆったりと椅子に腰をかけていた。 その様子は、むしろリラックスしてるかのように見える。
仲間なのか? そう思い桜花たちを見るが、二人が持つ黒光りした金属がそれを否定する。
記憶喪失の俺でも、それの道具が何か覚えている。銃と呼ばれる人を殺すことだけを目的とした道具だ。そして、その銃口を男に向けている。 おそらく俺は、敵という言葉を生まれて初めて意識した。
そう、目の前にいる男は敵なんだ。
ふいに自分の体が無意識に動こうとする。
どうするか考えるよりも早く、体が男を襲おうと動き始めた。
「落ち着けよ」
しかし、その動作は男の一言で封じられた。
「確かに俺はあんたらの敵だが、戦う前に間違いを正してやろうと思って声をかけたんだぜ」
2人の人間に銃を突きつけられている男は俺に対して、そう答えた。
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