東方魔人黙示録

怠惰のあるま

《コメディの世界は時が過ぎるの早いけど何か?》



やぁ貴様ら。
俺だ。
アルマだ。
いやぁ...歳をとると時間が早く感じるね。体感的に十分しか経っていないと思えば一時間ぐらい経ってる時あるよな?
ない? じゃあ別に共感しなくていいよ!!
なんか話がズレてるな。戻そう。
とにかく俺が言いたいのはあの魔王の集会から7年経ったと言うことだ。
は? 流石に時間飛ばしすぎだって? そんなこと言ったら何処かのフェアリーな尻尾だって7年ばっさり過ぎたことあるだろ!! それと同じ。誰だって誰かを大人で描きたい時あるだろ? だったら時間を飛ばす。誰だってそうする。俺もそうする。
まあ、そんなわけだ。
それで俺が何故第四の壁を突き破って語りかけているかと言うと助けてくれ。

「折角私が遊びに来てあげたのに無視だなんて酷いじゃない」
「逆に突然目の前から現れた知人にどう反応すればいいんだ」
「驚きなさい!」
「なんか違う...この人いつもと全然違う...! まさか偽物か...!?」
「失礼ね正真正銘、あなたの友人である安倍 桜よ」

そう。何故だか知らんが桜が俺の世界に来ている。というか、俺がパルスィといる時間の次の次の次の次の次の次の次ぐらいに好きな就寝中に変な気配を感じてな。目を開けると彼女がニヤニヤと笑っていたんだ。
そして、めんどくさそうだから二度寝を決めたらなんか見えない何かで縛られました。酷くない?

「まあいいや...それで何用ですか?」
「イラとリティアの様子を見に来ただけよ」
「......君さ。最初っからそう言えばいいやん。なんでこんなことするん」
「面白いじゃない」
「お前やっぱり桜じゃねぇだろ!!」

絶対にこの人いつもと違う。

「ほら、案内しなさい」
「とりあえず俺を解放しろ!!」
「嫌よ。何されるかわからないでしょ?」
「俺はパルスィ以外の女に手を出す気ねぇし!! 興味もねぇよ!!」
「はいはい。お暑いことね」
「おい! 人の話を聞けぇぇぇ!!」








△▼△








抵抗虚しく俺は見えない何かで縛られて、さらに見えない何かで引きずられさとり様の書斎へと連れて行かれた。

「あら、お久しぶりですね」
「お久しぶり...? ええ、まあお久しぶり」

なんか疑問を持っているようだが、どうかしたのかな?

「どうやら違和感を感じてるようですね。それもそのはずあなたが最後に訪れてからこっちは7年の月日が流れてますから」
「へぇ...時間が過ぎるのって早いわねぇ.........7年!? ちょっと待って! 確かに世界毎に時間の流れは違うとしても数日で年単位の誤差が生まれるわけないでしょ!?」

ああ、うん。俺もそう思う。
仕方ないんだ桜。これはこの世界が決定したことなんだ。時の流れは残酷であるって言うだろ? 言わない? なら言わない。

「まああれだ。コメディの世界は時間の流れが早いよ?」
「コメディって言えば何でも許されると思ったら大間違いよ!!」
「なんかデジャビュを感じる」
「じゃあ、イラとリティアも大きくなってるってことよね...?」
「そうだけど?」

あれ? なんかガッカリしてる。
まあ、どうせあれだろ? まだ子供で純粋無垢の可愛いイラとリティアに会いたかったって奴。
今は大きくなって立派になってるからなあの子ら。結構強くなってるし。

「てか、あの子らお前が来るのを待ってたんだぞ?」
「え? ほ、本当に...?」
「桜先生に修行の成果を見せるんだ! って、ずぅっと修行してるんだぜ?」
「そ、そうだったんだ...」

今回に関しては世界の時差の所為だけどな。

「それで二人はどこにいるの?」
「知らん」
「なんでよ」
「朝起きた瞬間に誰かさんに縛られたんですが?」

何も言い返せないのか、スッと俺から目を逸らす桜。

「リティアならパルスィと居ますよ。イラは外に出かけています」
「わかったわ。ありがとうさとり。ほら行くわよ」
「だから引きずるんじゃねぇ!!」

俺の叫びは虚しく響き、さとり様が手を振りながら見送るのを見ながら引きずられ書斎を後にした。








△▼△








引きずられるままにパルスィとリティアのいる部屋に到着。襖を開けようと触れたその時だ。彼女の動きは急に止まった。なぜ止まっているのか分からないが、よく見ると体が震え汗が出ていた。まるで何かに怯えているように見える。
うん。俺は察しがついてる。
桜の異常の元凶であろう人物が襖を勢いよく開け、彼女を睨み殺す勢いで見つめた。

「あら...久しぶりね...」
「え、ええ...お久しぶり...」
「積もる話もあるけど...その前に一つ聞いていい?」
「な、何かしら...?」
「私のアルマに何をしてるの......?」

パルスィ激おこです。もう手の付けようが無いほどに激おこです。
あ〜あ。桜さんやっちゃった。俺し〜らない。

「ちょ、ちょっと待って...!」
「なに...?」
「こ、これには理由が...!!」
「理由があってもなくても...アルマに手を出したことに変わりはないでしょ...?」

桜はこう思ってるだろう。
あ、無理だこれ。
うん。絶対に思ってる。5ポンドかけてもいいよ。
そんな二人の間に割って入るようにリティアが乱入した。

「もうお母さん! 落ち着いて! 桜先生も早くお父さんの拘束を解いて!」
「わ、わかったわ...」

リティアの言う通りに俺の拘束を解いた桜。よっしゃ自由だ! さぁてと...とりあえず。

「パルスィ。落ち着こうか」
「でも...」
「怒るパルスィも好きだけど。いつものパルスィがいいな」
「そんな言葉で落ち着くはずが...」
「わかった。怒るのやめる」
「え、えぇぇ...!?」

パルスィは良い子なんですぅ〜! ちゃぁんと言えばわかってくれるんですぅ〜!

「はぁ...まあいいわ。それよりもリティア。久しぶりね」
「はい! お久しぶりです桜先生!」
「元気そうで良かったわ。私が来れない間、復習はしてた?」
「バッチリです! 桜先生に認めてもらえるように頑張ってましたから!」

リティアすごく嬉しそうだ。まあ、桜が来るのをずっと待ってたからな。その為にずっと桜から学んだ事をイラとリティアの二人で練習していたみたいだし。あ、そういえばイラがいないな。

「パルスィ。イラは?」
「あの子なら破月のところにいるわよ」
「ああ、そっか。今日も修行か」
「修行?」
「破月さんが来てからイラは彼女のところに入り浸りなんだ。稽古をつけてもらうんだと」
「へぇ...親と違って真面目ね」

俺は良いんだよ。強くなりたいとかって願望は俺にはないから。今のままでいいんだよ。強いて言うならパルスィを守れるだけの力があればそれ以上は望まない。

「そうだ。イラの様子でも見に行くか?」
「いいわよ。どれぐらい強くなったか見たいから」
「よし。じゃあ行こうか」

一つ伝えてないが説明怠いし実際に見てもらった方がいいや。その方が反応面白いだろう。



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